カーテンコール
良ければ明るいエンディングっぽい曲と一緒にお楽しみください。
作者ん中ではスタッフロールが流れてるイメージ。
――魔神との戦いから、早数月。
「クレイン・ファーブニルは光の神子だ」
今や教国中の人々が認知するところとなった、女神の神託を受けし少年。
魔界地下帝国へと赴き、魔王を倒し、世界に再びの平和をもたらした英雄。
――彼の戦いの軌跡は、一つの英雄譚となっていた。
王国第二王子や、公国の冒険者と共に旅を続けていたのも大きいが、付け加えるならばもう一つ。
帝国書院書陵部魔導司書との共闘が、この世界の平和を盤石なものにしていたといえるだろう。
魔界との決着が付けば、今度は人と人との争いが起きる。
ではどの国同士が争うのかといえば、そんなものは帝国と他三国に決まっていた。
そう、決まっていた。
しかし光の神子の魔王討伐には帝国書院の助力が多くあったとされ、光の神子自身もそれを認めたのだ。
特に、第二席デジレ・マクレインと、第十席グリンドル・グリフスケイルにはとても世話になったと。
「それはつまり……大きなお世話ということか?」などと鎮まりかけた火に油を注ぐ馬鹿な魔導司書の発言があったことはさておき、光の神子と魔導司書の間に結ばれた絆が、結果として帝国と教国の間にあった軋轢を緩和させたのだ。
そんなこともあって、光の神子はしばらくの間忙しい日々を送っていた。
国内外の様々な式典への挨拶に始まり、国内部署の視察や慰安、光の神子という希望を見せることでの、国全体の安心を図った。
結果として彼の活躍は功を奏し、教国には数百年ぶりの"平穏"が訪れたと言えるかもしれない。帝国との摩擦が無くなったわけではないにせよ、大きな戦いとはしばらくの間無縁になることだろう。
そして今日は、そんなクレインにとっては久々の休日だ。
あっちへこっちへ振り回され、いい加減疲れてきた頃。
教国のトップである四神官が王国国王を招いての、首脳会食が開かれた。
そうなれば当然――
「クレイーン!!」
「うわ、ハルナ!?」
あの頃よりも伸びた長髪を振り乱し、あの頃と変わらない勢いで飛びつく少女。
「えへへ、久しぶりだね! 元気してた?」
満面の笑顔。屈託のない彼女の微笑みは、いい加減疲労がたまっていたクレインの心を溶かしていく。
ああ、旅をしていたあの頃は、こうして笑い合うのが日常だった。
「随分腑抜けた顔になったじゃないか、クレイン」
「リュディ!」
かつかつと、軍靴を鳴らして廊下を歩んできた一人の青年。
背に負う大剣は今日はお休み。代わりに式典用の礼装に身を包んだ彼は、光の神子を立派に遂げているクレインを見るなり口角を上げた。
小馬鹿にしたような笑みながら、しかして親しみを覚える彼らしい友好の証。
クレインは小さく息を吐いて、二人の親友との再会を喜んだ。
「久しぶりだね、二人とも」
「なに、お前が休みだと聞いたからな。せっかくだから連れ出そうというわけだ」
「連れ出す?」
首を傾げるクレインに、胸元のハルナが勢いよく頷く。
「はいはい! あたしたち、聖府首都のことなーんにも知りません! 前来た時はそれどころじゃなかったし」
それは、つまり。
顔を上げるクレインに、リュディウスは優しく告げた。
「そういうわけだ。付き合って貰うぞ。観光」
「ははっ」
まるでどこかの馬鹿が、その街を満喫するように。
いいだろう、今日はどこまでも二人と楽しもう。
三人は変わらぬ絶えぬ笑顔で、街中へと飛び出していった。
――クレイン・ファーブニル。
その生涯を光の神子としての職務に捧げた。晩年よく口にした、"人生の絶頂期"は、きっとこの数年の出来事だ。
――ハルナ。
なんだかんだ、冒険者として一生を過ごした。天寿を全うすることが出来たのは持ち前の魔導のおかげ。それが最も鍛えられた日々として、この数年を挙げる。
――リュディウス・フォッサレナ・グランドガレア。
王国第二十三代国王その人。老いてなおその大剣の腕は凄まじく、後に"鬼剣王"の二つ名が付くほどとなったが、本人は「それでは鬼神には勝てないな」と笑った。
――帝国は帝都グランシル。帝国書院書陵部最高会議室。
「僕の作ったシヴーストはどこに消えた」
「さあ。わたしの知ったことではありませんけど」
「ほっぺのカラメルは何だ?」
「さっき食べたケーキの残りかすでしょうか。歳を取ると忘れやすくていけません」
「ほう」
あらあらうふふ。
