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グリモワール×リバース~転生鬼神浪漫譚~  作者: 藍藤 唯
巻之参『妖鬼 教国 光の神子』
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第二十四話 ビタル平原IV 『あー……詰んだ』


 ちーっすこちら現場のシュテンでーっす!!


 今日はわたくし、ビタル平原に来ていまーす! いやぁ、荒野と草原のコラボレーションというのでしょうか。ちらほらと大地の息吹を感じるところもあれば既に死したような地の叫びを感じるようなところもある、そんな場所ビタル平原。

 その南方、湖まで二ウェレト、エーデンからも二ウェレトあたりの場所でね、こうしてピクニックに来ていた訳ですが。


 嘘です。おなかすいた。何なの、マゾゲーなの。何で二日間もこんなモノクルハゲと対面してひたすら殺し合わなくちゃいけないの。サンドイッチ食べたい。


 デジレの野郎を殺すって意気込んでたのはいいんだけどさ、なんかどうにも俺のセンサーに引っかかってる珠片がすげえ近付いてるんだよね。もしかして俺がデジレと戦ってる間に"祭り"とやらが始まっちゃってるんじゃないか?


 なんてことを考えながら、デジレと殺しあってたのがさっきまで。

 というか何でこいつこんなに強いの。あっさり死ねよ。さっくり死ねよ。すぱっと。


「お前二日間も戦っててお腹すかないんですかー!?」

「あぁ!? んだよ!?」

「っつかお前なに、レベルでもあげたの? めちゃめちゃ死なないんですけど」

「めちゃめちゃ死なないって何だよクソが!」


 奴の"精錬老驥振るう頭椎大刀"は、大薙刀を中心に振りまく濃紺のオーラにふれた魔素を問答無用で分解する力。俺の鬼殺しも魔導具だから、中の魔素をどんどん殺されてど偉い不愉快。ついでに、あのオーラに当たると俺は尋常じゃないダメージを受ける。

 魔素分解ってことは、俺の着流しも当たったらまずいってことだからね。


「……あの珠片って奴は、単純にその場で力を上げるだけのもんじゃねぇんだよ」

「え、そうなの」

「魔族なんざにゃ、理解出来ねえだろうがな……!!」


 なにそれすごい気になる。

 奴の大薙刀を回避し、いなし、脳天に鬼殺しぶちこもうとしてすかし、地面を打ち砕いてからの大薙刀の一閃を防御。ついでに蹴りを入れてやって鬼殺しを投げて、回収と同時に跳び蹴り。大薙刀を軸にして体旋するデジレの蹴撃とぶち当たってから再度鬼殺しを振り下ろす。


 そんなことを昼夜問わずやっていたもんだから、戦ってる間にも俺もなんか鬼殺しの扱い方に自信がでてきたわ。


「……テメエ何個珠片取り込んでやがる」

「あん?」

「技量の上達速度がおかしいってんだよクソが……!!」

「あ、それも珠片の恩恵なのね。へー」

「知らずに生きていることがもう許せねぇ……!! 殺す!!」

「ひゃっはーテメエが死ねやー!!」


 理不尽だゴルァ。


 ぎゃーぎゃー騒ぎつつ、それでも腕の一本でももぎとってやろうと鬼殺しを振るう訳だが……うん、やっぱり珠片の反応が近くなってやがる。明らかにエーデン付近にあるだろこれ。というか動いてるってことは誰かが取り込んでんなー。いやただ持ってるだけかもしれんけど。


「ちっ……半霊域で魔族がよくそこまで動けたもんだクソ妖鬼が」

「あー、道理で動き鈍いと思ったら俺魔族だったな」

「っざけたことを……!!」


 ヒイラギはなんかもうヤバくなったら逃げなさいよーとだけ言ってどっか行ったし。っつかレベリングしてくるーとか言ってたし。


『ちょっとでも強くなった方が加勢しやすいでしょ。付け焼き刃でも』


 なんて言われちゃまあしゃあねえわな。

 まあそんなことされんでもこいつをぶちのめすのは俺の役目だし。


 しかし、レベリング? そういやあいつどこでやる気なんだ?


