超越者
まずは解析の魔眼を使って自分のステータスを表示させる。
オーバー・スカル・エンペラー(Lv500)
HP:100430/100430
MP:5671320/5673300
攻撃力:22400
魔法攻撃力:7648800
防御力:22100
魔法防御力:2760400
速度:985050
精神力:1522210
装備 なし
スキル
「超越者Lv2」「魔道士Lv8」「モンクLv☆」「魔物使いLv1」「炎魔法Lv8」「水魔法Lv8」「雷魔法Lv☆」「風魔法Lv☆」「氷魔法Lv☆」「闇魔法Lv☆」「重力魔法Lv5」「時空魔法Lv3」「空間魔法Lv7」「麻痺無効」「睡眠無効」「石化無効」「毒無効」「魅了無効」「混乱無効」「呪い無効」「炎熱無効」「氷結無効」「移動阻害無効」「腐蝕無効」「解析の魔眼」
ふむ。ひとつだけスキルが増えているな。
魔物使いか。
これはおそらくイースを従属させたことで獲得できたのだろう。
どうせならこれからももっとイースを使ってスキルレベルを上げていこうじゃないか。
どうせなら僕をもっと増やしてもいい。
そうしたらより早く、効率的にスキルレベルを上げられるかもしれん。
私は自分がまた一段階強くなれることを確信し、先ほどとは打って変わって笑みをこぼした。
いつまでも、あのときこうしていれば良かったなどと、くよくよしているのは実に非効率的なのだ。
さて、そろそろ本題に入ろう。
超越者のスキルの解析だ。
自分でもどういうものなのかがよく分からずにいたため、どんな効果を持っているのかが楽しみである。
ついでに魔物使いのスキルにも目を通しておこう。
そして私はついに超越者のスキルの解析を始めた。
「超越者」:それはあらゆる種を凌駕し、絶対的な領域に立つもの。レベルに応じて所有者は絶対的な力や技を手に入れる。[追加効果]全能力値上昇(大)、取得経験値増加(極大)、取得熟練度増加(極大)
熟練度 Lv1 魔眼付与【-】
Lv2 生殺与奪【-】
「魔物使い」:魔物を仕えさせているものが取得可能なスキル。レベルの上昇により、使役する魔物との意思疎通や、魔物の能力値の向上が可能となる。
こ、これは。
やはり、思っていたとおり超越者のスキルは群を抜いて素晴らしい。
あまりにも高性能すぎる。
自分の強さの源はやはりこいつだったか。
私がたった数百年でここまで強くなったのは、追加効果にある取得経験値増加(極大)と取得熟練度増加(極大)によって異常なほどの早さで成長できたからに違いない。
我ながら恐ろしいスキルである。
解析の魔眼もこのスキルによって付与されたものだったか。
確かに魔眼などそう簡単には手に入らないだろう。
また、Lv2で取得しているはずの生殺与奪という能力。
これは一体何なのだろうか。
そこまで考え、私はあることをひらめいた。
これもまた、スキルのように解析できるのではないかと。
もう非効率的な愚行を為すつもりはない。
私はもっと強くなりたいのだ。
そして私は生殺与奪と書かれている部分を凝視し、詳細を表示するよう念じてみた。
生殺与奪:手で触れた者が持つ能力値、スキルを自由に自分のものへと変えることができる。それはあらゆる抵抗を無視する。また、能力値やスキルの移動は自分から他の者へも可能。
「な、なんだこれは!!」
驚きのあまり私はイースから立ち上がる。
イースは突然自分の主人が叫んで立ち上がったことに驚き体をビクッとさせてから、何があったのかと顔だけスケルトンに向けている。
「ハ、ハハハ。素晴らしい。素晴らしいぞ、超越者よ。まさに私にふさわしい力!私はこの世の頂点に立つのだ!!」
私は高らかに宣言する。
後ろではイースが頭の上に?をたくさん浮かべて首をかしげていた。
「やることは山積みだ。できるだけ早く取り掛からねばなるまい。まずはこの場所を出よう。しかし出口のようなものはさっきの部屋には見当たらなかったな・・・おい、イースよ」
「はい、なんでしょうかごしゅじんさま?」
「お前はここからの出口を知っているか?」
「はい、わたしがここにきたのはずいぶんとまえのことですがそのときは」
「よい。頭を私に近づけよ」
そういわれたイースは頭の上の?をさらに増やしながら言われたとおり頭を私に近づける。
私はその顔を手でつかみ、魔法を発動する。
「記憶干渉」
中級闇魔法の記憶干渉は相手の記憶に干渉し、それを見たり、操作したりすることができる。
虚ろな目をしたイースから私の中に、イースがここへ連れて来られたときの記憶が入ってくる。
やはりイースは何者かにここへ封印されていたようだった。
そして出口は最初にイースがいた部屋の真上にあったことが分かった。
さきほど確認したときになかったことからすでにその道は塞がれたか隠されたかのどちらかだろう。
どちらにせよ方向さえ分かれば問題はない。
もともと正規の方法で通るつもりはないのだから。
行くべき方向が分かった私は未だに虚ろな目をしているイースを肩に担ぎ、初めてイースと出会った部屋へと戻っていった。