「こんにちは。わたし、シャクティ。朝っぱらから会議室が地獄です」
第一席と第三席の心胆底冷えするような会話に、肩身の狭い第五席の少女がぷるぷる震えていた。魔導司書になって日が浅い彼女にとっては、所詮ケーキの話題であってもこの雰囲気は耐え難いらしい。
隣に座る第八席のそばかす少女が、気持ちは分かるとばかりに同情の眼差しを向けていた。
すると、とぼけた青年の声が会議室に響き渡る。
「第一席と第三席は、たかがケーキでどうしてそんなに揉めているんだ?」
あ、死ぬ。とシャクティは思った。
ベネッタは心の中で、故郷のお父ちゃんに遺書をしたためた。
ヤタノは今日の晩御飯を考えていた。
グリンドルは無垢な瞳でアスタルテの回答を待った。
「――"たかが"ケーキ?」
次の瞬間、会議室が爆発した。
帝国書院は、今日も平和です。
「グリンドル様……おいたわしい……」
「アスタルテ様もあそこまでする必要ないっぽい……」
会議室があった場所を眺めながら、ベネッタとシャクティは小さく呟いた。
最近、アスタルテは無気力だ。
元々元気にあふれた性格ではなかったが、この一年ほどはなんというか生き生きとしていたのだ。本人は否定するだろうが、何者かに"世界の運命"を捻じ曲げられてから。
だが、魔神討伐後にアスタルテは言った。
もう、運命改変の兆しはないと。
それはきっと良いことなのだろう。少なくとも帝国はこれからも世界最強であり続け、人間世界に君臨し続けるはずだ。アスタルテにとっても、理想をひたすら求めることが出来る日々が戻ってきた。
しかしベネッタの眼には、ここ一月ほどのアスタルテの統治は、どこか投げやりな気がしていた。
『こうしておけば上手くいく。何も心配はいらない』
そう口にするアスタルテの瞳には、燃える理想よりも既知への諦観が透けて見える。
だからきっと、鬱憤を晴らすが如くグリンドルが犠牲になるのだろう。
致し方ない。グリンドルは下位の魔導司書という立場を活かしてよく帝国を留守にする。王国に教国、共和国領に公国。多くの場所へ出向いては、"友人"と軽く手合わせをしたり、魔導や世界の今後を語り合って楽しく人生を過ごしている。
それはもう、アスタルテとは正反対に楽しそうだ。
今までよりずっと輝いているグリンドルと、今が面白くないアスタルテ。
恩人であり、憧れでもあるアスタルテにそんな表情をさせた諸悪の根源を思い出して、ベネッタは小さく吹き出した。
これをあの鬼神に言ったら、果たしてどんな顔をするだろうと。
と、そこへ、アスタルテの私室にある冷蔵保管庫からケーキを取ってきたヤタノが、眼前の惨状に「あらあら」と目を丸くして二人に問いかけた。
「なぜ貴女たちはあの二人如きに様付けを?」
「そこ!? お前いい加減にするっぽいよ!?」
「元はと言えばヤタノさんがケーキを食べたせいでしょおおおおお!?」
――グリンドル・グリフスケイル。
後に第四席にまで席次を上げた魔導司書。壁越えすることこそ無かったが、友人たちとの鍛錬を経て上位に至った。友人との出会いがあったあの時の事件を、彼にしては珍しく名残惜しく思っているらしい。
――ベネッタ・コルティナ。
魔神降臨事件から十年ほどで、魔導司書を引退。出身の村に戻り、少年少女たちを導く魔導教室の教師として余生を過ごす。時折訪れる人間魔族問わぬ大物どもに、子供たちは腰を抜かしていた。
――シャクティ・ヴィクムント。
これより数年後、帝国の魔導技術が進んだ時にそれは起こった。水洗式トイレの様式に妙な既視感を覚えた職員たちは、のちに彼女をこう呼ぶようになる。
トイレの神さま、と。
――ヤタノ・フソウ・アークライト。
語らない聖典の消滅により、これから歳を重ねるようになると思いきや、全く変わらなかった。後に新たな技術で加齢を止めると、これより数百年を生きる魔導司書となる。のちの――魔導司書第一席。
――アスタルテ・ヴェルダナーヴァ。
これより百年ほど帝国に現人神として君臨したのち、魔導司書を引退。以降、魔界やとある山に奇襲をかける迷惑な存在に。しかし百年後の彼女は今よりもずっと生き生きとした表情をしていた。
――帝国は共和国領。リンドバルマの街。
「ここまでで良いよ」
リンドバルマの街の巨大な街門を前に、少女は振り返ってそう言った。
振り返った先に立っていた青年は、怪訝そうな表情で眉をひそめたあと、その拳で軽く少女を小突いた。
「あた」
「勘違いすんじゃねえ。オレがこの街に用があった。それだけだ」
