任務失敗
これが私の役目で宿命なんて・・・
そしてふと青年の顔を見ると さっき迄
輝いてた青年の瞳が 今はとても寂しそうに
まるで自分の宿命だと 覚悟してる様に思えた
その瞬間私の目から涙が零れ落ちたのでした
「急に ど どうしたんだよ?」
青年は突然の私の涙にアタフタしていた
「何でもないわ」私がそう言うと
「俺でよかったら相談に乗るからさ!」
そう言って胸を張った青年の姿が とても
滑稽に映り 笑いを堪えるのに 精一杯だった
「有難う 本当に有難うね」
「いや〜別に」
そして 青年は顔を赤らめ 頭をかきながら
カップを掴み 一気に口元へと 持っていった
それを見た私は 思わず叫んでいた
「ダメッ! 飲んぢゃダメよ!」
私の声に驚き 青年の口元で手が止まり
「折角淹れてくれたのにどうして?」
「飲んぢゃあ ダメなのよ」私はその場で
泣き崩れ 全ての経緯を話し始めた
青年は私の話を一部始終黙って聞いていた
私の話が終わると 青年がゆっくり口を開き
「そうか やっぱり君が魔女だったんだね」
「え⁈ やっぱりって? 気付いてたの?」
「まあね」そう言って私から視線を逸らした
「一体 何時から気付いてたの?」
すると目を逸らしたまま 大きく息を吸い
「初めて君と出会った時からだよ」
そう言って 私を見た・・・
私は驚き 一瞬言葉を失い暫くの間
立ち尽くしたが 直ぐ我に返り
「嘘でしょ どうして分ったの?」
すると少し顔を赤らめながら
「む 胸元の刺青 魔女の証だよね?」
今は服を着ていて 胸元は見えないのに
私は思わず 胸元を押さえた そして
「スケベ」
そう言うと 赤い顔がより赤くなって
キョドりながら
「ち ち 違う あ あれは事故で 偶然!」
「でも よく知ってたわね 魔女の証なんて」
すると青年は落ち着きを取り戻して
「先代の王に よく聞かされてたからね」
「先代の王ってお父さんだよね?」
「ああ 三年前に亡くなったけどね」
「あ ゴメンナサイ」そう言って 私が俯くと
「いや 大丈夫だよ」
「ひょっとして 私達の一族が・・・?」
「詳しくは分らない 事故だと聞かされたよ」
「そうなんだ・・・」私は 俯き返事をして
直ぐに顔を上げて 青年に哀願する様に言った
「どうか 私を処刑して下さい」
その言葉に驚き青年は 唖然としていた
「な 何を言ってるんだ そんな事できる訳が
ないだろ!」
「でも私は 与えられた任務を果たす事が
出来なかったから」
「ひょっとして 任務って俺を?」
「そう貴方を殺める事は出来ない だから
私の命で 村の皆には手を出さないで欲しい」
「そうか 村の存亡が君にかかってるんだね」
「はい」
「そうか・・・ 分ったよ」
「有難う これで皆は助かるわ」
私はホッとすると同時に 体の力が抜けて
その場に 倒れたのでした・・・




