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8月31日

「あ、明日になったらFGO、プリズム交換できるやん」


お昼すぎに起床したおれことしじみは、起きて早々そんなことを考えるわけだ。が。


「いや、でも今日も朝まで起きてるし、実質交換できるのは今日」


そう考えなおして一階で適当に飯を食う。冷凍のからあげをレンチンして適当に盛ったごはんに乗せる。はい、からあげ丼完成、お粗末!(ソーマ、ごめん)


さて、腹は満タン次は何をしようか。あ、そうだ。脚本書かなきゃ。


そう、ぼくは脚本家である。嘘、脚本家の卵である。虚言、ただの大学生である。


と、いうのは、ぼくは大学生として大学に行きながら脚本の勉強をしに、週末そういう専門学校に通っているのだ。


人呼んでぼくは仮面大学生である!(だれも呼んでない)


と、いうわけで脚本を書こう。なんたってしめきりは一昨日だからね! でも多分、デッドライン(絶対的しめきり)は今日。それは四月から学校に通っているぼくの勝手な持論なわけですが、はい。


だがしかし。のアニメ二期はずっこけてた。のはさておき、パソコンを開いて一昨日くらいから開きっぱなしのwordを開く。


今書いてるのはぺら3と呼ばれるもの。多分正式名称。おおよそ、word一枚分。正確にはタイトルとか自分の名前とか登場人物とかで一枚分より若干少ない。


そしてこの中に、とてつもなくかっこよく言うと、自分のやりたいことを全部押し込めるのだ!


これがとにかく大変。まじ卍とか使いたくなるレベル。ほんときつい。ここ最近になって(つまりは通い始めて四か月くらい)思う。


だってword一枚の中で提示されたお題で物語、つまりは短編、にもなってないけど、一つのドラマもどきを創らなければならないわけだ。


ちなみに今週のお題は忖度。


忖度ってなにかわかる? わからなかったら辞書で調べろ(いきなり強気)。


さて、忖度。意味は相手の気持ちを推し量り、行動すること。ようは相手のことを考えて行動しろってことよ。


ちなみに出されたのは先週。先週は考えすぎて物語がひっちゃかめっちゃかになって上手く伝わらなかった。人にぺら3で上手く伝えるのってすごく難しい……。


まあとにかく今日は五時からバイトもあることだし、さっさとやっていこう。大枠はできてる。あとはどう上手く物語をぺら3で完結させるか。これに限る。


主人公は聡。彼は勉強ができて頭がいい。模試の結果はすべてA判定とか出しちゃうすごいやつ。そして彼には友達がいる。幼なじみだ。


今、幼なじみと聞いて可愛い女の子を思い浮かべたやつ、残念。男だ。名前は健吾。


先週は色んな人の忖度について考えすぎた。今回は終始健吾の忖度を考えていこう。


まず、判定がAしかない模試の結果をもらった聡がそれをゴミ箱にポイ捨てする。彼にとってはそれはいらないものだからだ。それを健吾が拾う。


翌日、聡は病院で母親の久子と話をしている。久子は病弱設定なので痩せ細っていて触ったら折れそうな感じ。


まず聡が東京に行かないことを驚く久子から始まる。余計なことは書かない。これぺら3の鉄則。


聡が東京に行かないのは久子が心配だからだ。もちろん親にそんなことは言わない。問い詰めるけど、言わない。


ここでポイントというか悩みの種というか、聡が東京に行くのは、医者になるためだ。だが、どうして東京に行くのかというと、彼の頭の良さ、必死に努力した分も含めて彼は東京の頭の良い大学に行ってもっともっと学びたい、だから東京に行くのだ。