「わ、分かってるよ。分かってるけど、デジレが送ってくれたのは事実じゃん」
「旅費もねえ盗人を野放しに出来ねえだけだ」
「忍を盗人呼ばわり!?」
「お前を盗人呼ばわりだ、ジュスタ」
「……へへ、まいっか」
共和国領最大の街ともあって、人の往来は激しい。馬車や郵便に次々と先を越されながら、デジレとジュスタは待ち人を捜していた。
ジュスタは故郷に帰ってきた。
多少の寄り道はあれど、こうして共和国領の主都に辿り着いた。
名残惜しい気持ちをそっとよけて、この旅はおしまい。
寂寥の念が彼女の胸を小さく突く。
デジレは、なんでもこの街で魔導の研究を行うのだとか。
ちょうどいいから付いてきて、と頼んでの二人旅は、ジュスタにとってはとても楽しいものだった。
ジュスタ・ウェルセイアは忍の姫だ。
今も昔も変わらぬ肩書。けれど今の彼女には覚悟と経験と、そして何物にも代えられぬ知識がある。
今度は決して間違わない。自分で考えて、自分で決める。
そしてシュラーク元首長との別れを経て、彼女は共和国という場所に責任を持とうと考えたのだ。
さしあたっては若頭であるポールと再会し、今後のことを考える。
魔神降臨の際に、彼は払暁の団を相手に戦ったらしい。
きっと事情も色々知っていることだろう。
「お待ちしておりました、姫。そしてデジレさん」
「あ、ポール。久しぶり」
「今回は世話になる」
「ええ、ええ」
すぐに待ち人はやってきた。
ポールと名乗った彼こそは、リンドバルマの危機の際に動いた忍の一人。
今日から新しい人生を始めよう、と意気込んでいたジュスタであったが――今、なんか妙じゃなかったか。
「帝国魔導と忍術の融合ですか。これは気合を入れねばなりませんね」
「ああ。今まで独自に研究してきた成果がぶつかり合うとなれば、きっと今までにない発見があることだろう。オレは、それを帝国に持ち帰りたい。研究院の名誉院長として出来る、大きな仕事の一つのはずだ」
「はは、それでは僕も若頭として精一杯、帝国の魔導から技術を学ばねば」
ジュスタを放って、何やら盛り上がり始める二人。
ようやく事態の異常さに気が付いたジュスタは、これからの未来に少し頬を緩ませて――そして、置き去りの状況にその頬を膨らませて、二人の間に割って入った。
まるで、子供のように。
――ポール。
のちに諜報部のトップとして帝国書院に召し抱えられることになった。彼を頭にした諜報部の力は、帝国へ非常に大きな恩恵をもたらすことになる。
――ジュスタ・ウェルセイア。
共和国領の忍にとっての大きな象徴であり、のちの帝国書院書陵部第八席。
彼女が帝国において力を持ったこの事実は、共和国領に生きる人々にとっての大きな希望になる。また、彼女の子供はたいそう聡明だったようだ。
――デジレ・マクレイン。
生涯を帝国書院に捧げる。第二席を引退後、帝国書院研究院の名誉院長として数々の実績を残すことになった彼は、後世に帝国に最も益をもたらした人物として評価されることになる。また、彼の子供はたいそうやんちゃだったようだ。
――魔界地下帝国、魔界三丁目。
"あともすふぃあ"と表札のかかった武家屋敷。
ここは今や、新たな魔界の本拠地ないし総本山とも呼ばれる魔界重鎮の会合場所になっていた。
アトモスフィア邸の主であるヴェローチェ・ヴィエ・アトモスフィアは、寝ぼけ眼を擦りながら縁側に出て大きく伸びをする。
魔界の空は修復され、魔界はまた暗き闇に生きる者たちの楽園へと戻った。
崩落した魔王城や魔界六丁目の修復には、教国や帝国からの助力を遠慮なく借りて工事を終わらせた。
ヴェローチェの魔導があれば、あっという間に終わらせることが出来た再建作業。しかし、魔界の――特に六丁目の面々は、自分たちの力で復興することを望んだのだ。
シャノアール・ヴィエ・アトモスフィアはもう居ない。
ならば、自分たちの力で立ち上がれることを証明したいのだと。
彼の作ったぬるま湯は、確かに人が一人で立ち上がる為の薬湯であったらしい。
心の傷が癒え、大切な仲間が出来た彼らにとって、互いの手を取り合い新たな街を作り上げることは、何ものにも代えられぬ経験になったに違いない。
そう判断したからこそ、ヴェローチェは彼らの好きにさせたし、その間はとにかく他の魔族との折衝に努めた。
魔王という首魁の消滅や、魔界有力者が次々と討たれたこの数年。魔界の高位魔族にとっては、この事実はそこそこ以上に堪えたようだった。