 ……やっぱり魔王軍来てんじゃねえの?


「とと!?」

「なんっ……!?」


 と、そんなことをちょうど考えていたタイミングで。現れてくれました魔王軍。

 西方から俺とデジレを見つけたらしく、ショートスピアが数本飛んできた。


「あっちになんか居るぞー!」

「人間か? 人間か?」

「殺せえええええ!!」


 あーあ。

 本能のままに生きてる勢だ。オークだのオーガだのゴーヴァだのゴブリンだのコボルトだの。ミノタウロスやら火炎入道まで居るでねえの。本当にごった煮魔王軍だな。


 しかしあっちの方に珠片の反応があるってことは、魔王軍が珠片取り込んでる可能性がでかいなこれ。……クレインくんたちやばいんじゃねえか? ブラウレメントの野郎も居るだろうし、果てはヴェローチェさんか。あの人が参加してたらひとたまりもない気がする。


「よそ見してんじゃねえクソ妖鬼!!」

「器用ねお前」


 どどどどどと襲いかかってきたオーガやゴブリンを片づけながら、それでも尚俺への攻撃はやめないデジレ。……待てよ? 今は俺とデジレ互角レベルだろ?

 あっちに珠片あるんだろ? いや超痛いのは確かだけど、それでデジレ殺せるんじゃねえの?


 その為にはこいつを引き離す必要があるんだが……そうだ。


「おいみんな!! 俺はヴェローチェさん直属の兵士だ! こいつが強くて苦戦してる! みんなぶっ殺せ!!」

「クソ妖鬼いいいいいい!! 汚ぇぞテメエえええええええ!!」

「はぁ~? 聞こえませんなあ! ささ、みんなやっておしまい!!」


 ぐもー! とかうごあー! とかの叫び声と共に、オーガやゴブリンが殺到する。

 知性のあるミノタウロスやゴーヴァは不審者を見る目で俺を見ていたが、やはりヴェローチェさんの名前は偉大だな、はっはっは。


「導師さまの配下にこんなの居たか?」

「さー?」

「はっはっはいつでもそばにいたじゃあないか。いや最近はほら、バカンスでちょっといろいろ出てたけどよ。信じてくれよ友達だろ?」

「友達じゃねえよ……」

「友達じゃねえよ……」

「ひどいなあお前等。はっはっは」


 胡乱げな目で見られたがここはごり押すしかないのだ。

 しかも最終的にまああすこに居る奴殺せるならいいかみたいな思考でデジレに突貫していく魔族たち。やったぜ。


「絶対に許さねえぞクソ妖鬼いぃいいいいいいい!!」


 必死に大薙刀を振り回しながら、地獄からの叫びのような怨念を込めてデジレが叫ぶ。知ったこっちゃねえっての。ざまあ、ざまあ、と心の中だけで言いながら西の方へ逃げていく俺氏。いやだって口に出したら他の魔族にバレるじゃん。魔王軍の激流に流されていくデジレを後目に、とりあえず西に向かうことにする。


 鬼殺しを担いですたこらさっさ。

 広大な荒野を、エーデンに沿って西へ西へ。

 まあ冷静に考えればあれだ、西にはアリカンタを抜ければ海しかない。魔王軍が侵攻してくるとすれば確かにあっちだよな。


「うわあ」


 草原を駆ける速さも人間の比じゃねえと自負してるけど、馬と比べたらどっちが速いかと言われると微妙なところだ。木々をぴょんぴょんするのが一番速いからね、俺。


 で、結構な速度で走ってエーデンの西にある門の近くまで来たんだが、こいつはすげえ。もうじき日も沈むってのに、ひたすらドンパチやってやがる。死屍累々とはこのことだ。魔族人間問わず、死体が夥しい数転がって。戦争ってもんは残酷だねえなどと思いつつ、鬼殺しを抜いた。


