⑳ 0組寮管理者・兎月-2
兎月の回答にルナは花が綻ぶ笑顔、アストは目を見開き驚愕した。
「いいのか?」
「ワタクシはよく外へ出るので奇抜なものまたは愛らしいものを見る目には慣れております」
おそらく、ルナを自分に群がる子どもと同じことをしていると言う認識なのだろう。
アストは確かに、ルナの好奇心は似ているなと納得した。
兎月がルナの手元に来て、その毛に触れる。
機械であるため、ひんやりとした触感だが、ほんのりと温かい感触がある。
何より、本物のうさぎのようにたまにヒクヒクと鼻をひくつかせるのが可愛い。
兎月って誰が作ったのかしら。
できれば、自分専属のものを作って欲しい。
これほど、精密で自我の発達をした魔導人形だ。名の知れた技師なのだろう。
兎月を堪能しながらルナはぼんやりと思った。
「では、皆様。前のものへついていってください」
兎月より小さいウサギは、人の歩くスピードよりも少し早い。
ルナたちはそれについていきながら、寮の間取りを把握する。
ルナたちは兎月の案内のもと、寮内を一周し、再び玄関へ戻ってきた。
「それでは、今から寮の諸注意をお教えします」
兎月はルナの元から降りて、管理人の台座へと腰を下ろす。
「はじめに、この寮の門限は22時ですが、外出届をあらかじめワタクシまたは教員に提出されていればいつでもいいです。
二つ目に異性のエリアへの立ち入りは原則禁止です。しかし、訳あっての場合であれば許可をします。
以上の事を特に重要に守っていただければいいです。そのほかの細かいものは各自のお部屋に配布させていただきました。
また、同時に明日の予定も配布させていただきましたのでお目通しください。以上で説明を終了いたします。各自のお部屋でお寛ぎください」
兎月は頭を下げて、じっと動かなくなる。
ルナたちはそれぞれの部屋を探しに、そしてこれから過ごす部屋へと帰っていった。




