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バー喫茶とマスター執事

「ふー、疲れたなー。もうこんな時間か」

 俺の名前は一条 守。大手の会社に勤めるサラリーマンだ。

仕事が終わり家へ帰宅する時間帯。会社を出て夜風が気持ち良い外の空気を吸いながら家路につこうとする。

 「先輩、今日一緒に飲みに行きませんか?」

 今、俺に話しかけてきたのは後輩の日々 勤。はっきりいってあまり頭は良くないが、裏表の無い性格で人として結構好きなタイプだ。

 「ああ、いいよ。どこに行く?」

 今日は外で飲んで帰るか、と家に帰る前に飲みに行こうと予定を組み直す。 

「僕 最近良い店見つけたんですよ」とにこやかに言う。会社を出て日々が案内する。

 しばらく歩くと一軒の『バー喫茶』という店に着いた。ネーミングセンス無いなと思いながら

 「へーこんなところにバーなんてあったんだ」そう言いドアを開けて俺の目に飛び込んできたのはバーのマスターと執事の中間の恰好をした人がカウンター奥に立っているとこだった。

 日々に「あー、なんて呼べば良いんだ。マスター?それとも執事?」と聞くとその男は

「マスター執事とおよ呼び下さい!」と会話に割り込んできた。

「やだよ!なんでどっかのRPGにでてきそうなキャラクターの名前のような呼び方で呼ばなきゃなんないんだよ!」と突っこむ。

 「まあまあ、先輩、椅子に座ってください」

 なにごともなかったように言われとりあえずイスに座る。メニューを見るとマスター執事の日替わりディナーというのが目に入った。 

 「じゃあ、このマスター執事の日替わりディナーで」

 「かしこまりました」

 5分後

 「お待たせしました。華麗なる辛ーカレーでございます」

 いきなりダジャレ通しの料理がでてきたぞ、本当に大丈夫なのか?と俺は不安になった。 しかし、隣にいる日々はまったく気にするそぶりも無く、カクテルを飲んでいる。

 まあいい、しかたないからとりあえず食べるか。何の期待も無くカレーを口に持っていく。「!!」その瞬間、俺の口の中に電撃がはしった。それは、もはや辛さを超え、激痛が口の中を襲った。

 「辛っ、本当に辛っでもぜんぜん美味しくない!」急いで水を流し込み、「あの、マスター執事さん」

「さんはいりません」

「あ、そう?じゃあマスター執事、これ作りかた間違って作っちゃわなかったですか?」「いえ、間違ってません」「でもこれ…」「ちゃんとハバネロ500個をこの1杯に凝縮し調理しました」

 「っんなもんっ、食えるかーーっ!つーかよく俺、激痛ですんだな。下手したら死ぬぞ!」 

 「さようでございますか?」

 「だめですよ先輩、でてきた料理が自分の好みにあわないからって怒鳴っちゃ」「好みの問題じゃねーよ!バカなのか?おまえはバカなのか!?まったく、ひどいもん食わされたよ!」しばらくしてどうにか怒りを静め水を飲む。

 日々は「マスター執事ってすごい経歴の持ち主なんですよ」

「そうなのか?」

 「はい、5歳の誕生日にアメリカの総理大臣と日本の大統領と一緒に食事をし」

 「アメリカに総理大臣いねーし、日本に大統領もいねーよ」

 「7歳の時に山より大きくアリより小さい珍獣を発見し」

 「物理的に不可能だろ」

 「10歳でティラノサウルスを狩猟銃で仕留めたという」

 「ティラノサウルスはもうとっくに絶滅してるよ!!なんだよ、1個もまともな経歴がでてこないじゃねーかよ!」

「なんか先輩、今日怒ってばっかですね。あ、じゃあ詩を聴いて落ち着きましょうよ。マスター執事は吟遊詩人をやってたこともあるんですよ」

「本当か?じゃあお願いします」

「かしこまりました。それでは1曲目、淹れようか、お茶をチャッパチャッパ(茶葉茶葉)淹れようか。2曲目、ありありと、有りのままにアリがいる。3曲目」

「もういい!それのどこが詩だ。ただのレベルの低いダジャレ川柳じゃねーか!!もう俺、帰る!」席を立ち俺は店から出た。

少しして、日々が追っかけてきた。

「あの、先輩、マスター執事が胃に効く漢方薬をって」

「一応、心配してくれてたんだな。ありがとう」俺はそれをもらい、「早く家に帰って寝よう。あー胃が痛い」そう言い家に帰ることにした。

そして、なぜかこの日から俺はこの店の常連客になるのであった。

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つまらない 会話シーンが不自然すぎる ヒキニートの妄想のようなキモい会話
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