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9月1日

「あー今日から九月やんけ」


今日も今日とて十二時起床。いつもはここからだらだらするわけだが、今日のぼくことしじみはいつもと違う。次の日のカレーくらい違う。


今日は、勝負の日だ。昨日散々書き散らかした脚本を読んでもらう日だ。開始は二時半。あーきはーばらー(両手を上げて)に行かなくてはならない。大体三十分くらい。そこから学校まで徒歩十分。ちなみにここから最寄り駅までも同じ徒歩十分。と、いうことはここを少なくとも一時四十分くらいには出なければならない。


なんだ楽勝やないかーいと思ったきみ。正解である。


たしかに今この段階でぼくにやることがなかったら、だらだらタイムの始まりである。


だがしかし。ぼくにはやらなければならないことがある。


それはなにか。


そう、他の生徒さんの脚本を読まなければならないのだ。


ぼくの他に生徒さんは六名いる。


が。


ちゃんと毎週提出しているのはその六人の中の四名のみ。あとの二人はほとんど提出していない。


まあ、その話はさておき、今から一時四十分くらいまで他の生徒さんの脚本読み読みタイムである。


嘘である。飯とか用意とかあるので一時くらいまでである。そう考えると結構時間が無い。


受信ボックスから送られてきたメールを開き一人一人読んでいく。


一緒に脚本学校で勉強してはや四ヶ月近く。大体皆の好きな物語の形は見えている。それを確認しながら楽しく読む。これが大事。


だってぼく含めまだぺーぺーなので、ぺら3ですら(ぺら3だからかもしれないがね)思ったように書けない。みんな苦心している。


気づけば一時半くらいになってました。


「あ、飯……もういいや」


用意してレッツゴー。秋葉原到着-。


「は、腹減った……」


飯を探して三千里(感覚的に)。近くのスーパーっぽいところでおにぎりを買って三分の一くらい食べて捨てる。なんか、味が微妙。そしてなんかお腹いっぱい……。


教室にはぼく以外の生徒さんは皆いました。皆、来るの早い。


脚本家の先生ことやどかり先生は、いつも通りおはようございますから入ります。良いことや。


「さてさて、今日は皆さんにご相談があります」


やどかり先生は言いました。さて、なんでしょう?


「これからの課題についてです。九月の二十二で、基礎編は最後になります」


そう、基礎編はこれでもう終わりなのだ。


「で、皆さん全員応用編に入るわけなんですが」


そして応用編、始まる。


「この応用編までに皆さんには写経をしてもらいたい。そしてあと一つなにか課題をしてもらいたい。それは映画のレポートを書くかぺら3にするか、どっちがいいでしょうか」


ここで大体一人だれかMCを務めさせられます。今回はリーダーことうさぎ(あだなに脈絡がなさすぎてごめん)がMCを務めます。


以下略。


「はい、それでは決まったようなので映画のレポートからいきましょう。今回は祈りの幕がおりるときですね」


祈りの幕がおりるときは原作東野圭吾の小説を映画にしたもののことだと考えてね。


熱く語ります。熱い。幼女の対決、熱い。原作六巻とっても面白かった。


さておき、色々と話し合います。前回の授業で配られたフォーマットを駆使して(このへんは怖いので多くは語りません)物語を紐解いていきます。


無事終息。姉さん二人衆のうち一人であるさざえ(これ、ばかにしてるわけではないんです)がうまくまとめてくれました。


さて、次!ぺら3抗論会。正直これがぼくの一番やりたいことではある。


やどかり先生がさざえを指名!そしてそのMCはぼく!い、いやだぁぁぁぁぁぁぁ!