「……よっと」

「ぎゃがごぎごぐげあげあごおおおああああああああ!!」

「ブラウレメント……だったものか」


 目の前に現れたのは、血やら涎やら体液垂れ流しにして、腕も足も折れて頭部からだらだら脳汁だろうか、を滴らせている、どこかで見た顔だった。


「あぎゃ……欠片……ぎゃごがげええ……」

「あん? 俺が珠片組み込んでること分かるのか。知ってたから来たのか、暴走して知ったのか。まあ分からねえが……」


 構える。


「あぎゃっがあああああああああああああああ!!」

「死しか救いがなさそうなことは分かった」


 前回とは比べものにならない速度で、ブラウレメントの両腕から鋼糸が迸る。

 理性を無くしているからか直線的でフェイントのフェの字も感じないが、ただただ純粋に威力は増していそうだ。


「ちっ……!」


 だん、と一歩踏み込めば地面が陥没する。それで無理矢理足場を形成し、勢い良く鬼殺しを振り払った。


 聞き慣れた空絶音。

 斧のヘッドスピードに一歩遅れて耳に届く、金属同士が擦れ合う音。……前よりも威力は増してるが、思っていたより上昇してねえなこいつの力量。

 単純な、筋力値としても。


「ぎゃがああああああああああああ!!」

「騒ぐな騒ぐな、お腹の子に障るだろ」


 ひゃっはー!! 気合いを込めてブラウレメントから放たれた計八十の鋼糸を軒並み斬り裂く。毎日毎日丁寧に磨いてるんだぜこれでも。や、切れ味ゲージはあまり高くないだろうがな! そんなパラメータがあるかどうかすら知らんけど!


「あああああああああああ!!」

「こうして叫ぶだけの奴の相手してっと、ハブイルの塔を思い出すぜ……あの頃は俺もよわっちくてな――」

「ぎゃごぐがげがごおおおおお!!」

「――聞けよだぼが!!」

「ぎゃらぱ!?」


 人の話を聞かない奴には天罰じゃボケ!!

 あえて(つか)でブラウレメントの頬をぶん殴る。

 そのまま肉薄、鋼糸がUターンして俺の背後を狙うのを、振り返りざま一回転して暴風を巻き起こすことで打ち払う。


 ブラウレメントまで吹っ飛んだが、しゃあねえ!

 跳躍して奴を追いつめ、その脳天に鬼殺しを振り下ろす。

 生気のない瞳がぎょろりとこちらを向き、足と手から鋼糸を射出する。


 あーはいはい、あーはいはい。


 そんなもんは――


「ちょいやっさ!!」

「ぎゃあああああああああああああ!!」


 ――纏めて本体ごと叩き斬ってしまいましょうねー。


 唐竹割、というのだったか。

 荒野に転がる二つの死体。いや、縦にまっぷたつになったブラウレメント。


 どさり、と良い音をさせてバウンドして、ブラウレメントは死んだ。

 鬼殺しを一振りして血を散らし、そのまま担ぐ。


「……ん?」


 周囲の喧騒は、こんな夕暮れになっても戦争を続ける連中のもの。

 それがうるさいせいで少し気を取られていたが、明らかに珠片の反応が足下にあった。


「……あー、やっぱりブラウレメントは持ってたのね。あれ、そしたら何で荷馬車無き街道ではこいつの珠片の反応が無かったん――」


 そんなことを考えながら、足下に転がった珠片を拾い上げる。相変わらず健康に悪そうなどろどろした色をしてやがるが、珠片を視界に入れた瞬間センサーの箇所が切り替わった。


 ……目の前に。


「……あー、そういうこと」


 ブラウレメントをまっぷたつにしたその中間地点。そこに、もう一つの珠片が転がっていた。そちらまで歩いて拾い上げて見ると、今度は全然違う方向に珠片のセンサーが切り替わる。これは……海の方角かな。


