1ー4 山賊生活
山賊の朝は早い。
まず最初に起きるのが食事班。この山賊団の男共はみんな大量に食うので朝食からたくさん作らなくてはいけない。
朝食を作り始めるとその匂いにつられてゾンビのように男達が活動を始めるのだ。
ここでこの城の作りをご紹介しよう。
まず入り口だが、門がある。これは高さが10メートル位あって、乗り越えようがない。
無論壁を乗り越えるのも無理だ。っていうか壁の上には見張りがウロウロしているのですぐばれて即座に矢でぶち抜かれる。
この門をくぐると、視界に広がるのは広場。砂で出来た訓練場である。基本見張り以外はここで騒いでる。
砂の広場をまっすぐ行くと城に入るための入り口が現れる。ここには大きな木製の扉があるだけだ。
その扉を開けると巨大な一つのテーブルに椅子がこれでもかと言うほど並べられている。ここが食堂であり、作戦を考える場所だ。
そしてこの食堂の奥に行くと階段がある。左右に一つずつだ。これが二階への階段である。
その階段を上ると寝床がある。以前は家具やら壁やらあったが全部ぶち抜いて今では一つの広い部屋になっている。屋根裏にいる気分だ。ちなみにベットとかで寝るのではなくカヤックとか、床に寝るとか、だ。あとみんなここで寝る。
先程言った見張りだが、内側から梯子で登って行くのだそうだ。ほんと、ご苦労様である。
話を戻そう。食事は今俺たちが寝ている大きな城ではなく、お隣の所で作っている。
この要塞とでもいうべき場所は城のようなものが二つある。一つは寝床+食事場所+作戦会議する所。もう一つは飯を作る+武器の倉庫となっているのだ。
なので男たちは起きるとこのもう一つのほうに一列に並び、飯をトレーに律儀に乗せ、食堂に向かうのだ。
そして全員が食堂に揃うと、この山賊団の頭がちょっとだけリッチなイスに座り、叫ぶのだ。
「いただきまあああす!!!」
その叫びを聞くと、全員がそれに答えるように叫ぶ。
「「「いたたぎまああああああああす!!」」」
そして始まる朝食。ちなみにこの叫びは見張りに余裕で聞こえる。ので凄いうるさい。
まあ、そんなどっかの刑務所のような感じで、俺たちクーガ山賊団の一日は始まるのである。
正直に言おう。こいつらはバカだ。なんかこう、安心できるバカだ。
「・・・・・はぁ、これ山賊なのかよ」
「んん~??どうしたリーク?腹でも壊したか?」
こいつはケント。そう、スキル持ちだ。基本俺はこいつと行動している。スキル持ち同士だからなのか?
ケントに心配されながらも俺は今日の飯である野菜のスープを口に突っ込む。うん、うまい。
「あ、忘れてた。クーガさんが呼んでたから、飯食ったらすぐいけよー」
「分かった。このスープ食っておかわりしてからいくわ~」
「あほか!さっさと行けって!クーガさん怒ったらマジしゃれになんねーって・・・」
まじか、そりゃ怖い。あのおっさんすぐ剣振り回しそうだから嫌なんだよな・・・。
ここで一つ言っとく。俺が山賊に入ってから三日たってこれだ。どこの村にも襲いに行っていないんだ。
ちなみに時間関係はほとんど俺らの世界と一緒だ。一日24時間。だが一年は360日だ。
一ヶ月は30日。これが固定らしい。前の世界のように31とか29とかがない。
その事に関してはスッキリしていていいな~、と思ってしまった。
食事を済ませ、俺はクーガの所に向かう。クーガは基本外の広場で稽古という名の殴り合いをしているのですぐ見つかる。
「おっしゃああ!!次は四人同時でこいやゴラアアア!!!」
・・・・・俺らのボスはほんとに元気である。今も男四人と戦っている。みんな素手だ。顔と金的以外殴っていいというルールでやっている。まじ物騒である。
紹介が遅れたが、ここで俺とクーガとケントの容姿について言う。
俺は黒髪黒目のまじ日本男児だ。顔は一日一回必ずなんで怒っているのか聞かれる顔。つまり目付きが鋭いのだ。よく友達にヤクザ?などとからかわれた。
身長は確か184だったはず。体重は76・・・か77だ。まあ80ではないんだ。信じてくれ。
次にクーガ。背は俺と一緒ぐらいで、体つきがやばい。ゴリマッチョだ。赤い髪の黒い目、厳つい顔にバンダナ。そして浅黒い肌。これはボスと言われても違和感がないだろう?
最後にケントだが、こいつも赤い髪をしている。だが目の色は黄色だ。少し童顔だが、こいつも人を殺しているんだろう。そういう目をしている。
「あの~、クーガさん?話があるって聞いたんですけど?」
「おお!!リークじゃねーか!おせーぞゴラァ!!」
笑顔で狂暴な事言わんといてください。けっこう怖いんすよあんたがニヤリって笑うと。
「オメー。武器ねーだろ?金やっから近くの街行って買ってこい。ほれ、受けとれ」
そういってクーガは俺に袋を投げつける。それを手で掴むと、金属の硬い感触が伝わる。
「言っとくが、逃げたら裏切り者と見なしてぶっ殺すからな。あとケント連れてけ。お前の見張りと買い出しさせるから」
三日も一緒に飯食ってここ掃除したんだから少しは信用しろや。こいつ人間不信かよ・・・。まあいいや。
それに武器が手に入るのだ。この世界では必需品だろう。さて何にしようか。やっぱ異世界っていったら剣かな~?いやでも、大剣も捨てがたいな~。やばい、迷う。
まあいい!早く街に行こうではないかケント君よ!!
「あと、街まで馬で半日かかるから。気を付けろよ~」
・・・・・・まじかよ。
うーん、全然ストーリーが進まないぞ(^_^;)