とはあまり思わん。ぶっちゃけ楽。だって、適当に他の生徒さんに当てていけばいいんだし。楽勝楽勝。


でも、これはお互い知った仲になってきたら楽になっただけで、最初のほうはほんと申し訳なくて心が痛かった……。


それにMCといっても結局そんなにすることない。補足説明ありますかーとか聞くだけ。


で、さざえの脚本に入るわけだ。ふむふむ。


「意見感想あるかたいますかー?」


ここでうさぎが、「これじゃあ主人公の変化がない! 書いてる意味がない!」


なるほど。


ここでさざえの脚本を見てみよう。


登場人物は恵太くん、翔くん、望ちゃん、の三人。三人とも十七。


恵太はフォトコンテストに望を誘おうとしている。が、何度か失敗中。翔がやってきて茶化す。


さて、ここで場面が変わり、恵太が翔と望がいちゃこらしているのを発見。というのは、翔が望をフォトコンテストに誘ってる様子を見てしまうのだ。


これを見た恵太は思う。翔のことを応援してやろうと。


とぼとぼ歩く恵太。そこに現れる望。ふてくされ気味の恵太。翔と付き合ってんの、とか聞いちゃうわけですねー。


でもでも、望は違う違う、お願いごとされたの、と言ってくるわけです。


ここで勘付く恵太。翔、気を利かせてくれたんじゃね?てきな。


そして恵太がフォトコンテストに勇気を持って望を誘う。


ここでうさぎが突いたのは、恵太は最初から望を誘おうとしてる。そして最後は誘った。これだと物語を創る意味がないんじゃないか、みたいな。


ようは脚本って心が変わるところを書くわけで、それがドラマなわけで、これだと変わってないんじゃないかというわけです。


ほうほう。


ここでしんとなる空気。ここでMCぼく、元テレビ局員こといがぐりに話を振る。


「たしかにうさぎの言う通りだ」


だがここで、元自衛隊員ことささみが渾身の一言。


「でも、お題は忖度だ。忖度というのは相手の気持ちを推し量って行動すること。ようは主人公がぶれそうなところを誰かが勝手に気を遣って軌道修正するんだから、これでいいだろう」


やどかり先生、納得。一同も、たしかに、な雰囲気。


「ではこれで決定稿!」


やどかり先生の一声により(もちろんみんなの雰囲気も見て)決定。さすがさざえ(上からではない)。


さて次はMCをやってたやつが脚本にあれこれ言われる番だ。


つまりはぼくだ。


ぼくのMCを今度はうさぎがやる。


「補足説明はありますか?」


「東京に行くところがちょっと皆が引っかかるかな、と自負してます。他はとくには」


「では意見感想などあるかた」


ここでささみが手を挙げて思わぬ一言。


「先週の震えた手で書いた手紙良かったからあれ入れてほしい」


な、なんと!思わぬ変化球!


先週書いて書き直し喰らったやつに書いていたやつだ。


あれはひねって考えすぎて良くなかったかなと思い消したのだが、見てくれている人がいるなんて驚きだ。素直に嬉しい。


「ではまずこれは決定稿。そして一ページ半でその手紙を入れたものを書いてきてくださーい」


やどかり先生からお達し。やるしかないのです。


でもぺら3以上書いてもいいと言われたのはちょっといい気分。


こうしてぼくの番は終わり。続いてはMCをやっていたうさぎの脚本の討論。MCはいがぐり。


うさぎの脚本は毎週ボコボコになることが多い。今回もボコボコ。だって主人公まったくしゃべってないんだからしょうがないよね。


はい次、いがぐりの脚本。MCは大学生の女の子、うに。


いがぐりの脚本は毎回物議を醸す。わけではないが、なんかすごい。悪い意味で変。


いがぐりは基本、女性が主人公だ。そしてこの主人公が訳が分からないことが多い。ぼくは読んでてこんなやつ世の中にいるわけ、ってなる。


だっていきなり屋上のフェンスよじ登って向こう側行ったら、もう一人の女子も向こう側にばびゅーんって行っちゃうんだから。そこで口喧嘩したと思ったら急に泣くし。よくわからん。