だからヴェローチェ・ヴィエ・アトモスフィアという次代の象徴は、思ったよりもさらりとこの魔界に受け入れられた。
お前はもう、魔族のようなものだと。
仲間内でまたこの魔界を盛り上げなければならない以上、どうしても旗頭は必要になる。
それが、強いお前ならもう、それでいいよ。と。
投げやりな魔族たちは、きっと知らない。
いつかの世界で彼女が、最も欲しがっていた言葉を。想いを。
そして、それがあっさりと手に入ってしまった、この持て余すほどの感情を。
「ままならないもんですねー。愚姉に任せて、わたくしは旅行でもよかったんですがー」
「人が鍛錬してる横でお茶飲みながら、よくものうのうとそんなこと言えるわね」
「おっと気が付きませんでしたー」
庭で二刀の素振りをしていた少女が、湿り気を帯びた瞳で彼女を睨んだ。
一息ついてタオルで額を拭う姿は様になっており、その剣技も相まって熟練の達人を彷彿とさせる。
もっとも、彼女の肢体は柔らかな少女そのものであり、顔立ちの端正さと合わせてアイドルか何かのようにしか見えないのだが。
「もう出し抜こうったって、そうは行かないんだからっ」
「ああ、共和国の時のことですかー? あれは出し抜いたのではなくて、ユリーカが行けなかっただけではー?」
「ぐぬ……」
のんびりとした会話は、日常のそれ。
仲の良い姉妹の朝は、いつも通り。
――ゲートが開いたのは、そんな時のことだった。
「おはようございます、ユリーカちゃん。ヴェローチェの嬢ちゃん」
「おはよう」
「おはざーっす」
笑顔のユリーカ、適当なヴェローチェ。
相変わらずの姉妹に苦笑しながら、レックルス・サリエルゲートはアトモスフィア邸の庭に足を踏み入れた。と、彼の後ろからもう一人、吸血皇女が顔を出す。
「はろー……」
「ミランダ……せめて自分で歩きなさいよ……」
「レックルスの背中広いしー……こんな朝から集会に呼ばれたら、そりゃ眠気が勝つって思わないかにゃ?」
「にゃってあんた」
ミランダ・D・ボルカ。橙色の髪を二房に流した吸血皇女は、そう愚痴を口にするなりレックルスの背で寝息を立て始めた。
つられて眠気を誘われたヴェローチェは、寝所に戻ろうと踵を返してユリーカに首根っこを掴まれた。
「ぐえ」
「何をするつもりかは分かってんのよ。二度寝なんてさせません」
「……はいはい」
「はいは一回」
まったく、と腰に手を当てるユリーカ。こしこしと瞼を擦るヴェローチェ。
そんな光景を、何やら尊いものでも見るような目で眺めるレックルス。
ツッコミ不在のこの環境。
驚くことなかれ、彼らが次代の四天王だ。
「魔王も居ない、なら雇われの導師と車輪も居なくなる。……まさか、あたしが四天王なんてね。ちょっと、びっくりしちゃったわ」
「良いじゃないですかー、筋肉ゴリラにぴったりですよ"力"のユリーカ」
「誰が教国の魔獣か。あんたこそ、ちゃんと仕事してよね"崩"のヴェローチェさん」
「とりあえずあの山にでも視察に行ってきますねー」
「許しません」
まあまあ、と"秤"のレックルスが二人を宥める。
"理"のミランダはぐうぐうと眠っている。
今までだって四天王の仕事が簡単だったわけではないが、このメンバーに囲まれてこれから仕事をするのだと思うと、嬉しい半分大変半分のレックルスであった。
「さ、では会合を始めますよ。お三方」
四天王の仕事を一番知っているのは確かに自分ではあるものの。
これからは、魔界の統治が四天王の仕事になってしまう。
そうなったらきっと、彼女たちの方がずっと上手だろう。
まあ、いざとなれば、門外顧問を頼ればいい。
「じゃ、頑張ろっか。新しい魔界を作るために」
「楽しい悪巧みの時間っすねー」
――ミランダ・D・ボルカ。
"理"のミランダ。意外にも四天王としての仕事を最も多くこなし、敏腕ぶりを見せつけた。交友関係の影響からか人間界にもよく顔を出し、自分とよく似た風貌の少女を訪ねていく姿も見受けられる。彼女と入れ替わって、某双槍を弄るのは最早日常茶飯事。
――レックルス・サリエルゲート。
"秤"のレックルス。四天王としての在位は魔界最長を記録することになる"古代呪法・座標獄門"の使い手。自らの血族が犯した罪を人知れず悔いていたが、その全てを某お祭り野郎に見抜かれてえらい目に遭わされる――のは、また別の話だ。
――ユリーカ・F・アトモスフィア。
