第7話.欲望
番号とメアドをGETした私は、毎日メールを送りたい気持ちを必死に我慢した。本当は毎日送りたい。
だけど先生に迷惑はかけたくない。
その分、時間があれば先生に会いに行った。それこそ、休み時間や移動の合間にも。
私が職員室のドアを開けると、みんなが永坂先生の顔を見る位、私は常連様になっていた。
ある時優子が、友人と職員室にやって来て、私と永坂先生が話しているのを見た。
すると隣りにいた優子の友人は、
友人
「あの二人って付き合ってるん?」
と聞いたそうだ。
なんともうれしい反応☆
だがその反面、周りにはそういう風に見えているのかとちょっと焦った。
先生に迷惑かけないつもりが、しっかりかけてしまっている.....。
だからと言って、そこで会いに行くのを自粛できるほど、その頃の私は大人じゃなかった。
ガキだった。
先生に会いたい。話したい。もっと私を知ってほしい。
自分の欲望だけが先走っていた。
どこにいても、何をしてても先生のことばかり考えてしまう。
今はどの教室にいるから次の移動であの廊下を通ろう、とか。
なんかストーカーみたいι
先生には、結構ファンがいた。
ファンと言うより、本気で好きっぽい子が何人か先生と話しているのを何度か見かけた。
ジェラシーだ。
もちろん、他の誰よりも一番仲がいい自信はあったけれど、先生を独り占めしたかった。
誰にもとられたくなかった。
本気で好きだったから。
今思えば、おもちゃを欲しがる子どもと同じだ。
まったく、私は子どもだった。