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グリモワール×リバース~転生鬼神浪漫譚~  作者: 藍藤 唯
巻之伍『妖鬼 企業 吸血鬼』
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第二十九話 ネグリ山廃坑XIII 『STAND BY READY』



 ネグリ山廃坑に突入したシュテンとハルナは、一路地下に向かってどんどんと足を進めていた。

 真っ暗で、相変わらず何も見えない場所であったが、ハルナの魔法で周囲を照らしつつ掘り込まれた洞窟の中を駆けていく。


「あ、そこ右です」

「うぇい」


 たったったった。


「そこ階段です」

「うぇい」


 たったったった。


「地下五階ですね。とりあえず左から行きましょう」

「うぇい」


 たったったった。


 ……。

 ハルナは、まだ担がれていた。

 左肩に乗せられて、ナビ紛いのことをしながらシュテンを案内していく。

 何せ、一度訪れたダンジョンだ。うろ覚えながらも、だいたいの地理は把握している。ジュスタがマップを保有していたので完璧な情報は無いが、それでも"だいたい分かる"というだけでこの状況は強かった。


「せんぱい」

「あん?」


 左肩からした声に、シュテンは反応する。

 ところどころに書陵部職員の死体がちらほら散見されるのはきっと暗闇の中で吸血鬼やモンスターに殺られたからだろう。ハルナは死体を見てもわりとあっさり「まあ見慣れてますし。ああなるのはいやですし、生きていたら回復してあげたいとは思いますけど」と意外にも冒険者(ブレイヴァー)らしい返答をしていた。


「ミネリナさん、助けなきゃいけませんね」

「そーなー。元から助ける気は満々だったけど、テツにまで頼られちゃ、やるしかねえよ」

「それで、何ですけど……あ、そこ左です」

「うぇい」


 どんどんとフロアを突き進み、シュテンたちは一路ミネリナとフレアリールのもとへと向かう。

 小さくハルナが漏らした声は、そんな中にあって少し自信なさげで。


「どうした?」

「あ、いえ……やっぱりあたし、"人を助けたい"って言えるほど強くないなって」

「ふむ」

「結局テツさんとせんぱい頼りだったし、魔法もあまり通じないし。居ても居なくても一緒だったなって」

「それぁ――」

「でも、」

「ん?」


 口を開きかけたシュテンだったが、力のこもった声に遮られた。

 自信をなくしている彼女に発破の一つでもかけるつもりだったのだが、ちらりと視線を動かしてハルナを見ると、憔悴など欠片もしていなさそうな、芯の強い瞳で前を睨んでいて。


「でも、それでもあたしはフレアリールちゃんを助けたい。可哀想だもん、せっかく大事な人に会えるって時に死んじゃうなんて。それに、ミネリナさんだって今までずっと一生懸命だったのに、こんなことになっちゃったってひどすぎるもん。あたしが何か力になれるなら、全力を尽くしたい。可哀想とか、酷いとか、口で言うのはあたしにもいくらでも出来るけど……あたしはそれだけじゃやだ。二人を、助けたい」

「……上等じゃねえの」


 ハルナの言葉に、シュテンは口角をつり上げた。

 それでこそ、だ。


 わざわざここまで乗り込んできて、「やっぱりあたし弱いから」なんて言われてもどうにもならない。彼女が彼女なりに戦いたいと思っていればこそ、こういう状況になっても迷わず向かってきたのだとすれば、それはどんなに頼もしいことだろうか。


「それであたし、せんぱいに謝らないとなって思ってて」

「あん?」

「フレアリールちゃんとミネリナさんを助けたいのに、外の戦場ではあたし役立たずになっちゃってて。だからせんぱいと一緒に廃坑に突っ込んじゃおうって思って。なんか、せんぱい利用しちゃったみたいで」

「あっはっは、気にするない。その程度のことで"利用する"なんて言ってみろ、どっかのカミサマは業を背負い過ぎてやべえことになってら。まああいつは元から業背負いまくってんだが」

