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路傍野姫狐  作者: きつね耳モフモフ
18/29

魂の居る所

私は牡丹灯籠ジャあリマせんよ?

 川の底を転がりながら進む小さな丸い影はやがてその街中を

越え、ついにはその上流にある森の中の源流の方へと突き進む。

やがて川が細くなるにつれて清らかな水底からようやくその姿を

晒したそれは滝を上る錦鯉ならぬ「毬」だった。

 ちょっとした収納も兼ねたこの毬は、この獣人の国を出るまで

の間の最大の切り札であるが故に、下手に拾われられて持ち去られ

たり出発前に取り上げられてたりでモしたらかなり面倒な事に

なってただろう事は間違いないけれど。

 「錬金術」は生命の創造をも極める目的で構築された技術でもある。

だからか「魂の移動」程度の術ならば比較的容易に出来るらしい。

しかも今回は生きてもいない「無機物」だったから私程度の術者

でも何とか「魂移しの術」は再現出来たのよね。あの猫のお姐さん、

ネズミの玩具で実践しては遊んでたから見よう見真似で術式覚えて

おいて良かったわ。まさか自分で自分に術を掛ける羽目になるとは

思わなかったケドね。元は素材の余分な物を除ける為のモノかな?

 因みに何故「毬」なのかというと、それそのものが「形代」

としての役目を担ってるという事を私が知ってたからである。

ボールもその意味じゃ同じ役割もつけどあれは仮初であろうとも

私の持ち物なので抱えたままじゃGPSくっ付けてあるのと同じ

理屈だから潔く諦めた。

 この異世界の「探索魔法」とやらの精度がどれ位のモノなのか

私は知らないけれど、少なくとも私と私の持ち物がその場に

あり続ける限りはどうしてもそちらに目がいくモノなのよ。

その点この毬の元持ち主は言うまでもなく、あの猫なお姐さん。

なのでボールの中身がすり替わってる事さえ気付かなければ、

「探索魔法」の対象からは自動的に外されるって訳ね。

 特に連中は「獣人」だったから魔法の効果よりも「現物」の

方に集中する傾向が強かったし、わざと当たる様に投げ付け

てしまえば「たかがボール」で済んでしまうとも思ったわ。

 多重構造にしたのは私が抱えてるのがただの私のボールだけ

と思わせる為と収納を兼ねさせてるから。「認識阻害」の術は

ボールの中だけに掛けてあったから例え縫い目が一部解れてて

も、大分傷んできたかな?程度にしか連中は思わない。

結果としてまんまと逃げ遂せ掛けてる私の一時的な勝利へと

繋がった訳ナんだけど。このまま逃げ切れる自信は、無い。

 「探索魔法」の精度と術者のしつこさにも依るけれども

もし万が一「生きてる」と知られてしまえば、後を追われる

事は避けられない。ペットとして飼われた事実は早々変えられ

そうに無いだろうしね。

牡丹灯篭の「本体」は灯篭であるとする説もあルそうです。あるいは従者。

しかし猫のお姐さん結構な術者だとオモウケド、それでも末路は売られるって

どんだけ立場が低かったんだか;


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