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身分

「それじゃあもう 私達は帰らせてもらうよ」


「さあ 行くよ」


私は村長に急かされ 王子に別れを告げた


そして箒に乗り飛び立とうとした時だった


「待ってくれ!」


私の腕を握り 王子が叫んだのでした





突然の事に そこに居る皆が驚いていた


そして 握られた腕を振りほどく事も


出来ないまま 私が ボ〜ッとしていると


「戴冠式まで居るんじゃなかったの?」


真剣な眼差しで言った王子に 戸惑いながら


「いや あれは口実で・・・」


アタフタしながら言うと村長が私の後ろから




「王子さんが ああ言って下さってるんだ


お前は戴冠式を見物して 戻るといい」


「え?でもいいのかしら 私なんかが見ても」


「いいに決まってるじゃないか!」


王子の言葉に大臣が濁した様な口調で


「し しかしながら 王子・・・魔女の」


「大臣に意見は聞いてないぞ」


「も 申し訳ありません」




「それでどうする?戴冠式見ていくだろ?」


ジッと目を見ながら 王子に言われて


私は断る理由も見つからず 承諾した


「それじゃあ戴冠式の日に伺います」


私が一礼して帰ろうとすると


「もう帰るのか?もう少しゆっくりしていけ


それに折角だし城の中も 案内させてくれ」




「いえ 私の様な者がこの場に居る事さえ


不似合い その上王子様に案内だなんて


とんでも御座いません そのお言葉だけ


有難く頂戴致します」


そう言って 私が深く一礼すると




肩を竦めて 首を横に振りながら


「かたいよその喋り方 一緒にテーマパーク


行った時みたいに 普通に喋ろうよ」


「いえ あの時は王子と知らずご無礼を


どうかお許し下さい」


話を聞いていた大臣が眉を顰めながら


「お 王子!この様な者とテーマパークに


行かれたのですか⁈ 」




すると王子が厳しい顔付きで怒鳴った


「大臣!いい加減にしないか!」


「申し訳ありません しかしながらこの者は」


そう言った大臣を ジロリと一瞥すると


「魔女だからどうだと言うんだ?同じ人間で


同じ赤い血が 流れているんだぞ」


「そ それは そうですが・・・」




私は自分が魔女でありながら 言葉に詰まった


大臣の気持ちが分った 何故なら幼い頃から


ずっと村の皆に 言われ続けてきたからだ


私達は魔女で 決して人間じゃない・・・と


それなのに 今 目の前に居るこの人は 魔女の


私を 同じ人間だと言う 私はそう言って


もらえるだけでも 嬉しかった


魔女の私を 人間だと思ってくれる人が居る


それだけで よかった




王子に責められ 困っている大臣を 気の毒に


思った私は 王子の小言に割り込んだ


「王子様にそう思って頂けて 嬉しいです


戴冠式には必ず来るので 今日は帰ります」


すると大臣が ホッと胸を撫で下ろした


そして王子は 私を引き止めるのを諦め




「そうか じゃあ戴冠式に待っているからな」


私は王子に 深く一礼して 大臣に 先程の無礼


に侘びをいれて 城を後にした


城を出ると直ぐ 精霊が話しかけてきた




(王子様 貴女にご執心みたいじゃない)


そうかしら?そうだとしても あの人は王子様


私は魔女 住む世界も身分も違い過ぎるわよ


(あらそれじゃあ 貴女も満更でもないのね)


な 何言ってるのよ そんな事ないわよ!


私は心を見透かされている様で ドキッとした




そして それから間も無くして戴冠式当日を


迎えたのでした
































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