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~紅花の涙~

ガチャ


「ただいま。」


(ここで言っても返事が返ってこないことは知っているんだけどな、、、癖か。とりあえず、領域には戻ろう。顔を出すだけでも。)


スッ


ザワワ


(領域内といえど、やはり自然の風は心地良いな。落ち着く。)


「ただいま。」


「うわっ!ビックリした。おかえりー!今回早かったじゃん!」


「お帰りなさいませ、ミル様。」


「うん。久しぶり、二人とも。」


「おかえり記念にはいこれ、お花の冠、、、ピッタリじゃーん」


「お似合いです。」


「ふっ、、、ありがとう。」


グ~


「、、、あっ」


「ふふっ、せっかくミル様も帰られましたし、ご食事の準備をいたしましょうか。」


「さーんせーい!」


「悪いね。頼んだよ。」


「いえいえ。それでは少々お待ちください。」


サッサッサッ


「、、、本当に久しぶりだね!何か月ぶりだと思う?帰ってきたの」


「そんなに経っていないように感じるが、、、。」


「でたよ、結晶人時間感覚。鈍くさくて嫌なんだよなー」


「肯定はできないが否定もできないな。私も時々嫌になる。」


「ミルっちに拾われてこの領域に来てからもうちょっとで一年経つんだよ?その実感ある?あと帰ってきたのは二が月ぶりね」


「もうそんなに経っていたのか、、、。」


「本当に実感なかったんだ。それでー?帰ってきたってことは何か進展はあった?それとも何もなさ過ぎた?」


「残念ながら後者だね。まともな目星もついていない。」


「ほへー、大変だねー。まあ、背負うものが背負うものだからねー」


「君みたいに純粋な人間が居てくれれば良いのだが。」


「そんな大それた人間じゃないんだけどねー。まっ、私の魅力は今ここに居ることによって証明されちゃってるんだよね。あと(きみ)呼び禁止!お と は!私は家事 音葉ですー!」


「、、、すまないね。慣れないんだ。」


「まあいいけどさ、、、もっと早く帰ってきてあげなよ。ツキ寂しそうだよ?ゴールがあるのはいいことだけど、過程も結果もこんな感じじゃあ、、、ねぇ?」


「寂しい、、、そうか、、、君はどうなんだい?」


「私はまあ、寂しくないって言ったら噓になるかな。それでもこの世からいなくなるよりは幾分まし。三途の川も居心地良いしねー」


「、、、」


「なにより、旧友の生活が知れるのが大きいかな、朱莉とか」


「、、、もし、彼女と会えるなら?」


「、、、え?、、、、、幸せかな?今まで生きながらえてよかったって」


「なるほど。なら心配いらないね。君もツキも。」


「ん?私ならまだしもツキも?」


「あぁ。君には言ってなかったね。彼女の秘密。」


「え?え!?なんかあんの!?ちょー気になるんだけど!」


「、、、話しておこうか。彼女の生まれについて。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「いいんです。いままで、、、全てが、、、無駄だったんです。殺してください、、、、、殺してください!!


”ミル様”!!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「お食事の準備ができましたよ!」


花が生い茂る中ぽつんと立つ”研究所(ラボ)”からツキが二人に投げかける。


「うーん!すぐ行くー!!」


ツキにはっきりと見えるように大きく手を振る音葉。

ツキが頭を下げ研究所に入っていくのを確認してはすぐにミルの方へと振り向いた。


「それならなおさらさ!

 

、、、早く会わせてあげなよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キーンコーンカーンコーン


「「ばいばーい」」

「おつかれー」

「部活だるいー」


「海!帰ろうぜ」


田埜が背後から話しかける。今日は部活がないのか制服の下に体操服を隠すことなく、ボールを肩に担ぎながらリュックを背負っていた。


「あー、ごめん。先帰ってて」


「なに~、珍しいじゃん。居残り?それとも~?」


「やっぱりか!気になってるか!ずっと見てるもんな!!」


巳毘(みび)うるさい!」


ホームルーム終わりの騒がしい教室でもひときわ目立つ声量。いつものことなのか誰も気を止めようとしない。焦っているのは(かい)一人だけのようだ。


「やっぱり~、気になってるんだ~。素直になりなよ~」


「クソ!青春してるな!!」


「おい二人とも!帰るぞ!邪魔してやるな」


「別に違うって!ずっと見てたのはオーラ?をしっかり見たいからだ、、、結局何も見えなかったけど」


「じゃあなんで残るんだ?わざわざ」


「ふふふふふ~~」


「ふぇいふんふぁ!!いいふぁ!ふぇいふんふぁ!!」


ずりずりと攻寄ってくる田埜、永遠と口角を上げ続ける夏蛾、口を押さえられてもしゃべり続ける巳毘。

そそのかし三人衆はとどまることを知らない。


「いいからさっさと帰れ」


「「「う~い」」」^^


「はぁ、、、めんどくさい」


窓の外を眺める桜雨の背中をじっと見つめる。金管バンド部の練習音が響く教室の中、もう生徒は二人しか残っていなかった。


明確な理由などないが、静かに彼女に近づく海。ただ、そんな歩き方が間違っていなかったことに彼女の顔を見て気付く。




(、、、泣いてる)




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