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あのこのいる風景

作者: 秋葉竹




雪の夢が

さらりさらりと降る夜に

空をみあげると

雪が目にはいる


壮大な

宇宙の果てだって

みてみたいのだけれども

雪の夢の光りが地表へ降り注ぐ

凍てつく街に

家に

心に


暗い海みたいな

灰色の雲が天空を覆い

絶望の道がつづく

滅びたような夜の街


寒い夜だというのにニコニコ笑いながら

今日一日中巡り会ったやさしいひとを想い

はなうたでも歌いながら

暗い冷気を胸いっぱいに吸い込んでも

飛び跳ねるように走りながら

ニコニコ笑いながら

みえない北極星を探すみたいな楽しげな目で


いる

あのこ


生きてて味わう

やなことなんて

想い出さないいじらしい努力を

わたしは

知ってるから


命だけ

ポカポカと燃やすやさしい眼差しで

いつだって

世界を愛そうとする正しさと

そのために感じてしまう

すこしの哀しさを直視して忘れる努力を

いつだって誤魔化さず

いつだってしりぞかず


けして笑顔を凍らすことなく

生きている

あのこ



いつか

あのこに語った

知ったかぶりの黄金の心を

あのこは忘れずに

胸に落とし込んだまま

生き


生きて

あんなに素晴らしいこに

なったというのなら


実はわたしが語ったのは

ただの言葉でしかないと


いまさら


いまさら懺悔をする

意味も

気持ちも

ないけれども


あのこを

信じているいまの

わたしのこの心は

まるでたとえば

神さまさえ信じられなかったわたしが

唯一信じることのできる

愛だ


夢だ


だから

いつかは

苦しみを忘れ果ててしまえるかもしれない



そして

孤りきり

夜空をみあげている


雪の夢が

さらりさらりと

降る空はけれど

さきほどとは違い


いつか

明るく明ける朝になるまえの


夜なのだと

信じることができるようには

なった


いつか

というのが


いつのことなのかは

ほんと云うとわたしなんかには

わからないのだけれども


いつか

明けるということだけは


あのこ

おかげで


信じることはできるのだ


あんなテキトーに語った

黄金の心を

一途なバカみたいに

信じてくれた

あのこ

おかげだ

ほんとうに


ほんとうにほんとうに





ありがとう









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