"力"のユリーカ。魔界四天王の広告塔にして、魔界と人間界を繋いだ双璧の片割れ。以降公国の冒険者として旅に出てみたり、帝国でライヴを開いてみたりと一通りのやりたいことを全てこなし、世界で最も有名な人物として名を遺すことになる。
――ヴェローチェ・ヴィエ・アトモスフィア。
"崩"のヴェローチェ。魔界四天王最強とも呼ばれた"人間"であるが、彼女が魔族で無いことを知る者は驚くほど少ない。鉄面皮であらゆる物事に片を付ける生粋の仕事人、魔族の中の魔族。そんな彼女が笑うのは、とある山に出向いた時だけだったという。
――公国。花の街コマ・モイ。
「わたし、思ったんだけどさ」
赤髪を二房に纏めた、吸血皇女の少女が言った。
どことなく諦めを帯びたその瞳には、彼女の経営する商会の建物が映っている。
二階の扉がガチャリと開いて、外付けの階段を降りてくるのは彼女の相方その人だ。
隠す必要のなくなった銀の髪を靡かせて歩くその姿は中々さまになっており、悔しいことに見惚れてしまうほどなのだが。
彼女と目が合うと、柔和すぎてふにゃふにゃになっているいつものとぼけた表情で軽く手を振るものだから、世界最強がこれで良いのかと疑わしくなってしまう。
勝手に上がった自分の右手が、小さく手を振り返していることも含めて腹立たしい。
まあ、それは良いのだ。テツミナカンパニー、という小さな商会はこれからもずっと変わらずひっそりと営業を続けていくだろう。
近づいてくる長身痩躯の彼が、世界最強であろうとなかろうと少女にとってはどうでも良いことだ。ただ、いつも通りこうして顔が見られる。
それでいいじゃないかと思う。
問題があるとすれば、だ。
「…………思った、って?」
「いやなに。簡単なことだよ」
今、彼女の隣には、もう一人少女が立っている。
ジャポネ風の民族衣装に身を包んだ彼女は何を隠そう妖鬼の血族。
こちらものほほんと薙刀を担いでいるが、戦闘力は申し分ない。
すぐそこにやってくるアスパラと比べるのは酷とはいえ、こちらも実力者だ。
そして、そんな彼女も少女と同じように建物の方を見つめていた。
テツミナカンパニーのある建物の、一階。
備え付けられた扉には、看板のように表札が下がっている。
"シャノアール魔導具店"
シックなマホガニー製の扉が開いて、一人の男性がひょっこりと顔を出した。
だいたいの整理、引っ越しが完了した彼の表情は爽やかそのもの。
彼は二階から降りてきたばかりの青年と鉢合わせて、何やらけらけら談笑し始めている。そして一緒になんか、ぬるぬる動き始めた。
すごく見覚えのある動きだった。
「ただ、馬鹿が二人いるようにしか見えないんだけど」
「…………だけど?」
「この建物、やばいなって」
どこか達観したように遠い目をして呟いた彼女。
隣の妖鬼は少し考えて、彼女の言葉の意味を咀嚼して、思い立ったように手を打った。
「………………あー」
一階はシャノアール魔導具店。
二階はテツミナカンパニー。
もし今、この街に魔神が降臨してもこの建物だけは無傷なのではないか。
少女はふとそう思った。
「導師ももう引っ越し作業終わったようで。とりあえず直近の仕事は終わりでさあ。あとはもう昼寝くらいしかないんじゃあらんせんか」
「二階の屋根に転がって昼寝か。悪くないんじゃないかと思うよ、このボクもね! あと、もう導師じゃないよ、このボクはね!」
「あ、そうでした。とっつぁん」
「とっつぁん!?」
何が昼寝だ、と少女は嘆息する。
「あのね。一応わたしたちは何でも屋なんだ。依頼が来たらお仕事。そう言ったはずだよ?」
「…………パパ、呑気」
どうやら隣の妖鬼も同じ考えのようだ。少女は少しほっとした。
「っつっても、依頼が来なきゃ同じことじゃあらんせんか。少なくともぼかぁ依頼の話は聞いちゃいませんが……その様子だと、何かあるんで?」
「うん。もっともこれはわたしたちだけじゃなくて、シャノアールとタリーズにも来て欲しいんだけどね」
「店を開くのはもう少し先だし、構わないよ、このボクはね!」
「…………うん、暇」
「それは良かった」
うんうん、と頷いて彼女は懐から封筒を取り出した。
魔導具店の整備が終わったら、元よりこの依頼を受けようと決めていた。
ふう、と小さく息を吐いて、改めて目の前の男を見つめる。
「……ミネリナ嬢? どうかしたんで?」
どうにも様子がおかしいと、テツは小さく首を傾げた。
いつもはハキハキとあれこれ定め、自分を引っ張っていくような吸血皇女が目の前の彼女だ。それにしては随分と緊張しているというか、無理をしているというか。そう思っての問いかけに、少女――ミネリナは静かに首を振る。
