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高校教師  作者:
4/10

第3話.最初の失敗、そして接近

 先生は話の途中、

永坂

「まっ、数学してる子もおるけどなっ」

と言った。間違いなく私のことだ。先生と目が合う。

心の中で、

登『違うよ、違うよ!ちゃんと聞いてるよ!ただ、照れてるだけだよ!』

と叫んでいた。

 最初の授業は、失敗に終わったようだ…。

 授業後、私は先生のことを好きになり始めている自分に気づいた。

心臓は、まだドキドキしている。

頭の中で否定しても、心は正直だ。本当の気持ちは隠せない。

 それから私は、どんどん先生に惹かれていった。

 先生と仲良くなる為にはどうすればいいか考えた。

授業回数は他のクラスより少ない。授業以外で、先生に接近するしかないと私は思った。

 この考えは、正しかったのだろうか?

今思うと、正しかったと言える自信があまりない。

そう、私は、先生に近づきすぎてしまったのだ…。


 後日、先生に自分の存在をしっかりと覚えてもらう為に、私は放課後職員室に行った。

英検のことを質問するという口実を作り、友達と先生の机に向かう。

まずは自己紹介。緊張して、やたらとテンションが高くなる…。

何度も名前を連呼して、早く覚えてもらおうとした。

かなりあやしい言動だった。

 それから、休み時間や放課後を利用して、ことあるごとに永坂先生のところに行くようになった。

最初は緊張してうまく話せなかったけど、話していくうちに共通点が多いことを知り、すぐに仲良くなった。

いろんな話をした。先生は、前任校での話もしてくれた。

前にも書いた、門で先生を囲んだ悪達の中の一人が先生を気に入ったらしく、先生の携帯によくメールや電話をくれたのだという話もした。

 彼の家は色々な事情を抱えた家で、それもあってか、彼は先生に依存していった。

このままではいけないと思った先生は、もう電話もメールもしてはいけないと言った。

裏切られたと感じた彼は、先生にイタ電をかけるようになった。

そんなことがあったので、先生は生徒には携帯を教えないと決めているのだ。

 こんな話もしてくれた。

 ある日の授業中、とある男子生徒が携帯で電話をしてうるさかったので、先生は優しく、

永坂

「それなおそうか?」

と言った。すると彼は立ち上がり、先生を殴ろうとした。ぎりのところで寸止めし、

生徒

「こいつびびっとんでぇ!」

と言った。それから先生は、精神的にかなり追い詰められ、買い物依存症や過呼吸になったのだそうだ。今は治ったらしいが。

もっと先生を知りたくなった。


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