⑭ 魔獣の森でサバイバル-5
札を使った魔術は一番初歩だが、確実である。
すでに描かれている模様を魔力でなぞるだけなのだから。
「えっ?!」
シュナは驚きの声を上げて、ゆっくりとルナを見た。
「先生たち、この先500メートルのところにいるのだけど」
まさか、これほどまで近かったとはルナでさえも思いもよらなかった。せいぜい2キロメートルよくて探索範囲ギリギリであればいい方だと思っていた。
「なら、行きましょう。こんな薄暗いところ早く出たいもの」
ルナとシュナはアレクたちの方へと駆け出した。
シュナに一つの違和感を残して。
その後ろを小さな魔獣が追っている。
いち早く気づいたのはルナだ。
このリスどこかで見たことあるような。
まずい、『ビッガートスク』だわ。
Cランクの体格からは想像できないかもしれない、一見無害に見えるが、好奇心が強く、よく作物被害を出しているため、ギルドで駆除対象とされている。
現在のこの状況でこの魔獣を引きつけるのは自殺行為だ。
「シュナ、この先なのよね?」
「えぇ、方角は合っているはずよ」
「なら、先に行って。私はこれを引き付けておくから。心配しなくてもいいわ。慣れてるから」
シュナは後方を見てルナが言っていることを理解した。
シュナは完全遠距離型だ、それに道具もない追いつかれてしまったら、一貫の終わり。
対してルナは近距離、中距離に慣れている。
体力の有無からすればルナに任せるのが適任だ。
一瞬目配せをして二手に別れた。
はじめ魔獣はシュナについて行こうとしたが、やめてルナを追い始めた。
この魔獣には特性がある、それを逆手に利用したのだ。
小話(アスト、ツバサと合流)
茂みを迷いなく歩くアスト
「「あっ」」
ツバサとばったり出会う。
アスト「一緒に行く?」
ツバサ「そうする」
即答するツバサ。
アスト「君、面白いな」
ツバサ「え?何か言った?」
アスト「なんでもない」