「今はプライベートだよ、テツ」
「あらら?」
仕事だと言うから、いつも通り問いかけたのに。
ミネリナは少し照れ臭げにはにかんで言う。
そのことに何かを察したシャノアールは、タリーズの肩を軽く叩いて一歩退いた。タリーズも、シャノアールほどとは言わずとも気を遣って、二人の視界から上手く姿を消す。
未だにピンと来ていない男が一人、しかしそれでもプライベートの会話に頭を切り替えて問いかける。仕事の依頼の話ではなかったのかと。
「……なんでも言ってください、ミネリナ」
「うん。その、なんだ。あはは」
その封筒は、とある山から送られてきたものだ。
色んなところの色んな連中が、ようやく少し落ち着いたらしい。
「あのお祭り男は、どうやら我慢が出来なかったらしいんだよ」
「……シュテンが?」
「わたしたちから送るのが筋だろうに、『準備はいつでも出来てるぜ!』だとか。別にお前の山で行うとは一言も言ってないだろう……」
額に手を当てて呻くミネリナの言葉の裏は、いまいちテツにはくみ取れなかった。
けれど、分からないからといって急かすようなことはしない。
何やら言いたいことがあるようだし、気長に待つくらいは何も苦ではない。
目の前の少女のことなら、猶更だ。
じっと彼女の眼を見れば、少し潤んでいるように見える。
頬は朱に染まって恥ずかしそうで、気を抜けば下がる口角を無理やり強気に引き上げながら、ミネリナはようやく口を開いた。
「……招待状だ」
「ほう。シュテンからで? またぞろ、面白いことを考えているんでしょうや」
「ああ。だから、一緒に来て欲しい。――テツ」
「なんでしょう」
瞳を一度閉じて、深呼吸を一つして。
思い出を一つ一つ噛みしめながら、貴方を想う。
真っ直ぐにテツを見つめて、逸らしそうになる弱気を捻じ伏せて、言った。
「どこまでも、一緒に来て欲しい」
「もちろん。貴女とならどこまでも」
テツはノータイムで返した。
「……」
「……」
「……あ、あっさり言うなあ!?」
「ええ!? なんで怒られるんでさぁ!?」
頬と言わず顔を真っ赤にしたミネリナは、ヤケっぱちとばかりに言葉を続けた。
「あの馬鹿から結婚式の招待状だ!」
「おお!? シュテンくんにお相手が!」
「わたしとテツのだ、馬鹿!」
「それ馬鹿はシュテンくんでしょうや!? なんで!? ぼかぁ結婚式やるなんて一言も言っちゃおりませんが!?」
「わたしも言ってないよ! なんか外野が一番盛り上がってるよ!!」
おほん。
「……でもまあ、招待してくれるってんなら、行きましょう。ミネリナ」
「…………ん。ありがと」
「こちらこそ」
ぱちぱちと、二人を祝福する小さな拍手。
「なるほど。それはもちろん、お呼ばれされないとね、このボクがね!」
「…………行く」
シャノアールは心の底から嬉しそうに頷いた。
タリーズも、二人を祝福するように笑顔を向ける。
どこか照れ臭い、街の一角。
そこでふと、シャノアールは気づく。
「……しかし、シュテンくんは結婚相手居ないのかな。交際相手が居ないなら、是非うちの娘を」
「とっつぁん、一つお願いが」
神妙な表情でテツが指を一つ立てた。
なんだろう、とてもシリアスだ。シャノアールは小さく顎を引いた。
「……その話題、今回は出さないでもらえやしませんか」
「ふむ、何故だい?」
「結婚式を血祭りの儀式にゃしたかないんですわ、ぼかぁ」
「??????????」
――ミネリナ・D・オルバ。
テツミナカンパニー経営者として、そして良き伴侶として、生涯相方を支え続けた。吸血皇女と人間ということで、この先も少なくない困難が待ち受けていたが、その全てを笑顔で乗り越えた。生まれた子供は、両親の分まで何不自由なく健やかに育った。
――テツ・クレハ。
テツミナカンパニーのしがない営業、を名乗り続けて一生を終えた。多くの人物に惜しまれたが、それは英雄ではなくただの一個人として一人の男を見送る供養であったという。魔神降臨以降は楽しい仲間と大事な人に囲まれた、最高の人生であったと本人は言う。
――タリーズ。
魔界の重鎮としての役割を終えた父と共に、ゆっくりと人生を過ごす。父亡き後も決して一人ではなく、方々に親戚や仲間が溢れた彼女の一生は寂しいことなど一つも無かった。優しく両親の墓を訪れる美しい少女の姿は、地元でよく噂になっているという。
――シャノアール・ヴィエ・アトモスフィア。
