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それぞれの想い

走り去る後ろ姿を見ながら 思った


やっぱり 一緒に居ない方がいい


それに 町に来た目的は 他にあるんだから


さあ 調べに行かなきゃ


私は 城に向かって 歩き出したのです






城の周辺を隈なく探したが 何処にも


侵入出来そうな場所は 見つからないまま


日が暮れて辺りも暗くなった為 私は諦めて


部屋に戻り ベッドで横になった


やっぱり 忍び込める様な場所は無いわね


ベッドの上でゴロゴロと転がっている時


そう言えば村を出る前 長が私に言ってたっけ


「どうしても 困ったらこれを使うといい


魔力の低いお前でも 使える筈じゃ」


そう言って 長から五センチ程の鉄の筒を


手渡されたのを 思い出した






私は鞄の中を探しながら思った


どうして薬瓶と言い 小さい物ばかりなのよ!


まあ私の魔力が低いのがダメなんだけどね!


ブツブツ言いながら 探していると コツンと


何か 鉄の様な物が 指に触れた


「あ!あった それにしても こんな小さな物


を無くさなかったわね 私って偉いね〜」







自分に感心しながら 蓋を開けると


筒の中から 細い木の棒が出てきた


「こ これは 変化の杖!有難う 長!」


本来魔力の高い人は杖等無くとも 出来るけど


私の様に低いと 杖が無いと出来ないのです


杖を筒に戻して ベッドに横になった


これさえあれば 何とかなるわ!







翌日私は変化の杖をポケットに忍ばせて


窓から表通りを 見下ろすと あの青年の姿が


目に入り トクンと鼓動が波打った


きょ 今日も来てる・・・


私は壁にもたれて 大きく息を吸った


逢いたい でも そういう訳には いかない






私は杖を高く振りかざすと 別人になった


「完璧だわ!」これなら 分らない


私は 見事な変わりっぷりに 惚れ惚れした


その姿で表通りに出ると 青年はチラッと


こちらを見たが 直ぐに目を逸らした


ププ 全然気付いてない そりゃそうか


私 すっかり別人だしね ププ






そして城に向かおうと歩き出した時


私の背後で悲鳴の様な声と叫び声が


入り混じり聞こえた その声に驚き振り向く


と路端に あの青年が倒れていたのです







私は 気付くと 青年に駆け寄っていた


「大丈夫ですか?」うつ伏せになっている


体を仰向けにすると 青年の顔は真っ赤で


息は荒くとても苦しそうで・・・


そして額に手を当てると とても熱くかなりの


高熱があると 直ぐに分った





「誰か 診療所に電話を お願いします〜」


涙混じりの声で 精一杯 私は叫んだ


「もう直ぐで救護来るからね 大丈夫だから」


私が青年に 話し掛けてると


「あれ⁈その兄ちゃん昨晩 この通りを歩いて


たの わし見たぞ」


「え?昨晩?」私が不思議そうに聞くと


「ワシの家そこなんだけど 昨日眠れなくて


外の空気でもと窓を開けたら 歩いてたな」


「そ そんな」 夕べからずっと?


「確かにそうだよ でもまさか今迄ずっと


居たのかね〜?」






その話を聞き 大粒の涙が頬を伝い落ちた


私の所為なの? 私の・・・


その時救護班が 馬車で駆けつけた


「頭を低くして馬車に 乗せて!」


「はい!」


「はいっ!」


「そこの貴女も 付き添うなら早く乗って!」


「は はい!」


私は急かされる様に馬車に乗り込み


診療所迄 揺れる馬車の中で ずっと青年の


手を握っていたのでした
























































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