「は、はあ……」

「だからま、ハルナが俺に負い目を感じる必要はねぇ。何なら、一緒にあのアホ二人を助けようぜ」

「はい!!」


 階段を跳躍して飛び降り、時折おそってくるモンスターを鬼殺しで次々に葬っていく。


「ちっ……」


 ヴォルフガングとの戦闘だけではないだろう。デジレとの度重なる打ち合いや、そうでなくても他の敵との多くの戦い。しかしやはりヴォルフガングとの戦いで限界を超えてしまったか、鬼殺しに小さく亀裂が走る。


「ま、でも何とかなんだろ。多分、きっと、めいびー」

「すっごい自信なさげですけど……次、右です」

「うぇい。……しかし、どうすっか」

「どうする、とは?」


 武器には回復魔法入らないんですよねー、と寂しげに呟くハルナに対して、シュテンは軽く話題を振った。話題、というよりは議題だ。グラスパーアイが地下に潜ってしまった今、ミネリナとフレアリールの命は一刻を争う事態になってしまっていてもおかしくはない。


 それに対する打開策が、実はまだ皆無なのだ。


「ミネリナの自爆を防ぎ、フレアリールの死を防ぎ、グラスパーアイをぶちのめす方法。吸血鬼派を壊滅させりゃ二人は助かるんだろうが、流石にそんなことをする余裕もキャパもねえ。それに事態は一刻を争う。ていうか、グラスパーアイの執着具合がおかしいと思わねえか? わざわざ同族が目立ち過ぎたってだけで、帝国書院と殺し合いしてまでネグリ山廃坑に突っ込むほどの理由になるのか?」

「言われてみれば、確かに。ミネリナさんはテツさんを狙う為、みたいな感じだったような気もしますけど……フレアリールちゃんは」

「吸血鬼の中じゃ重罪なのかもなとは思ったが、それにしたってだ。一時撤退してもいいだろあんなカミサマが居たんじゃ。それなのに何でこのタイミングで」

「フレアリールちゃんを、帝国書院とか冒険者協会(ブレイヴァーズ)にもって行かれたくなかった、とか」

「その線はありそうだなー……でもたった一人の吸血皇女にそうまでする価値あんのか。まあ、そこそこ強くなっては居た、が……あ」

「せんぱい?」


 何かを察したように、妙な声を漏らしたシュテン。

 もしかしたらという思いが彼の脳内で渦を巻く。


 おそるおそると言った風にシュテンはハルナへと問いかけた。


「ちなみにさ、フレアリールと一戦したんだろ? 強かった?」

「びっくりするくらい強かったです。あたしたちも結構ジャイアントウォールで実力つけたつもりだったのに、なんか、とっても。……そういえば」

「そういえば?」


 聞き返すシュテンの声は震えていた。


「主さまからいただいた力だとか言ってましたけど、せんぱい何したんですか」

「珠片かあああああああああああああああああああああああああああ!!」


 洞窟の中で大声というのは心底響くものだ。

 せっかく退けたはずのモンスターがわんさか出てきて、シュテンは面倒くさいとばかりに逃走を計る。

 後ろから追ってくる連中に「ばーか」だの「まぬけー」だの罵声を浴びせつつ、シュテンは次の階段目指して駆ける。


「……ってことはつまり、吸血鬼派は既に珠片の情報を得てんのか? クソが、嫌な予感しかしねえ」

「せんぱい?」

「あん? ああそうだ。確かにフレアリールに俺があげちまった物は見つかったらやばいもんだ。殺されかねねえ。つーか俺がいつも追われてる理由の大部分はそれじゃねえかな」

「せんぱい追われてるんですか!?」

「ありゃ、言ってなかったけ」


 お、追われてるんだ……となぜか目をきらきらさせながら見られても、シュテンとしては困る。そういえば追う側のモノクルハゲを最近見ていない。研究所でのんきに薬でも混ぜ混ぜしているのだろうか。