 ……ともあれ、二つの珠片をゲットした。ブラウレメントは最初から一個持っていて、さっきにでももう一個取り込んで暴走したってところだろう。

 まあ、破裂・暴走・災害のどれかが起こるなんて女神の姉ちゃんが言ってたうち、暴走が起きて良かったと思っておくか。


「さてと」


 ブラウレメントが居なくなって、どうやら魔王軍は退却を始めたように見えていた。

 確かここには原作では"秤"のレックルスも来ていたはずだから、奴さんが合図でもしたのかねえ。デジレのクソ野郎のところにはもう少し伝令が行くのも遅れるだろうから、せいぜいもうちょっと奴を疲労させておいてくれ。


 鬼殺しを背負い直して、珠片二個を手の内でもてあそびつつ。


「ん?」


 ふと顔を上げれば、小粒ほどのサイズで見える見知った顔があった。

 一人は倒れてっし、一人は大剣に寄りかかってっし。……おいおいクレインくん死んでねえだろうな。


 方々に居る魔王軍を適当に鬼殺しで一閃、片づけながら荒野を走り、クレインくんの元へと向かう。


 よ、ほ、は、と。


 ああそうそう。何で荷馬車無き街道では珠片が反応しなかったのかって話だけど。

 あれたぶん、最初からエーデン付近で反応してた珠片Aがあって、俺のセンサーはたぶんそれに反応してたんだ。んで、もっと遠くで別の珠片Bを取り込んだブラウレメントが俺の前に現れた。それが荷馬車無き街道での一件。からのブラウレメントはエーデンに舞い戻って俺より早くもう一つの珠片を見つけたってところだろう。


 まあそれが暴走に繋がった訳だが。


 奴が暴走しながらも「欠片」というフレーズを発したこと。それが少し気にはなるが……まああれだ。あの吸血少女のフレアリールちゃんにあげた珠片ではないっぽいことだけが安心要素って感じかな。


 さて、と。


 そんなことを言っていたら、もう着いた。エーデンの城壁付近で倒れる、二人の少年。


「無事かお前ら」

「あ……シュテン、さん……」

「何とか……な……」

「そうかい」


 回復薬系は持ってねえなぁ。っつかだいたい魔族には効かねえし、魔法薬って。

 んなもん使えるのは人間だけだ、羨ましいこって。苦い薬草とかならいけるんだけど。しかし、全身に裂傷はあるが死にはしなさそうで良かった。


「なぁ、シュテン」

「あん?」


 どこか疲労した様子で、されど小さく笑って、リュディウスが俺を呼んだ。

 ぽんぽんと彼が叩くのは、己が寄りかかっていた剣の腹。


「どうだ……浪漫だろう……」

「はは……ああ、いいだろうでかい武器は」

「本来はガトリングブレードが良かったんだがな……ここには在庫が無かったようだ」

「それは色々突っ走り過ぎだろうに」


 通好みどころの話じゃねえぞガトリングブレードは。馬鹿でかい銃剣とか、カードゲームの王子様くらいしかまともに使える奴知らねえや。ってこれ別のゲームだ。


「いやしかし、ぎりぎりだったっぽいなお前さんら」

「でも……借りは、返せたんですよ……僕ら……」

「そうか……もしかして、ブラウレメントか?」

「はい。勝ってやりました……そのあとどっか消えちゃったんですけどね……」


 仰向けになりながら、晴れやかな笑顔で言うクレインくん。やりきってやった、と言わんばかりの笑みに、思わず俺もつられて苦笑。珠片込みの四天王に、二人で勝っちまいやがったのかこの二人。……ん? なんで別行動してんだ? 今更だけど。


