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080 第2章エピローグ

 3年生になった。クラス替えもあったんだけど、幸いなことに僕たち六人はまた同じクラスになれたよ。これって珍しいことかも…。

 女子が

・高月レイコ

・土浦アヤカ

・嵯峨野マイ

・そしてこの僕、津慈ツバサ


 男子が

・相田アイ

・佐藤タケル

の六人だね。


 そうそう、去年の修学旅行で出会ったシズクお姉さん(日高シズクさん)とは連絡を取り合う仲になったよ。

 結局、刺された傷痕(きずあと)もきれいに消えて、後遺症もなく元気に生活できているみたい。さすがはマイさんの治癒魔法だ。

 犯人のストーカー野郎が死亡したので、シズクお姉さんに対する危険は無くなったんだけど、問題は召喚の魔女だよね。

 どうも事件は有耶無耶(うやむや)になったみたいで、ちょっと消化不良だ。誰が狙いだったのかも分からず、襲撃の可能性が消えたのかどうかも不明なんだよね。レイコちゃんは『おそらくもう大丈夫よ』って言ってたけど…。


 うちの高校は進学校じゃないから、3年生になっても大学の受験勉強でピリピリって感じにはならないけど、特待生だけは別だ。できるだけ偏差値上位の大学の入試合格が求められている。

 ちなみに、レイコちゃんは九州北部にある国立大学を目指しているらしい。北海道でも良いみたいだけど、要するに東京からできるだけ離れたいって言っていた。理由は分からないけど。

 アヤカちゃんは京都のほうの国立大学を狙っているって言っていたね。なんでも師事したい教授がいるらしい。レイコちゃんに『一緒に同じ大学に行こう』って事あるごとに誘っているよ。

 マイさんは東京の私立大学でそこそこのレベルのところを、アイちゃんはアヤカちゃんと同じ大学を、タケル君は関東圏の私立大学狙いだそうだ。

 んで、僕だけど、一応国立の上位を狙えるだけの学力はあると思う。てか、前世ではまさにそういう大学に通っていたからね。

 でも今世では大学に通う気は無いんだよね。手に職を付けるために専門学校に行こうかなって思っている。なぜって、前世では女子大生のときにストーカーに刺し殺されたから…。

 なんだか嫌なんだよ。いくら前世と今世では状況が違うって分かっていてもね。

 あ、でも入学試験は受けるよ。特待生の義務なので…。たとえ合格したとしても、入学は辞退するつもりだけどね(僕が辞退しても次点の人が補欠合格するだけだから、別に誰にも迷惑はかからないはず)。


 まぁとにかく来年は皆がばらばらになってしまうわけだ(アヤカちゃんとアイちゃんの二人は分からないけど…)。

 進路が違えば次第に疎遠になるのが当然なので、今年までが(正確に言えば来年の3月までが)皆で学校生活を楽しめる最後ってことだね。受験勉強だけじゃなく、夏休みや体育祭、あと文化祭なんかも皆で楽しみたいと思っているよ。

「皆、このクラスでもよろしくね」

「うん、六人全員が同じクラスになれたのは、ほんと幸運だよね」

 レイコちゃんの発言に僕が返答すると、アイちゃんがいつも通りのツッコミを入れてきた。いや、ツッコミではなくボケか。

「これってやっぱラノベ的な強制力が働いたんだろうな。俺たちが別々のクラスになると話を作りにくくなるしな」

「おい、メタ発言してんじゃねぇよ。お前は自分がラノベの主人公だとでも思ってんのか?」

 ここは小説の世界じゃないってーの。まったくアイちゃんは…。

 ここで苦労人のタケル君がうまくこの場をまとめてくれた。てかタケル君は去年の修学旅行から、ずっとリーダー的な役割を(にな)っているのだ。

「まぁまぁ、誰しも主観的な世界では自分自身が主人公なんだよ。ツバサもそうだろ?」

「ん?…まぁそうかもね。てか、なんか哲学的だね。いや、哲学ってよく知らないけど」

 自分から見た世界においては自分自身が主人公…、確かにそうだね。


「さすがはタケルだ。良いことを言う。なにしろ俺たちのグループには美少女しかいねぇからな。ラノベっぽく感じるのも当然だろ」

「ああん?アイちゃんさぁ、浮気は許さねぇぞ。アヤカちゃんを泣かせんなって言っといたよな?」

「浮気なんかしねぇよ。てか、俺はアヤカをあ、あ、あ…」

「あ?なんだよ。はっきり言えや」

 アイちゃん以外の全員(アヤカちゃんも含めて)が注目する中、絞り出した言葉がこうだった。

「あ、あ、アニーリング?」

「何で疑問形なんだよ!てか、量子アニーリング(量子コンピュータを実現する手法の一つ)かよ!いや、焼き(なま)し(加熱してからゆっくり冷却すること)のことなのか?いずれにせよ、めちゃくちゃ分かりにくいんだよ。ツッコミし(づら)いよ!てか、加熱するのは良いけど冷却したらダメだろがっ!ちゃんと『愛してる』って言えや!」

 何で僕がこんな分かりにくいボケにツッコミを入れなきゃならんのだ?まったく…。

 というか、アイちゃんとアヤカちゃんの二人、同じように顔が真っ赤になってるのはなんなの?くっ、リア充め。


 六人全員が同じクラスになれたのは当然レイコさんの意向です。


 なお、これで第2章は終わり…。

 ツバサちゃんをはじめとするBEATの四人+加藤ハヤト+レイコさんが九条家と対決する(予定の)第3章へ突入する前に閑話をいくつか入れるつもりです。

 例えば、ツバサちゃんがゲートを手に入れることになった話、加藤ハヤトがレイコさんから偽装工作のための資金を提供される話、ダイエットに成功して超絶美人に生まれ変わった九条アスミの話、レイコさんが地方の大学に通っている間に九条家を掌握することになった九条レイカの話などなど。


 あと、できれば評価をして頂けると嬉しいです(たとえ星一つであっても…)。今後の活動のモチベーションに繋がります。

 てか、あまりにも作品が不人気すぎる場合、また別のシリーズを始めたくなっちゃうという…(笑)


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