「ま、そんな訳で責任は俄然増してきたんだが……さてどうしようね。テツに頼まれた以上、絶対にミネリナの自爆は防がなきゃならねえ。それからフレアリール共々一時的に守った上でグラスパーアイをぶちのめし、彼女らに真の安全を……ってのが理想のシナリオだ。クリア条件、結構きついぜ」

「ミネリナさんは、あの吸血鬼を相手に自爆するつもり何でしたっけ」

「そもそもあいつ自身が自爆のやり方を知ってるか分からんがな。どっちかってーと、グラスパーアイの奴に起爆されないことを最優先だ」

「ろくなことしませんね、暮らす……ハァイ?」

「ペーベルハウスみたいになってんぞ」

「へ?」


 暮らすハァイ。社畜ヘッドが実はズラでかけ声とともにスキンヘッドになる絵面を想像してシュテンは哲学者のような顔になった。


「しかし、起爆させなければいい、か……」

「起爆させなければいい、かぁ……」

「せんぱい?」

「いや、どうしたもんかと思ってな。ハルナは?」

「そうですねぇ……」


 何かを考えついたようなハルナの表情に疑問を感じつつ、シュテンは自ら思考する。

 シュテンとハルナの二人は、最下層に向かって突き進む。


「ね、せんぱい――」















「ハァ……ハァ……ハァ……馬鹿じゃねえのアスタルテ・ヴェルダナーヴァ。強すぎ……。けどな……アレイアとカテジナの幻影を置けば、テメエだって来れねえだろォバアアアアアアカ!!」


 グラスパーアイはシュテンたちよりも遙かに先に最下層に到着すると、必死に逃げていたことから解放された余裕からか、盛大に罵声を飛ばした。


 洞窟の中での大声はやたらと響く。そのせいでやってきたモンスターたちを面倒臭そうに殺しながら、グラスパーアイは最後の扉の前まで来た。引き連れる吸血鬼は八名。どれも精鋭には違いない。書陵部員との戦闘があったとて、流石に人間と吸血鬼では地力が違うのだ。ましてや暗闇の中、負ける要素が無かった。


「アスタルテ・ヴェルダナーヴァは確かに脅威だが……それとてこの中に居る吸血皇女を殺せばいいだけのこと。もう一人の吸血皇女は捕獲だ。アイゼンハルトを殺す為の道具……なに、洗脳はまだ効くだろう」

「ミネリナ・D・オルバを捕獲、フレアリール・ヴァリエを殺害で宜しいのですか」

「ああ、それで間違いない」


 この中に、奴らは居る。

 その程度、グラスパーアイには手に取るように分かった。

 しかしおそらく向こう側に居る吸血皇女二人も感知はしているだろう。


「おい、貴様ら」

「は?」

「魔導ぶっ放してこの扉ぶち破れ」

「はっ!」


 二人の吸血鬼にそう命じ、他の者は防御をするよう指令を出す。

 そして。


「はあああああ!!」

「あああああああ!!」


 二人の吸血鬼による土属性魔導がその扉を襲撃した。うねる土竜が勢いよく扉を突き破る。

 その瞬間、扉の向こうから大量の炎の魔導が飛んできた。


「ぎゃああああああああ!!」

「ちっ……やっぱり待ちかまえてやがったな」


 哀れ攻性魔導を放った二人は真正面から獄炎にさらされ敢えなく散った。

 しかし残る六名とグラスパーアイは防御に徹し、業火の応酬が済んだあとで突貫する。


 ドーム状に形成された石の部屋。戦闘空間としては十二分。玉座に腰掛けた少女と、その背もたれに寄りかかっていたもう一人の少女。そして、彼女らの前には大量のモンスター。