「女性陣は?」


 そう問いかけると、リュディウスが城門の方にちらりと目をやった。

 まだ戦闘中みたいだが、どんどんと外側から魔王軍が離脱していく。もう終焉は近いのだろう。もしかして、あの中に。


「ヒイラギさんが加勢に来てくれて。シュルトさんも来てくれて。大丈夫だとおもったのでリュディの手伝いに来たんです」

「そうか……そいつぁなによりだ」


 ヒイラギいなくなったと思ったらあんなとこに。

 しかしほぼエンドレスポップ状態だから、レベルはあがりそうだな。遠い目をしたくなるけれども。


 と。


「シュテンさん……」

「あん?」

「聞きたいことが、あるんです……」

「何さね」

「どうして、わざわざ僕たちの味方を――」






「ブラウレメントが死んだと聞いてきてみればー。シュテンは目標達成できたようで何よりですー」





 クレインくんが、何かを俺に言う前に。

 忘れようもない特徴的な声色を耳に入れて、俺はそちらを振り向いた。


 夕闇の荒野にたった一人佇む、ゴシックドレスに身を包んだ少女。

 眠たげな目はいつも通り。フリルアンブレラをさしたまま、彼女は普段と変わらぬトーンで言葉を紡ぐ。……このタイミングで、あんたが来るのか。


「……やあやあヴェローチェさん元気? 俺も何とか目標達成できたけど、完全にヴェローチェさんの邪魔したっぽくてごめんね」

「ああそれは別にいいんですー。どっちみちこの遠征は、車輪が来ない時点で失敗するのは分かっていましたからー。それよりも、邪魔な四天王が一人減ってうれしいくらいですー。……あとは、せっかく来たことですし――」


 す、と洋傘が閉じられた。そのまま自然な動作でその先端が俺に……いや、わざと庇って立っているってのに、俺の背後のクレインくんに向けられた。


「――光の神子くらいは、消していきたいところですねー」

「待とう、待とうヴェローチェさん。な? ここはさほら、平和的にこう、ね?」

「却下ですー。そのくらいはさせてもらわないと魔王軍の導師としてのメンツに関わるのでー、そろそろ殺っておかないと上から鬱陶しいんですー」


 それとも。と、ヴェローチェさんは言葉を切った。


「相手になりますかー?……鬼神の系譜を持つ妖鬼」

「……ははっ」



 かちゃり、と俺の右手の中で、二つの珠片が音を鳴らした。


 元々、デジレを凹す為には、使わざるを得なかったんだ。それが前倒しになっただけと思えば……悪くねえ。


「お前ら、しんどいだろうけどさ」

「……シュテン、さん?」

「どうする……つもりだ……シュテン……」


 目だけで後ろを見れば、相変わらずヴェローチェさんの暴力的な魔力がしんどいのか、つらそうなクレインくんと。体力は少し回復したのか、それでもきつそうなリュディウス。


「やー、俺がやられちゃった後に、お前らがここに居たら俺がやられちゃう意味はないわけよ。だから頑張って逃げてくんね?」

「……な、にを……!!」

「気にするない気にするない。あとそんな顔もすんじゃあねえよ。殺されはしねえって。あの人俺には優しいから。……うん、たぶん、きっと、めいびー。けどお前らは殺される。それがやだから俺も痛い思いしようってんだ。な?」

「シュテン、さん……!!」


 さぁて。

 いやまあ、逃げてくれるとうれしいが。


「胸貸してくれよ、ヴェローチェさん」

「……やるんですかー。あの時とは違って決意が早いですねー」

「まぁほら、あんたのお陰で決心早くなったのよ。成長したシュテン」

「……強さも、比例すると素晴らしいと思いますよー?」

「ああ、それなんだけどさ」


 おかしくて、ちょっと口角があがった俺に、ヴェローチェさんは疑問顔だ。

 いやまあ確かに気持ち悪いよな、突然笑ったら。

 でもよ、聞きたいことがあんだよヴェローチェさん。


「すげえ不味いものを食わなきゃいけないとしたらさ。纏めて食っちまった方が、我慢する回数少なくて良いよな」

「は?」



 さぁて。


 俺の今もてるもの全て吐き出して、どのくらいやり合えるのか。

 教えてくれよ、最強格!!





 どうし ヴェローチェ が しょうぶ を しかけてきた !▼

(専用BGM『嶺上に咲く宵の花~BOSS BATTLE VELOCE~』)

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