七発目:その銃者、裏に暗躍する。
そろそろほかの人を出さなければ(義務感
あっみなさん100超えのユニークとPV有難うございます本当に有難うございますもうそれだけで励みになります……!
「――――ッ!! ……モンキス?なんだそりゃあ?おん?てか煽りやがったな?あァ?」
叫ばれた丹は、その言葉をきちんと聞いていた。
語感そのままでいけば猿のような生き物なのだろう。 それこそ丹自身が知っているような。
だが―――煽り耐性ほぼ皆無の丹は言い返さずには居られなかった。
「おうおうおーう!路地裏でちょいちょい騒いでるハゲチンパンジーさぁん!騒いでどーしたァ!その汚ェケツ真っ赤にするだけじゃ足りなくてお顔も真っ赤かよォみっともねえなァあ!!あーはっはあッハハハッ!!」
ヒーッヒヒヒと気味の悪い笑い方をして最高に高笑いしていく丹。
時計台というその目立つポジションに居ても煽ることをやめず、かつ高笑いしてヘイトを確実に稼いでいく。
丹はふう、と笑い疲れたのか一息つく。そして時計の上、ベルがあるであろうそのスペースの縁に座り込み、時計の長針に足を掛ける。
まったく笑えるよなあ、と自分しか聞こえない声で呟いた後。
「犬だか猿だかわかんねーけどよォ!もう朝だぜ、早く捕まえてくれよォ!捕まえれんならなァア!ハッハハハッ!!」
――完全に周りのことなど考えてないような大声で、笑い、煽り上げるのであった。
――――その頃。
案の定というべきか。一人、大暴れしているプレイヤーが居るという情報を、そのギルドはきいてすでに動き出していた。
場所は、王都カリバス。
そこはゲームの一番楽しい頃であろう、低レベルから中レベルあたりにお世話になる街である。
定期便として飛行船が行き来しており、交通も悪くない。
何より、プレイヤーが店を構えられるとしてその国は大人気であり、闘技場もある。
後半、別の町をプレイヤーホームにする人も多い中、6割程であろうか。 その程度の人間がこの王都を主に活動していた。
その中でも、既にこの世界に来ていたプレイヤー。
それらが集まった集団が、この王都には存在した。
名は、無い。
まだグループとしてではなく、ただの集団。 仲のいいパーティのような集まりとして存在している彼らは。
現在4人というその少数差も相まって、仲の良いグループとして存在しているような人間たちだった。
「こちらミト――時計台の上で騒いでるバカ一人視認。 兵士の1人が言い返したらしいわ、モンキスだってね――雑魚キャラと一緒にされたらあたしでもキレますわあ」
走りながら、器用にもその手に対物ライフルを持ち、走りゆくその女。
ボソリボソリと小声でだがはっきりとしゃべって話しているが―――そばには誰もいない。
『序盤の中ボスってところか。まーあの外見事態は裏ボスとか主人公とかそれっぽいけどね――――視認と詳細鑑定完了。認識阻害にー全身重量軽減ってどう見てもに対人厨っぽいですねー本当にありがとうございました』
耳元でかすかになるそれ。 ――機械であろうか。 ガラスのようなぼんやりと光を発する球体中心とするそれは、ピアスのようなかたちで耳元にくっついている。
『此方に気付きますかね。あの様子じゃインファイトの前衛ですかね、身のこなし方をみているとだいぶ慣れてる感じしますけどー、屋根片手にワンハンドスプリングからの屋根へ飛び移るって絶対やろうと思ってもできませんねあれ』
走り、路地裏に潜むその兵士をたびたびくるその声でで避けつつ。
少し高い、宿屋の屋根の上――そこに生える、そこそこ大きな煙突の裏。
そこに隠れ、ずしゃり、と体を横たえる。 そして――スキルである気配隠蔽を発動。
極限まで薄くなったその気配と、装備品による擬態。
そして、この闇夜。
隠れるには、NINJAではない者でも――――うってつけだった。
『とりあえずまあ――ミト、そこから10時相当、時計塔左側。後頭部が見えると思うから――撃っちゃって』
そういって、その対物ライフルを持ったソレは―――口元を残虐に吊り上げ、引き金に指をかけた。
NEXT:八発目。 明日朝6時、投稿予定です。