魔神降臨による被害の責任全てを負って導師の任を辞した。本人はそれを良しとし、親友の妖鬼に微妙な顔をされながらも次代に全てを託したが、蓋を開けてみれば誰一人として彼を恨む者はいなかったという。その事実を知った日だけは、酒の席で静かに涙を流したとか。
――大江山。
二つに割れたイブキ山の片割れを、大江山と名付けてしばらく。
この山のトップを任された男は、いつも通り山麓で羊を追いかけていた。
全裸で。
「お前ら俺が可哀想だと思わねえのか!! 滅茶苦茶寒いんだぞ!? お前らと違ってもこもこしてない俺を少しでも憐れむなら、その毛をドロップしろコラァ!」
羊は一斉に彼を鼻で笑った。
「ウオァアアアアアアアアアアアアア!!」
男は発狂して羊を追いかけ――炎のハリセンでしばかれた。
「少しは山のトップとしての自覚を持て!!!」
「あったかい」
「服着ろ!!!!!!!!!!!」
頭を抱えた白面九尾は、仕方なく魔素で藍色の着流しを編むと、全裸の鬼に押し付ける。
「あれ、お前とおそろじゃん」
「いちいちデザインすんの面倒臭いから我慢しなさい」
「いや別に全然これで良いけど」
「あそ」
ふん、と鼻を鳴らして九尾の少女は指を振る。
羊どもが燃え上がった。
『ぴぃ!?』
「あんたらも、幾ら馬鹿だからってうちの山仕切ってる親玉で遊ぶんじゃないわ!」
羊どもが反省してまーす、というような顔をしたところで、ようやくその炎は鎮火する。背中から綺麗に毛が消えて寒そうだった。
「おい、あの毛が必要だったんだが」
「フレアリールにでも任せればいいじゃない。あいつなら喜んで羊どもを丸刈りにするわよ」
「いや、そうだけどよ」
「はいはい、暇なんでしょ。分かってるわよ」
ぺしぺしと妖鬼の背中を叩いて、山を登っていく。
不完全燃焼で悶々とする鬼神と、どこか仕方なさそうに後ろを歩く九尾。
それは、ここ最近見慣れた光景だった。
「また、旅出てえなあ」
「落ち着いたらね。あんたが勝手に、あの二人の結婚式開く準備始めるからでしょうが」
「思い立ったが吉日って言ってな。閃いたその瞬間がもうおめでたいんだよ」
「おめでたいのはあんたの頭よ」
おのれ、と、おめでたい頭を抱えて呻く鬼神。
――魔神降臨事件からしばらく。
様々な国、地域、街に及ぼした影響は思いのほか大きかったのか、グリモワール・リバースはその時解散になった。
音楽性の違いがどうとか喚いていた目の前の鬼神もその例に漏れず、イブキ山に戻ってから多くの人物と会っていた。
たとえば、シャノアール・ヴィエ・アトモスフィア。
彼の今後の進退について、魔界のこれからについては、二人でよく話し合った。
たとえば、リュディウス・フォッサレナ・グランドガレア。
王国での事件の爪痕と、魔神降臨事件を解決した第二王子という肩書。持て余しそうな状況で、よく相談に乗った。
他にも色んな知人がやってきては、あれこれと会話に花を咲かせたものだ。
鬼神の住まうこの山は、いつしかそんな相談所になっていた。
「おう、帰ってきたな兄貴」
「なんだ、今日はもう戻ってきたのかい」
頂上の集落に戻ってきた鬼神を出迎えたのは、彼の両親。
イブキと、――一号。元々の呼び名よりも、鬼神に呼ばれる分にはこちらの方がしっくりくるとかなんとか。
妙な親子関係だが、別段ぎくしゃくすることもなく。
毎日を楽しく過ごしている。
もっとも、最早殆ど力を失ったイブキの介護が殆どではあるが。
それでも良いと、それが良いと一号は言った。
ようやく会えたのだ、彼らの時間を妨げはするまい。
「おう。まあそろそろあいつらの結婚式もあるしな」
「そんな殊勝な理由じゃなかったでしょうが」
呆れる九尾。
イブキはからからと機嫌よく笑って、そんな二人に言った。
「ま、適当にな。あたいもまあ、当日にゃ顔を出すつもりだ。アイゼンハルトにゃ世話になった身だしな」
「ほいよ、んじゃまたあとでな」
軽く別れを告げる鬼神を、イブキと一号は微笑ましそうに見送る。
ようやく、一つの時代が終わった気がした。
二百年前にも大きな出来事はあったけれど。魔神降臨という危機を経て、何か一つ、かちりと時代が変わった気がしたのだ。
「――あたいらはなんか、置いていかれたねえ」
「それでいいんじゃねえっすかね。見守る立場も、悪くねえっすよ」
――イブキ。
数年後、息を引き取ることになる。妖鬼に限らず、山の全てに慕われた鬼子母神は穏やかな表情のまま空へと逝った。大地の神は次代に譲り、きっとこれから先も空から皆を見守っているに違いない。
