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062 修学旅行二日目①

 二日目は朝食のあと、すぐにスキーウェアに着替えてコースに出る準備を整えた。板などの用具の準備もバッチリだ。

 昨日約束した待ち合わせ場所で僕たち六人が待っていると、シズクお姉さんが小走りでやってきた。そんなに急がなくてもまだ約束の時間前だよ。

 インストラクタが同伴してくれるのは今日の午前中までで、今日の午後と明日の午前中は完全な自由時間になる。

「皆さん、おはようございます」

「「「「「「おはようございます」」」」」」

「それではリフトのほうへ移動しましょうか?」

「「「「「「はいっ」」」」」」

 今日はいよいよコースに出るのだ。楽しみで仕方がない。


 リフトの乗り方は超簡単だった。てか、椅子が来るところに立ってれば自然と座る形になるよね。降りるときは少し緊張したけど、一緒に乗ってくれたマイさんがうまくリードしてくれたので助かったよ。一回うまくいけばコツも(つか)めるしね。

 あ、レイコちゃんはタケル君と、アヤカちゃんはアイちゃんと一緒に乗ったので、やはりうまくリードしてもらったみたいだ。

「さて、ここは初心者用のコースですが、他の人にぶつからないように気を付けて、ゆっくりと降りていきましょう」

 このコース、人が多い上に、そこかしこで転んでいる人がいるため、『ぶつからないように』というのがなかなか難易度高いです。コース自体はなだらかなんだけど…。

「こりゃ、中級者用のコースに行ったほうが滑りやすいかもしれないな」

 タケル君がぼそっと(つぶや)いていたよ。


 まずシズクお姉さんが先導して滑って、先のほうで待つ形になり、そのあと僕、アヤカちゃん、レイコちゃんの順番で滑っていった。そのあとマイさん、アイちゃん、タケル君があっという間に追いついてきて涼しい顔をしている。三人にとっては難易度が低過ぎるみたい…。

 これを何回も繰り返して、ようやく(ふもと)に到達したときにはスキーウェアの中が汗だくになっていた。

「面白かったぁ。なんか達成感あるよね」

 僕の言葉にレイコちゃんとアヤカちゃんも笑顔で(うなず)いていた。


「すぐにまたリフトに乗っても良いのですが、少しでも疲れたなぁと思ったら必ず一旦休憩するようにしましょうね。いくら初心者用のコースでも、疲れた状態で滑るのは危険ですよ」

 シズクお姉さんの忠告に従い、皆で相談した結果、あと一回だけ初心者用コースを滑ってから早めの昼食にしようということになった。ちなみに、朝と夕は生徒全員が揃っての食事になるけど、昼はグループごとに勝手に食事することになっているのだ。

 リフトも2回目ともなると多少は緊張したものの問題なく乗り降りできたし、コースも順調に滑り降りることができたよ。もはや初心者用コースはマスターできたと言っても過言ではない(かもしれない)。


 昼食は僕たち六人とシズクお姉さんも一緒だ。ホテルの一階にあるレストランなんだけど、スキー場側からスキーブーツのまま入れるようになっているから便利なのだ。

「レイコにはそろそろパラレルターンを教えても良いかもしれないな。というか、本当にスキーは初めてなのか?」

「ええ、初めてよ。でも、スキーがこんなに面白いものだとは思わなかったわ」

 アイちゃんの質問にレイコちゃんが答えていた。

「アヤカとツバサもうまくなったよね。初めてでこれだけ滑れれば上出来だよ」

 タケル君がアヤカちゃんと僕の上達を褒めてくれたよ。かなりお世辞も含まれているとは思うけど、褒められれば嬉しいものだね。

 あと、運動が苦手そうなアヤカちゃんでもそれなりに滑れてるのは、インストラクタであるシズクお姉さんのおかげに違いない。てか、アヤカちゃんと僕のレベルがあまり変わらないのに、レイコちゃんだけ飛び抜けてうまくなってるのは何なの?才能?素質?まぁ、レイコちゃんだから仕方ないか。むー、なんかズルい。


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