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紅ヰ拳の執事様。  作者: 昕篠
その拳、█ฺ█ฺ█ฺ█ฺを█ฺ█ฺ。
12/12

十二発目:その策士、説得す。

1にちぶりです。 あかい子がなにかをたくらみつつあるそうです。




 ――――そしてその後。

 呆然とした姫さんとエリックはミトの後を追うように急いで部屋を出ていった。


 丹は残され呆然としていたところで、そういえば―という感じでインベントリーを開きだす。


 現在のかっこうは―――そう、NINJAである。

 アイエエと叫んでしまいそうになる、カラテを使いそうなその忍者其の物だ。


 ここから、本気装備(ネタアバター)に切り替えてゆく。


 丹は、それこそ悪魔で執事なあの人に憧れこのプレイスタイルを始めたのであった。

 ナイフやフォークなどの食器類を苦無やダガーに置き換え、そのゲーム内でも生きれるように。


 ――――実際、ゲーム内で依頼をしていたその武器は、あと数日もしないうちに食器や装備ののグラフィックを入れ替えれるアバターが完成するという報告は、身内の生産系プレイヤーからは連絡は受けていた。

 

 完成した暁に金を出す予定だったので、そこまで悔しいかと言われればそうでもないが――やはりアバターは欲しかった。

 若干の後悔と共にため息を吐き出す丹。


 そしてまたリストを少しずつ、閲覧し始める。



 ――マナポーション。 ――グラフィックのために入れておいた武器。


 ――クエストでもらったアイテム。 ――生産材料であるなんだかよくわかない鉄塊。


 ――自動取得にしていていつの間にか入っていた、ハーピーノ羽やらオーガの牙だとかの良くわからないもの。


 ――ステータスをアップさせる系統のちょっと細かいアイテム。


 ――そしてアバター、消耗品。


 ――武器を強化するための宝石類。 ――そしてそれを研ぐための砥石。



 ゲームの頃はモンスターなどのドロップ品については、買ったものは自動取得をONにして最小限の素材を手に入れた、と言う風にするか――

 自分で倒したモンスターを解体し、多くのアイテムを手に入れるか――などという風に設計されていた。


 解体するにはそれ専用のアイテムとそれ専用の知識が必要だ。 対してオートで仕分けるシステムは得る数が三分の一程度になるが、得られないわけではない。

 論争こそあったが、プレイヤー個人の趣味でどっちでもいいだろう、といったような結果で終わっていた。


 ――もちろん、解体専用のギルドなどもあって。

 ソレを倒したその場に連れてゆき、解体を依頼すればバラしてくれるようなところもあった。



 その世界は、限りなく自由だったのだ。



 大きくため息。丹は、なぜこの世界に来てしまったのだろう、という疑問をいまだに答えを出せずにいた。

 もちろん答えを知らないのだから仕方がないこととはいえ、痛みも痛覚カット無しの100%の状態。

 肌を撫でる風や、この檻や鎖の冷たい感触も一緒である。



 2回3回目のため息をついても考えることは止まず。 丹は面倒くさいことになってきたなあという気持ちを込めて大きくまたため息をついた後、チッとしたうち。


 ぼう、と思考を停止させ、眠りに付くのであった。









「――――ッ!ミト!止まって!」


 声を荒げ、その手を掴むエリック。

 そこには目に涙を浮かべ、顔のあたりを赤くし。

 泣いているミトの姿があった。



 うしろからトテトテとついてきた姫さんは、ミトにかける言葉が見つからずに静かに疑問を浮かべ、一歩下がっていた。


「あの丹だかってのがやったのはまあ――正直僕も男だ、うらやましくないって言ったらうそになるだろう。

 だがしかしあの男がしたことは許せない。 ――ミト、あれを殴りに行こう。それが一番すっきりするのもあるけど―――殴りたいでしょ?あの態度むかつくもん 聞いててイライラした」


 半ば不機嫌になったような口調でエリックは言う。

 そこにはすねたこともといった顔が浮かんでいた。


「もう気持ち悪い以外しか浮かばないじゃない!なんであそこにいるの!?」


 エリックの手を振り切り、叫びだすミト。

 その声は確かに荒げていて、何ともシリアスな空気を出していた。



「……あれは、ミトには申し訳ないけど戦力になる。 対人厨っぽいけれど――それでも、あの攻撃性能と隠し玉の数々は魅力だ」


 そうしてーと続けるエリック。 そこには丹の有能性を占めた言葉がいくつか散らばっていて、半分罵り交じりに乗じてミトを説得しようといったような気が現れていた。


「――そんなにあれがいいなら、あれと一緒に組めばいいじゃない。あたしは要らないでしょう」

「まあまてこたえをはやまるなみとそれだけはやめてくれたのむ」


 思い切り早口で全力で引き留めるエリック。――のちの作戦では、ミトは必要不可欠なのだ。その、狙撃が。


「……まだ皮算用染みたことだが、もしも、もしもミトがあのニンジャもどきを認めて、一緒にミッションをするようなことがあったとしたら――アレを受けようと思ってる」


 エリックは、隠し玉と言わんばかりにその―――アレを強調していう。



「――本気?足りないって、言ってたじゃない。2も3も。 それは、あのニンジャもどき一人でできそうなの?」


「できる。ほぼ確信してる――解析のかいがあったってものだよん」


 ドヤ顔でいうエリック。その顔は自信に満ち溢れていた。

 ――腕まで組んで。



「……なんか、むかつく……じゃあね」


「いやまってちょっとまってねえせっかく乗り気そうだったじゃなあい!?」




 ――かくして、ある意味で苦労人のエリックは、ミトを説得させるためにだしたアレの説明をするために、かれこれ半日ほどの時間を要したのである。

 




NEXT⇒13発目。明後日朝6時投稿予定です。


……それよりも。一昨日が357のPVっていったいなにが、いったいなにがあったんですかね……(震え

なにかがおきそうでこわいです、そしてポイントも16になっていました……!

感謝してもしきれません。これからも少しずつ頑張っていきたいと思います、よろしくお願いいたしますっ!

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