――鬼神シュテン、またの名を一号。
多くの謀略に利用され、力のみを求められた鬼神として本人は己の精神を悔いている。だからこそ、妖鬼や豪鬼といった山の鬼たちをよく導き、自分と同じようなことを起こさないようにとよく諭した。山の翁とも呼ばれ、長く親しまれることになる。
――大江山頂上付近。
「――であればこそ、我らが崇高なる鬼神、シュテンさまの在り方は貴く、そして崇敬されるべきものなのよ。これから先どんな艱難辛苦が待ち受けていようと、私たち山の者はシュテンさまの矛となり盾となり」
鬼神と九尾が大江山の頂上へ戻ってくると、山のありとあらゆる生物を前にご高説を垂れる吸血皇女がそこに居た。
よくよく見れば彼女の血の鎗がまるで檻のように彼らを閉じこめており、否応なく彼女の講義を受けさせられているようだ。
恐怖政治である。
「なにしてんのよアホ皇女!!」
炎が迸り、吸血皇女へ迫る。
「躾のなっていない獣ね」
迎撃とばかりに血の矢が炎を迎え撃った。
衝撃と爆風で、山の愉快な仲間たちが吹き飛ぶ。
クマさん(魔獣)やウサギさん(魔獣)やシュテンさん(鬼神)やタヌキさん(魔獣)が、割と諦めたような表情で山のふもとの方へと飛んでいった。
「あんたが訳わかんないことやる度にシュテンが変な風に思われるでしょうが!! いや、元々変だけど!!」
「あら、貴女のような獣が周囲をうろちょろしていることほどに品格を下げる行為なんて、他になくてよ?」
「ふしゃーーー!!」
「地面に這いつくばりなさい」
大江山は今日も平和で、いつも通り大騒ぎ。
実のところ騒がしいのは、首魁のシュテン本人ではなくその周りの約二名なのだが……シュテンはそれを良しとしているし、約二名は気づいていない。
それでいいのだ。愉快な山の日常は。
――フレアリール・ヴァリエ。
まず最初に言っておくことがあるとすれば、彼女の曇りなき曇り切った眼が晴れることは生涯無かった。廃坑での出会いから今まで全て運命に導かれたものだと信じている彼女にとって、ここでの生活は退屈で愛おしい。本物の家族がこういうものであることも、きっと彼女は知らないまま。それでいいのだ。
――ヒイラギ。
本質的にこの山の一切を取り仕切ることになる。馬鹿な主と、節穴の同僚。そして愉快な仲間たち。誰もが彼女のツッコミ待ちで、だから毎日が慌ただしい。
百年前に欲しかった幸せは、今ここにある。遅すぎたなんてことはない。
むしろ、時間が経つのが早過ぎて困るくらいだ。さあ、馬鹿が馬鹿を始めた。とっちめなくては。
「久々に空飛んだぜおい」
庇を作って山の頂上を眺めれば、どんぱちやっている閃光が遠目に見える。
この辺りに居た魔獣たちは、俺が落ちてきたことで慌てて逃げ出したみたいだ。
招待状を出したとはいえ、テツたちがこっち来るのは一月くらい後だろう。
シャノアールは引っ越しで忙しくしてたし、クレインくんたちも国の挨拶周りで大わらわ。
魔界は今、新四天王が一生懸命頑張ってるみてえだし、共和国領も帝国との提携で色々忙しいと来たもんだ。
俺の知り合いがみんなみんな忙しいってんなら、まあこれは逆にちょうどいいかもしれんね。
「――第一神機・草薙、展開」
ぴょこんと飛び出した鬼殺しを、大斧の形態にして担ぐ。
「腰元には、友誼の酒瓢箪。足には、ちゃんと下駄ァ履いてる」
あとは、首につっかけてる笠を被れば準備万端。
「旅の準備は整ったぃ」
たったこれだけと言うなかれ。
これでいいのさ、旅ってやつは。
「さて、今度はどんな出会いが待ってるかねえ。制限時間一月で、目的はこの山に戻ってくること。ならひとまず……そうさな。また泳いで公国に渡るとこから、始めてみっか」
また新たな出会いがあるだろう。
また面白い出来事があるだろう。
また、楽しい何かが見られるだろう。
ああ、やっぱり。
旅って、いいもんだねえ。
――匂坂天童。鬼神シュテン。
転生鬼神の浪漫譚。その登場人物の殆どが天寿を全うするまで、彼はひたすら生き続けた。永遠の別れがあっても関係ない。旅は終わらない。足を止めるまで、ひたすら愉快な旅は続き続ける。だってその方が浪漫だろう?
制作:小説家になろう
原作:藍藤 唯
スペシャルサンクス:読者諸兄
グリモワール×リバース~転生鬼神浪漫譚~
おしまい。
これで本当に本編はおしまい。お疲れさまでした。
相も変わらず不定期更新で、ぼちぼち後日談を上げていきます。