 吸血鬼たちの目の前に、ホブゴブリンやラミア、バットなどといったモンスターがうごめいている。


「なにっ……」

「このダンジョンのモンスター……まだこんなところに!」


 動揺する吸血鬼たち。

 玉座に腰掛け、頬杖をついた少女は閉じていた瞳をゆっくりと開くと、一言だけ呟いた。舌足らずながらも、尋常ならざるプレッシャーを添えて。


「やれ」


「ギャゴアアアアアア!!」

「グルァアアアアアア!!」


 少女の命令は、まるで餌を目の前にしていた畜生を解き放つかのようであった。

 モンスターたちは我先にと吸血鬼たちに襲いかかる。


「ちぃ!!」

「こんのぉ……!!」


 しかし、ここまでグラスパーアイに着いてきた吸血鬼たちは精鋭だ。

 この程度のモンスターなど、質的に言えば恐るるに足らず。冷静に一匹一匹を下していく姿に、少女の眉根が寄った。


 そして、さらに。


「フンッ……」


 グラスパーアイが鼻で笑う。手をかざした瞬間、炎と風の矢がモンスターたちに向かって降り注ぐ。


「グゲエアアアアア!!」

「ギェアアアアア!!」


 身悶えながら苦しみ、消滅していくモンスター。

 いくらかき集めたと言えど、ネグリ山廃坑のモンスターたちではたかが知れている。


「準備した迎撃はおしまいか。やけにあっさりとしたものだな……。えぇ? フレアリール・ヴァリエ。そして、久しぶりだなあ、ミネリナ・D・オルバ」

「アスタルテ・ヴェルダナーヴァから尻尾巻いて逃げてきたくせに偉そうに」

「威厳の欠片もないんだ、もう少し身の振りを考えたまえよ」

「んなっ……!!」


 殆どのモンスターたちが消え去った部屋で、グラスパーアイ達と吸血皇女二人は対峙した。グラスパーアイ以下六名は既に臨戦態勢。フレアリールは立ち上がり、呆れたような視線を向ける。ミネリナも、グラスパーアイを興味なさげに見やるばかりだ。


 だが、その瞳の奥にどうしようもない激情が灯っていることは、言うまでもない。


「フンッ……まぁいい。ミネリナ・D・オルバは後でいい。フレアリール・ヴァリエ。貴様は愚かにもネグリ山廃坑に召喚されたらしいな。別にそれでただ殺されるなら良かったんだが、妙に力をつけ周囲からの注目を浴びた。吸血鬼としての制裁を下す」