でも前より良くなってる。がんばれーって感じで脚本見てます。


そんなわけでも、結局書き直し!もう一作いがぐりの作品はあるけどこれはそもそも忖度になってないって感じで終わり。


続いてうにの脚本、MCはささみ。


「えー、それでは、な、なーにか補足説明はありますかー」


ささみは良い意味で変なやつ。ぼくのつぼ。


うにの脚本は結構前のやつ。出されたお題は秘密。これに対してうにが出した脚本は、人肉を使った料理のレシピを見られて殺すという結構異形なストーリー。


さて、ここでもちょっとした議論勃発ですね。


登場人物は宮代とはる。


この脚本の流れは、


テレビでバラバラ殺人事件の映像が流れる。はるが宮代が出した料理をぱくぱく食べている。


場面が変わり、はるがお風呂から上がったとき棚のレシピを見る。そこには人肉料理のレシピが。


それを知られた宮代がはるをさくっと殺す。みたいな。


ここで今回の議論となったのが、テレビでバラバラ殺人事件の映像が流れただけで、果たしてそのはるが食べてる料理は人肉だと紐づけられるのか、だ。


ちなみにこういうテレビの映像と現実がリンクしているというのは、よくあるパターンだ。わかる人はわかるかもしれない。


だが、やはりわからない人にはわからないのだ。


ここで面白いのが、うさぎとさざえはこれで紐づけられるんじゃないか、というが、やどかり先生、そしてぼくはそれの否定派だった。ささみはうーん、って感じ。


で、で! ここからが面白いのだが、なんとここでいがぐりが質問。


「これってはるが食べてる料理は普通の料理ですよね?」


そう、いがぐりは紐づけられていなかったのだ。


ここからやどかり先生とぼくのうにへの攻撃が始まる。


ここで議題になるのが、どうして紐づけられなかったのか。それはおそらく、


はるがただ料理を食べ終えてしまったから、だ。


たしかにテレビ映像と現実がリンクするのは多い。だがあくまでもあれは前振りであって決定的な証拠ではないのだ。


なので改善策としては料理を食べてる段階でなにかはるが異変に気づかなくてはならない。


ここで例を挙げたのが、スープの中に爪が入ってるとか、歯が入っているとか。それに気づいてちょっとテレビをちらっと見たら消されちゃうとか、そういうアクションを入れればよいのでは、みたいな。


うに、意気消沈気味で「どう直したらいいかわかんない」とつぶやく。


ぼくはちょっと驚いた。


さて、これでうにの脚本は終了。中々物議を醸していた。この次のぺら3がどうなるのか楽しみである。


さて最後はささみ。


ささみの脚本はギャグ風味で主人公がくそ。


というのは、今回ささみが書いた主人公は、妹のことを溺愛している主人公士郎だ。


流れとしては、妹を溺愛しすぎて妹の下着を身に着けていないと行為に及べないみたいな。だから夢子が身に着けるが弾けちゃうみたいな。


設定はなんか面白い。でも忖度になっていないので書き直し!


と、いうわけで脚本の学校は終了。皆で帰ります。ちょっとぼくは財布を無くしたので受講証を発行してもらう手続きで一緒には帰りませんでした。


とぼとぼ歩いてるとささみが喫煙所に居て飲みにいくことに。


串屋で串を食べながら脚本の話をする。あれはどうだこれはどうだ。


ここでぼくが今日一驚いたうにの一言の話をする。


ぼくは、どこを直したらいいかわからない、なんてことに陥ったことがないのであれには驚いた。


脚本、しかもぺら3は伝えたいことをどこまで濃縮させ人に伝えるかが醍醐味であって、どこ直したらいいかとか、何を書いたら、というよりも、どこを直せばこのセリフは縮んで一行に収まって、このセリフはここよりここ、いやここか?みたいな、物語の展開をどうするか、どうぺら3に収めるかに終始身をやつしているので、うにの発言は驚きだった。


ぺちゃぺちゃ喋って帰宅。軽く飯を食べてちょい長ぺら3を考える。ノートに色々アイデアを。


そうこうしているうちにランニングの時間。ランニング。雨。うがぁぁぁとなりながら走ってシャワー浴びてなろうを開く。


今日の小説を書こうとしたら、あれ?異常事態。


ぼくはこれは短編で短編集みたいな、一日おき短編みたいのを想定して短編として新規小説にしたんだけど、どうやら短編はそれで終わりにしなければいけないらしく、急遽連載形式をとる。


なので八月三十一のが今日書いたことになってるけど、ま、気にすんな!


と、いうわけで今日の一日分のしじみの気持ちでした。

















結構毎日書くの大変やで。明日は書かない書かない。


前振り? なにそれ。

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