四十行以内に追放され、幸せな結婚をする公爵令嬢
「ティアラ、お前は追放だ」
突然呼び出されたわたくしは、殿下にとんでもないことを言い渡された。なにも心当たりがないのだが、何故追放などをされなければならないのか。
思えばーー
「長い! さっさと返事をしろ! 五行も使ったではないか!」
「意味がわからないことをおっしゃらないでください。殿下、何か事情が終わりでして?」
「四十行以内に君を追放しなくてはならないのだ。それが私の使命なのだから」
「あら、それは大変ですわね。だから婚約破棄をぶっ飛ばしたのね。でもたったそれだけで追放とは失礼でしてよ? もっと明確な理由をおっしゃっていただかないと」
意味がわからないが、殿下は何かと戦っているらしい。四十という数字には何か意味があるのだろうか?
「長文はやめてくれ! 文字の大きさによっては行数がずれてしまうではないか!」
「そんな機能使う人なんて稀ですわ。みんなデフォルト設定で見ているはずよ」
「のこり十二行。早く誰かと結婚して幸せになってくれないか?」
「早すぎですわ。そんな急かしても幸せな結婚なんてできなくてよ」
「ええい! ならもう仕方がない、俺と結婚するぞ!」
「追放したくせに結婚とはこれいかに」
「ああ、もう四十行目になってしまう!」
「大丈夫ですわ殿下。魔法の言葉を使いますので」
「魔法の言葉だと? それは何だ?」
「ふふふ、それはですねーー」
こうしてわたくしは殿下と結婚して幸せになった。