だが、ぺら3だとそんな説明なんかしてられない。なぜならword一枚だから!そんなの書いてられない。だから色々試行錯誤してもちょっとあやふやになってしまう。


明日、脚本学校にいる他の生徒六名にけちょんけちょんにされそう。怖い……


ちなみに設定は田舎。田舎のどこかはあんまし考えてない。いらないかなーと思うけど、指摘されそう。


まあまとめると、聡は田舎から東京の大学に行きたい。医者になるために。でも病弱な久子が心配なので東京には行かない、ここらへんの大学かあるいは就職か、ここはぼく的にどっちでもいいのであんまり深く考えてない。まあ、許して。いや、ぼくが書いてるんだけども。


さあ、ここで! いよいよ忖度的主人公健吾の登場である。


さっきも書いたけど、健吾は聡が捨てた模試の結果を拾うのです。


さて、そして何をするかというと、


それを久子に見せる! ザ、シンプル! シンプル万歳!


え? 久子に見せるだけ? それでいいの?


いいんです。これでもう忖度の完成です。


だって健吾は聡の気持ちを推し量って、勝手に!(ここ重要)久子に模試の結果を見せたわけですから。


これで久子は聡の想いを知るわけですね。


そして聡が病院に来たときそれとなく聞くわけです、大学どうするの、とか。東京のほう行くの、とか。


それに対して東京には行かないと答える。ここから脚本に書いていきます。


久子は聡の想いを知りながらも知らないふりをして話を進めていきます。


聡は久子が何も知らないと思って話を進めていきます。


ここで! 聡が窓の外から健吾を発見! 都合がいいとかは知らん!


そして同時に久子が健吾の話を! うん?と思う聡は窓を経由して久子を見ると、ポケットから模試の結果がぁぁぁぁ! おのれ健吾ぉぉぉぉぉ!


聡、事態に気づく!ここで久子が自分の責任だと言い始めるが、聡自身久子を恨んだことはないので否定。久子は何も知らないまま、自分の夢は息子に最期を看取ってほしいということだと言う。


これ、難しいんですけど、久子的には、ただ普通に息子に最期を看取ってほしいと聡に言ってるんです。けど本当は、医者として最期を看取ってほしい、と言ってるんです。久子の考えでは、聡は前者の意味で受け取るだろうと。


だがしかし。だがしかしですよ、


聡は気づいてるんです、久子のポケットから見える模試の結果を見て、久子がもう聡が何になりたいかを。


だから聡はぐっとくるわけです。そしてそのまま久子のポケットから模試の結果を取って、かっこよく、東京に行って医者になると告げる、ようは決心するわけです。


上手く言葉を見繕ってぺら3でどうにか収め、昨日みた祈りの幕がおりるときの感想レポートもごりごり書いて、メールで送信!


ほっと一息、バイトまであと一時間。


楽しみにしていた響の十巻の発売日! 調べたら昨日で落ち込みながらも本屋に買いに行って読む。


めちゃめちゃ面白かった。響大好き。実写映画、良くも悪くも楽しみ。主演がね、欅坂のトップだし。彼女、めちゃめちゃのめりこむタイプらしいし。


気づけばバイトの時間。バイト行く。十時に終わり帰る。


帰ってすぐYouTubeタイム。レぺゼン地球かっけー。気づけば十二時を回る。


ランニングタイム。毎日大体五キロくらい。できないときもあるからほぼ毎日。


「そうだ、今日から小説で日記みたいなの書こう」


「なんか話題が欲しい、あ、月刊シナリオ誌昨日届いてたな。読も」


ひとり走りながらぶつぶつつぶやく。


そしてびっちょびっちょに汗をかいてシナリオ誌を読む。泣き虫しょったんの奇跡。


成り上がりものに目がないぼく、楽しく読む。


そしてぼくは今、一時間半をかけてここにたどり着くのだった。


毎日これやりたい。でもそれをやるとやりたくなくなる。ランニングもそうだったから、明日はやらないかもしれない。そんな感じで。


しじみの一日分の気持ちでした。

山のないコメント、オチのない意見、たわいもない感想、など、お待ちしております。

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