羅生門のメイドver2
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一人のメイドが羅生門の下で雨やみを待っていた。
メイドの他にはお嬢様が一人紅茶を飲んでいる
メイドは不意に脚を上げ、羅生門にかかとを叩きつけてやった。羅生門はバラバラになって倒壊し、余波でマグニチュード7の地震が発生した。
お嬢様はいなくなった。
そしてメイドは霧のように消えた。
誰もいなくなった。
メイドの行方は誰も知らない。
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オツベルときたらたいしたもんだ。トレーニングマシンの6台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、おおそろしない音を立ててやっている。
そこへプロテインの香りを嗅ぎつけたメイドが、ぶらり静かにやって来た。
メイドはマシンの1台に右手をのばし、ゴミを拾うよう持ち上げて、それから2、3回シャカシャカ振って、下ろし、音を立てずに消えてしまった。
オツベルは謙虚になった。
メイドの行方は誰も知らない
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「そうか、そうか、つまり君はそういう奴なんだな」
エーミールは、まるで世界の掟を代表でもするかのように、冷然と、筋肉を盾に、あなどるように僕の前で、フロントラットスプレッドのポージングをして立っていた。
そこにメイドが壁を破ってやって来て、全く同じポーズで、何倍もの筋肉量を見せつけて、冷酷な眼差しを向けてきた。
エーミールは発狂し、虎になった。僕は蝶を潰さずに済んだ。
メイドの行方は誰も知らない。
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メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。
メロスは、単純なマッチョマンであった。プロテインの粉袋を、背負ったままで、どしどし王城にはいって行った。
ところが城は、既に廃墟で、ガレキの山の天辺に、一人のメイドが立っていた。
メイドの手には、王の生首がぶら下がっていた。不図、メイドがこっち見た。
調べられて、メロスの懐中からはホエイプロテインが出てきたので、メロスは、プロテインを奪われた。
代わりにメイドがプロテインの粉塵をばら撒くと、グレートマッチョになった親友セリフンティウスが輝いていた。
おまけにメロスの妹も、いつの間にかハイパーマッチョになっていた。
さらに羊たちもマッチョマンになり、メロスを囲んでメーメー鳴いた。
メロスは考えるのを止めて笛を吹いた。
メイドの行方は誰も知らない。
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国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。
向側の座席からメイドが立って来て、島村の前のガラス窓を粉砕した。雪の冷気が流れ込んだ。メイドは窓いっぱいに乗り出して、遠くへ叫ぶように
「お嬢様ァー、お嬢様ァァァァァーッッ!」
お嬢様を3人備えてメイドを待つ、国境の山であった。
メイドの行方は誰も知らない。
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メイドの行方? ああ、その事だが、火山で、メイドは眠ってしまったよ。お嬢様とのバトルを、少し酷くしすぎたんだ。
三日三晩、不眠不休で戦って、止めにする予定だったのが、ノリと勢いで3000年もぶっ通しの激闘になったんだ。
石器時代がIT革命起こせる年月だぜ?
今、メイドは、富士山の底の底の底、地殻マントルで眠ってるんだ。
そろそろ筋肉痛が治るころだと思うんだ。
きっとすごい地震が来るんだぜ。
メイドの行方は誰も知らない。
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むかしむかし、ある堤防の上に、1羽のメイドがおりました。このメイドは、もうあと何日かすれば真昼の太陽に焼かれてしまうしかなく、そのために堤防の上に縫い付けられているプロテインの泉の中に、こっそり自分の大尻筋を浸して見ていました。
そこにちょっかいをかけたのが、百合の花束です。
百合の花びらは危険な花びら。食べると全身ダイヤモンドの雷神に変化をとげます。
メイドは人間をやめた。宇宙をわたる風になり、光子の粒より上位の存在、相対性理論が効かないナニカになりました。
そんなわけで、メイドは羅生門の上にとどまってしまい。まあそんな事はどうでもいい。羅生門は堤防にされてしまったのですおめでとうございます。
メイドの行方は誰も知らない。
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一人のメイドが羅生門の上で雨やみを待っていた。
メイドの他にはお嬢様が70億人。
メイドにとって、地球はスイカである。
割って中身を食べるため、メイドは身長6000万メートルになって、スイカを素手で引きちぎるように地球に爪をぶち込んだ。
バリッ、バリバリバリバリッッ!
黒の宇宙空間で、甘い地殻マントルが赤く綺麗に映えてます。
その時メイドはニッコリと、初めて笑みを浮かべます。
地球をバリバリ食べた後、メイドは風になってしまいましたとさ。
メイドの行方は誰も知らない。
めでたし めでたし