⑫ 勝負の行方
魔術陣が消失したため、水は霧状になって空気中に充満した。それは魔術を突破されたと同義だ。
魔術陣を消した?違う、斬った。
ルナは冷静になり、状況を判断するために頭を回転させる。
魔術とは超人的な力である。今回、アストが放ったのは水でできた矢のような一点を射抜くためのもの。
それを真っ二つにしただけでも驚くべきことであるが、札や紙を使った誰でもできる簡易的なものではなく、魔力、つまり概念で完成された物を破壊したということだ。術者や陣を反映させやすくする杖を攻撃せずに。
そんなことができるのか?そもそも、魔力をかき消すことをやってのけたウィリデにアレクと当人以外が恐怖を抱く。
ルナは恐怖心を隠しながらも、きちんと武器を構え、ウィリデの行動を予測する。
戦いに飢えた獣のようだ。
ウィリデの2色の瞳は同じ色をのせて、ルナとその後方にいるアストを見ている。
戦意喪失とまではいかないが、ルナは防戦をはるように武器を構えなおさせるには十分なほどの殺気。
この空白の時間が次第にルナとアストの呼吸を浅くさせる。
ウィリデが動き出そうとしたその時、ビィィーと大きな音がこの空間に響いた。
「時間だ、片付けに入れ」
アレクの無愛想な声が拡張されて試合を終わらせた。ルナたちにとっては鶴の一声に違いなかった。
「ええ〜」
ウィリデはつまらなそうに口を尖らせていたが、ルナとアストはやっとまともな呼吸ができた。
その後、いそいそときちんと片付けをして、全員教室へと戻った。
Q なぜ岩を壊さなければいけなかったのですか?
A.経費削減のため。
アレクとウィリデは経費面においてカティアを泣かせています。岩はアレクが拾ってきました、どこかの川をせき止めていた物です。校舎案内の時からありました。
この後、ウィリデが責任を持って粉砕しました。
アレク→武器破壊(1試合に1回は武器が壊れる)
ウィリデ→備品破壊(測定器や破壊不可能な物ををぶっ壊します)




