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人違い

私は驚き その手を払い除けながら後退り


「だ 大丈夫です!それぢゃあ〜」


そう言い残すと 振り向いて 走り出した


ドクドクと高鳴る胸に 手を当てて


私は前だけを見て ただひたすら走ったのです






その夜 結局眠れないまま 朝を迎えた私は


ボ〜ッとする頭を押さえながら服に着替えた


もう あの胸のドクドクは 治まっている


昨日のは 何だったんだろぅか?


悪い病じゃないと いいけど・・・






多少の不安はあるけど それどころでは無い


何とかしてアイツに この薬を飲ませないと


その時青年の顔が浮かび上がり 再びトクンと


胸の鼓動が 高鳴った


まただわ どうして・・・これは一体何?






幼い頃から村で育ち 魔女としての教育だけを


受けてきた少女は 恋などした事無かったから


だからこの時はまだ気付いてなかった


これが恋だと言う事に・・・






支度を整えながら 窓から外を眺めると


あの青年が 道を挟んだ通りの向こう側で


右往左往している姿が目に入った


この時ある疑問が 私の頭を過った


あの人は本当に 王子なのかしら?


こんな頻繁に城を 抜け出せるものなの?


それを確かめないと 関係無い人を 殺める事


になるかもしれないから 確かめないと






部屋から表通りに出た私に気付くと 青年は


手を振りながら道を横断して こちらの


通りにやって来た


「ねぇ この前俺の顔を見ても驚かなかった


って 言ったけど それは王子と顔がそっくり


だから そう言ったの?」


すると青年はニヤッと笑い


「王子の顔見たんだね そっくりだったろ?」







「そうね ビックリする程似てたわ」


青年の言葉を聞き 何故か私はホッとした


よかった この人じゃなかったんだわ・・と


胸を撫で下ろした時 青年が口を開いた


「最近 町に広場が出来てさ 色んな乗り物が


あるんだけど 今から行かない?」







突然の誘いに私は戸惑いを隠せなかった


「え いや でも 私は・・・・」


「いいから いいから」青年はそう言うと


私の手を取り 歩き始めたのでした























































































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