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羅生門のメイドver2



☔️☔️☔️☔️☔️☔️☔️☔️



 一人のメイドが羅生門の下で雨やみを待っていた。

 メイドの他にはお嬢様が一人紅茶を飲んでいる


 メイドは不意に脚を上げ、羅生門にかかとを叩きつけてやった。羅生門はバラバラになって倒壊し、余波でマグニチュード7の地震が発生した。


 お嬢様はいなくなった。

 そしてメイドは霧のように消えた。

 誰もいなくなった。


 メイドの行方は誰も知らない。



☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️



 オツベルときたらたいしたもんだ。トレーニングマシンの6台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、おおそろしない音を立ててやっている。


 そこへプロテインの香りを嗅ぎつけたメイドが、ぶらり静かにやって来た。


 メイドはマシンの1台に右手をのばし、ゴミを拾うよう持ち上げて、それから2、3回シャカシャカ振って、下ろし、音を立てずに消えてしまった。


 オツベルは謙虚になった。


 メイドの行方は誰も知らない



∨∨∨∨∨∨∨∨



「そうか、そうか、つまり君はそういう奴なんだな」


 エーミールは、まるで世界の掟を代表でもするかのように、冷然と、筋肉を盾に、あなどるように僕の前で、フロントラットスプレッドのポージングをして立っていた。


 そこにメイドが壁を破ってやって来て、全く同じポーズで、何倍もの筋肉量(バルク)を見せつけて、冷酷な眼差しを向けてきた。


 エーミールは発狂し、虎になった。僕は蝶を潰さずに済んだ。


 メイドの行方は誰も知らない。



∨∨∨∨∨∨∨∨



 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。


 メロスは、単純なマッチョマンであった。プロテインの粉袋を、背負ったままで、どしどし王城にはいって行った。


 ところが城は、既に廃墟で、ガレキの山の天辺に、一人のメイドが立っていた。

 メイドの手には、王の生首がぶら下がっていた。不図、メイドがこっち見た。


 調べられて、メロスの懐中からはホエイプロテインが出てきたので、メロスは、プロテインを奪われた。

 代わりにメイドがプロテインの粉塵をばら撒くと、グレートマッチョになった親友セリフンティウスが輝いていた。

 おまけにメロスの妹も、いつの間にかハイパーマッチョになっていた。

 さらに羊たちもマッチョマンになり、メロスを囲んでメーメー鳴いた。

 メロスは考えるのを止めて笛を吹いた。


 メイドの行方は誰も知らない。



❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️



 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。

 向側の座席からメイドが立って来て、島村の前のガラス窓を粉砕した。雪の冷気が流れ込んだ。メイドは窓いっぱいに乗り出して、遠くへ叫ぶように


「お嬢様ァー、お嬢様ァァァァァーッッ!」


 お嬢様を3人備えてメイドを待つ、国境の山であった。


 メイドの行方は誰も知らない。



☽ ☽ ☽ ☽ ☽ ☽ ☽ ☽



 メイドの行方? ああ、その事だが、火山で、メイドは眠ってしまったよ。お嬢様とのバトルを、少し酷くしすぎたんだ。


 三日三晩、不眠不休で戦って、止めにする予定だったのが、ノリと勢いで3000年もぶっ通しの激闘になったんだ。


 石器時代がIT革命起こせる年月だぜ?


 今、メイドは、富士山の底の底の底、地殻マントルで眠ってるんだ。


 そろそろ筋肉痛が治るころだと思うんだ。

 きっとすごい地震が来るんだぜ。


 メイドの行方は誰も知らない。



☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️



 むかしむかし、ある堤防の上に、1羽のメイドがおりました。このメイドは、もうあと何日かすれば真昼の太陽に焼かれてしまうしかなく、そのために堤防の上に縫い付けられているプロテインの泉の中に、こっそり自分の大尻筋を浸して見ていました。


 そこにちょっかいをかけたのが、百合の花束です。


 百合の花びらは危険な花びら。食べると全身ダイヤモンドの雷神に変化をとげます。

 メイドは人間をやめた。宇宙をわたる風になり、光子の粒より上位の存在、相対性理論が効かないナニカになりました。


 そんなわけで、メイドは羅生門の上にとどまってしまい。まあそんな事はどうでもいい。羅生門は堤防にされてしまったのですおめでとうございます。


 メイドの行方は誰も知らない。



☔️☔️☔️☔️☔️☔️☔️☔️



 一人のメイドが羅生門の上で雨やみを待っていた。

 メイドの他にはお嬢様が70億人。


 メイドにとって、地球はスイカである。

 割って中身を食べるため、メイドは身長6000万メートルになって、スイカを素手で引きちぎるように地球に爪をぶち込んだ。


 バリッ、バリバリバリバリッッ!


 黒の宇宙空間で、甘い地殻マントルが赤く綺麗に映えてます。

 その時メイドはニッコリと、初めて笑みを浮かべます。

 地球をバリバリ食べた後、メイドは風になってしまいましたとさ。


 メイドの行方は誰も知らない。


 めでたし めでたし

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― 新着の感想 ―
[良い点] これはメイドじゃなくて、ただの通り魔かもだしなのじゃ? [気になる点] オツベルって……悪者じゃなかったかの? マッチョだったかのう……あぁ、マッチョだったのじゃ! [一言] セリフンティ…
[良い点] なんてシュール! メイドはどこにいったんだろうなぁ(笑)
[良い点] あはは、ごみさんお好みの作品オンパレード編ですねぇ〜 [気になる点] 最後の「むかし、むかし……」のネタ元がわからない! 一瞬「かもめのジョナサン」? と思ったんですが違いました。そもそも…
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