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混沌

時刻は15時をすぎていた。もうとっくに入学式は終わっている。

そうだ、倒れたんだっけ。

「いや待て、なんでお前が俺の家にいるんだ?どうやって入った!?」

目を覚ますと俺は自分の家で蒼葉に膝枕されていた。身体には手当したあとがあった。

「なんでって、そりゃあ彼氏が怪我したら手当してあげるのが当然でしょ。」

…ん?こいつ今彼氏って言ったか?

「おい、いつから俺はお前の彼氏になったんだ?」

蒼葉はポカンとした表情で見つめてくる。

「いつからって今朝からよ。あなたも彼氏ですって言ってたじゃない。」

さも当然のようにそう言ってくる

「あれはお前が絡まれてたからとっさに合わせたんじゃねーか」

膝枕から身体を起こしそう言うと、蒼葉は少し食い気味に口を開いた。

「このまま彼氏ってことにしてよ!」

…はい?

「ほら、私って可愛いでしょ?だから中学の時からよく男の人から絡まれるの。」

こいつ、自分で可愛いって…だが蒼葉ってよく見たら小顔で目は大きし、整った顔をしている。

「彼氏持ちって方が楽かなぁって、それに今回見みたいに襲われるのも怖いし。」

蒼葉は少し疲れたような表情で話してきた。

「嫌だよ。こんなボロボロになって、まだお前のボディーガードしろと言うのか?俺になんのメリットがあるんだ?」

「え、え?私みたいな可愛い子と一緒に居れるんだよ?嫌なの?」

俺が即断ったのが以外だったのか、蒼葉が慌て引き止めてきた。

こいつよっぽど自分に自信があるみたいだな、相当驚いている。

「もう帰れ、手当はありがとうな。」

そう言ってさっさと蒼葉を帰らせようとした時部屋の扉が開いた。

「入るねー新。もう起きてる?」

母親が仕事から帰ってきていたようだ。

やばい、この状況どう説明しよう。

「あ!お母さん、新くんもう起きれるみたいです。」

俺が言い訳を考えてる間に蒼葉がすごい勢いで母に声をかけた。

「感謝しなよ、あんたが倒れてからずっと夏帆ちゃんが手当してくれてたんだから。」

…なにこれ。妙に母親と蒼葉の距離が近い。

俺は状況を理解出来ずに混乱していると再び母から追い討ちがかかる。

「はぁ入学そうそう喧嘩なんて…まぁ彼女守ったんだからよかったんじゃない。私は夏帆ちゃんが無事で良かったよ。」

そう言って母は安心した様子で部屋を出ていった。

「おい、これはどうゆう事だ?」

この混乱した状況を作り出したであろう蒼葉に詰め寄る。

「実はもうお母さんには私たち付き合ってるって言っちゃった。」

やっぱりか、こいつは本気だ。

「でもお母さん喜んでくれたよ、こんな可愛い子が新の彼女なんてって。」

…。

「喧嘩しちゃったけど私を守るためにだったってことも言っておいたから安心して!」

…。

「ねぇ、だからお願い、形だけでいいから付き合ってるってことにしてよ。私料理もできるし、家事だってできるよ。」

「しなくていい。お互い自由にする。それが条件だ。」

面倒だがこいつの相手をし続けるのも面倒だ、条件を出せば害は無さそうだし形だけ彼氏をすることにした。

「やったぁ!よろしくね、新!あ、付き合ったから名前で呼ぶね!」

…はいはい。呼び方くらいなんでもいいだろう。

「じゃあまたね!早く怪我治してね!」

満足したのかそう言って蒼葉はやっと帰って行った。

はぁどっと疲れた。早く帰ってほしくて彼氏になることを了承してしまったが、良かったのか?まぁいい、寝よう。

高校生活初日は身体も心も疲れてしまい蒼葉が帰ったあとすぐに眠りについた。

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