「それだけの為にわざわざこんな戦争までするとは、ご苦労さまね」

「それだけ……それだけねぇ……」


 くつくつ、と気味の悪い笑い声をあげるグラスパーアイ。顔を上げ、フレアリールを見据えた彼の視線はどす黒く濁っていて。


「アスタルテ・ヴェルダナーヴァの前から戦略的、戦略的撤退をした私の意図がわからぬのか」

「戦略的って強調しなくていいから」

「貴様、"妙に"力をつけたな? たった数ヶ月の間にだ」

「……だから、何」

「その力の源を、寄越せ。それさえあればアスタルテなぞ目ではない」


 ぴくり、とフレアリールの眉が動いた。

 力の源と聞いて思い当たる節があったのだろう。しかし、彼女の表情は見る見る険しくなっていく。徐々に広がる覇気は、まさしく怒りに触れた証。


「寄越せ……? 私が主から賜ったものを――」


 ぶわり、と魔力のパルスが周囲を焦がす。


「――寄越せと言ったか、下衆がッ!!」

「ちょ、フレアリールちゃ――」


 全方位に迸る黒き炎。フレアリールの血から発した、触れるものを消滅させる魔導。


 当たり前のようにガードするグラスパーアイとは違い、まともに受けてしまった二名の吸血鬼が消滅する。


 全方位ということはつまり、側に居たミネリナも危険だということだ。あわてて跳躍し、間を縫って回避した彼女だが、そのせいかフレアリールとの距離が離れる。


 と、グラスパーアイは黒の炎を防御しながら、突然笑いだした。


「ハハハ……ハッハッハ!」

「……何がおかしい、グラスパーアイ!!」

「油断のし過ぎだ――」


 目を細め、グラスパーアイは。フレアリールではなく、ミネリナを見据えた。


「――お前は後だ、と言っただろうが。後とは、今のことだ」

「っ!?」


 フレアリールとの距離が離れただけではなかった。グラスパーアイとの距離が縮んでしまっても居たのだから。そして、グラスパーアイの瞳は既に赤く染まっており。


「あっ……」

「ミネリナ!!」


 フレアリールが叫ぶも、遅い。既に硬直してしまった彼女の前に、ゆっくりとグラスパーアイは足を運ぶ。隠し切れぬ笑いとともに、指を鳴らして。


「ミネリナ! ミネリナ!! ちっ……古代呪法・滅却絶火!!」

「無駄だっ!」


 叫ぶフレアリールの放った魔導は、湖でおこなったものと同じ全ての魔法を解除する古代呪法。いつの間に覚えていたのか彼女自身定かではないが、この絶大な力すらもグラスパーアイによって弾かれる。

 ミネリナは固まったまま、身動きどころか感情すらも抜き取られてしまったように硬直するのみ。


「くくく……地上にあがってから、こいつをアイゼンハルトに投げて起爆するだけだ。さて、フレアリール。貴様を殺してあの妙な力の源をいただくとしようかッ……!!」

「あ……あ……」

「なんだ、今更恐れをなしたか」


 フレアリールは、小さく後ずさった。

 グラスパーアイは気を良くして保有する魔力をプレッシャーの為に発する。


 震える声で、まるで何かを恐れるように彼女は呟いた。後ずさっていることもあり、死を目前にした童女のように。


「あるじ……さまぁ……」

「主……? ああ、残念だが貴様が誰を待っていようと誰も来ることはない!! この私の古代呪法により、アスタルテ・ヴェルダナーヴァすらあの場を突破出来ないのだからな!!」

「そんなこと……わかってた……!!」

「はっはっは、そうだろうそのはずだっ……!」


 ん?


 グラスパーアイは首を傾げる。


「なんで、過去形なんだ?」

「なんでだろうな~。鬼いさんもよくわからんわー」

「うむ、そのはずだ。アイゼンハルトもランドルフで足止めした。洞窟の前にアレイアとカテジナも置いてきた。抜かりはないはずだ」

「水も通さぬ鉄壁の防御って奴だな!」

「そうだ、その通りだ!! が、少し違うぞ。水も漏らさぬ、だ」

「あ、それはすまんな。水も漏らさぬ鉄壁の防御! よ、魔界一!!」

「はっはっは!!」

「はっはっはっは!!」


 ……。


 めのまえにいるのはだれだ。


「妖鬼シュテエエエエエエエエエエエエエエエン!!」

「あ、バレてら」


 がしがしと、後頭部を掻いて。のんびりと鬼殺しを背負った、着流しに三度笠の男。

 いつか見た、先も見た、この場に居るはずのない妖鬼。


「な……なぜ……こんなところに……!」

「なぜかってえと、そうだな。過去を乗り越えたかっちょいい男が居て、そいつとカミサマがタッグ組んだら、俺ぁもうお払い箱だろ?」

「……な……ま、さか……」

「さぁて、グラスパーアイ」


 妖鬼シュテンは、楽しげに笑う。


「二百年越しだ。あんときゃ生き延びられちまったみてえだが……今度こそ、年貢の納め時だぜ」



 きゅうけつき の グラスパーアイ が しょうぶ を しかけてきた!▼

(専用BGM『聴かず、懲りず、一向に効かず~BOSS BATTLE GRASPER EYE~』)

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