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痛み

だがテーマパークを前にして キラキラと目を


輝かせながら走っている 青年の耳に私の声が


届く筈も無かった・・・


私は青年に引き摺られる様に テーマパークの


中に入ったのでした






足を一歩踏み入れると 直ぐに広場があり


そこには ドリームパークと言う名の 看板が


掲げられて 大勢の人で 賑わっていた


私が青年に言われて ベンチで座ってると


フリーパスチケットを 握った手を高らかに


挙げながら 戻ってきた







「これで乗り放題だから!!」


嬉しそうな青年の顔を見ると 一緒に居る事


は出来ない 何て事 とても言えなかった







そして 私は遊び疲れて ベンチに座り込んだ


結局 私の方が はしゃいでしまった・・・


ベンチで 私がグッタリしていると


「これ どうぞ〜」


青年が紙コップのジュースを 私に差し出した


「あ 有難う」


ジュースを飲み干し 生き返った気分になった







その時横に座った青年が 紙コップを見ながら


「何時迄 この町に居られるの?」


寂しそうな目で呟いた青年を見た時 これまで


とは違い 胸を締め付けられる様な思いがした


そうよ 私は何時迄もこの町に居る訳じゃない






「わ 私は王子様の戴冠式を見に来ただけで」


「そ それじゃあ 戴冠式見たら 帰るのか」


「そうね そうなるわね」


そして 二人の間に沈黙が続いた・・・


そんな私達の目の前を 幸せそうな恋人同士が


何組も何組も 腕を組んだまま 通り過ぎた





「そろそろ 帰ろうか」


青年がベンチから立ち上がり 私は軽く頷いた


少し薄暗い道を 二人はトボトボと歩いた


「ゴメンナサイ」私がそう言うと 前を歩いて


いた 青年が驚いて立ち止まりこちらを向くと


「どうして君が謝るんだよ⁈」


「い いや だって・・・」






「少しの時間しか 一緒に居られなかったけど


俺は とても楽しかったよ」


そう言った青年を見て 私は驚いた


それは 青年の両目から 涙が一筋の線を引き


頬を伝い落ちたからだった


「あ あれ⁈ 何で俺泣いてんだろ」


青年は慌てて 涙を手で拭った






私は涙を流す事さえ 出来ずにそして何も青年


に言えないまま 別れて自分の部屋に帰った


村の長からの 命を果たして 早く 村に帰ろう


私は 魔女なんだから・・・


そう自分に言い聞かせたのでした





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