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人気急上昇の小説

 今日も俺は日々と一緒にバー喫茶に来ていた。

 マスター執事にカクテルを注文し待っているところで日々が小説を読み始めた。そういえば最近会社の中でも休憩時間中によく読んでいるなと思い「最近よく読んでいるよな。なんていう本読んでるんだ?」と軽い気持で聞いた。

「ああ、これですか?これはトレジャーメモリーっていう小説ですよ」と笑顔で答えた。

「それは最近人気急上昇中の尾田〇一郎Jr様のメジャーデビュー作品でございますね」とマスター執事がカクテルを持ってきて話に入ってきた。

「尾〇栄一郎Jr!?最近Jr付けるの流行っているのか!?」と突っ込む。

「先輩も読んでみますか?」

「え、いいの?じゃあ流行ってるなら少し、物は試し程度に・・・なになに」

 俺はこの世の全てに不満のある10歳。

「どんな10歳だ!」

 これでも飛び級生で大学3年生なんだけど1年浪人しているんだ。

「いや、飛び級しているのに浪人ておかしいだろ。つーかややこしい設定だな。10歳だけど飛び級生で大学3年生だけど1年浪人か。てか、義務教育期間中の飛び級があるってことは舞台は日本じゃないのか?」

 今日から夏休みで実家の東京で過ごす事になったんだ。

「あ、やっぱり舞台は日本なんだ」

 ちなみに、お父さんは九州生まれ沖縄育ち、お母さんは大阪生まれ北海道育ち、今日から内地で遊ぶのさ~。

「ややこしいよ!つーか、ややこしい通り越してもはやウゼーよ!!それと、東京が実家なんじゃないのか!?親の生まれも育ちも全然違うところに今現在の祖父祖母の家がある事になるけどそれは果たして実家と言えるのか!!?」

 まずは、家の周りを歩いてなにか発見がないか探検することに。すると6歳ぐらいのガキが風船を木に引っかけて泣いているのが視界に入る。が、ここはあえて心を鬼にしてその場を通り過ぎる。

「なんでだよ。助けてやれよ!つーかガキって口悪いな!お前だって世間一般から見たら十分ガキだよ!」

 2日目、今日は宿題の自由研究をすることにした。何にしたかというとそこはやっぱり俺自身によるファッション写真集だ!!

 モデルというずっと憧れていた仕事で嫌がるスカウトマンの反対を押し切って俺の実力で俺をデビューさせてやった!!

「自意識過剰も甚だしいよ!!つーか迷惑!!スカウトマンさんが嫌がって反対しているのを押し切って無理やりデビューって質の悪すぎる勘違い野心家だよ!!」

 やっぱりファッション写真集は飽きたからご飯にかけて食べても美味しいカレーのレシピをここに記しておこう。

「飽きるの速ーな!お前の憧れってそんなもんだったのかよ!その程度の憧れでスカウトマンさんが迷惑をかけられて無理やりお前をデビューさせられたのかと思うと本当に気の毒!!あと、ファッション写真集からカレーのレシピって何の繋がりがあった?!写真集に飽きてカレーのレシピに置き換わる展開が謎過ぎるんだが?!しかもよく読むとここに記しておこう。って書いているだけでこのレシピが自由研究のテーマになったのかどうかはまた別なんだよな?!何の繋がりも脈絡も無い内容がすぐにポンポン出てくるの止めろ!!更に言わせてもらえばカレーはご飯にかけて食べる物だよ!ナンの可能性もゼロじゃないけどナンにだけ美味しく相性が良くてご飯には相性が悪くて美味しくないなんて事は無いから!!」

 その後、おじいちゃんが交通事故に遭って死んでしまった。

「急に重たくなったな」

 おじいちゃんは昨日42℃の高熱の出る風邪を引いていたけど、俺がどうしても一般人参加型のマラソン大会での優勝賞品のレロレロキャンディが舐めたくて欲しかったから、参加して♡おじいちゃん♡と頼み込んで100㎞マラソンに参加してもらってそのまま過労の末に2tトラックに撥ねられて亡くなった。

「お前のせいじゃねえかよ!!42℃の高熱が出ている老人を優勝賞品のレロレロキャンディが欲しいって理由だけで一般人参加型とは言え100㎞マラソンに参加させるとか何考えているんだよ!!ある意味おじいちゃんもタフって言えばタフだけど!!つーかそのお菓子を作っている人には失礼かもしれないけどレロレロキャンディって頭の悪そうなお菓子をそんなに舐めたかったのか!?お前1年留年しているとはいえ一応10歳で大学3年生の優秀な頭脳の持ち主なんだろ!?」

 だが、そんな事で悲しんでなんかいられない。いや、まてよ・・・葬式を夏休みが終ってから挙げればプラスで学校を休める。夏休みの延長ってか☆

「腹黒じゃねーかっ!!少しは悲しめよ!!なんだこの小説!!読めば読むほど不快になるじゃねーか!!もう読むの止めるわっ!!!」

 カクテルを飲み気を落ち着かせて「こんな小説のどこが良くて人気が出たんだ?!」とマスター執事に聞いた。

「はい、それは尾田栄一〇Jrという名前から、なんと素晴らしい名前だ!まさに尾田〇一郎先生の生まれ変わりだ!と人気が出ました」

「またそのパターンかよ!よく名前だけでそんな人気が出るな!つーかそもそも尾田栄〇郎先生まだ死んでねーよ!!」

「そして、このトレジャーメモリーは既に映画化が決定されていて〇田栄一郎Jr様による握手会&サイン入りチケット手渡し会が行われます」

「普通、原作小説にサインするだろ。チケットにサインって需要あるのか?!つーかチケット使ったらサインしている所が無くなっちゃうだろ!!」

「はい、ですのでファンは普通のチケットをもう1枚買ってそちらのチケットで観に行きます」

「売り方がせこすぎるだろ!!」

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