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013 接触

 月曜日、早めに出社した僕は美女先輩を捕まえて昨日の話(携帯ショップ店員のお姉さんが失踪した件)をしてみた。

「失踪かぁ、それはユカリさんの透視ですぐに解決しそう…。とりあえず、この件は私から全員に情報共有しておくわ。緊急性が高くなければ、今週末の土曜日にでも皆で集まれば良いと思うんだけど、自発的な失踪じゃなくて誘拐とかだったらすぐに動くべきよね?うーん、どうしましょう…」

 美女先輩が右手の人差し指を頬にあてて小首を(かし)げている。仕草が可愛い。

「とりあえず、今夜四人で集まれるかどうか、ユカリさんとマユミさんに聞いてみて欲しいな。僕はその携帯ショップの店員さんにコンタクトを取ってみるよ」

「そうね。私は今日は19時には会社を出られると思うけど、つつちゃんは18時には上がれるよね?一足先に店員さんと接触しておいてもらおうかしら」

「了解です。携帯ショップの営業時間が19時までだそうだから、それまでにお客として店に行って話をしてみるよ。あとは19時半か20時くらいにファミレスで五人で晩御飯を食べながら話を聞く形で良いかな?」


 この日の昼休みの時間に美女先輩からユカリさんとマユミさんの都合を聞いてもらったら、二人とも夜の集合はOKということだった。これで『BEAT(ビート)』全員集合だね。チームとしての初めての活動だから張り切っちゃうよ。

 僕は17時30分の終業時間がきたら片づけを始めて、18時前には会社を出た。(くだん)の携帯ショップはうちの会社の最寄駅から二駅ほど離れた駅のすぐ近くだったよ。

「いらっしゃいませ。新規のご契約でしょうか?機種変更をお望みでしょうか?その他のお問い合わせでしょうか?」

「えっと、機種変更です」

 メグミお姉さんが機種変更のときに対応してくれた店員さんだから、僕も機種変更を申し出た。実際、このスマホは4年くらい使っていて、そろそろ新機種に変えたかったってのもある。てか、メグミお姉さんと僕の携帯電話会社が同じところで良かったよ。


 しばらく待たされたあと、窓口に案内されたら20代前半の女性店員が座っていた。胸元のネームプレートには『安西』と記されていたので、この人に間違いない。

「お客様、機種変更とのことですが、変更先のスマートフォンの機種はすでにお決まりでしょうか?」

「いえ、まだです。今使ってるのがこれなんですが、お(すす)めはどれになりますか?」

「それではこちらへどうぞ」

 スマホのモックがずらっと展示されているスペースへ案内されたので、周りに人がいないことを確認してから店員さんに言った。

「実は僕、鈴木メグミさんから話を聞いて来たんです。今日の19時半か20時くらいに、あなたのお姉さんの話をファミレスで聞かせてもらえませんか?きっと力になれると思います。いきなりで信用できないとお思いでしょうが、もしかしたら一刻を争う事態かもしれません。どうかメグミお姉さんに免じて、僕を信用して欲しいんです」

 店員さんはしばらく(うつむ)いて悩んでいたみたいだけど、自分のスマホを取り出してどこかに電話をし始めた。

 会話の内容から、おそらく相手はメグミお姉さんだな。

 電話を切ったあと、店員さんは真剣な目つきで僕に言った。

「今、メグミさんと話しました。あなたが誘拐犯からメグミさんを助け出した人だったんですね。あ、もちろん秘密は守ります。どうか私の姉を見つけてください」

「うん、任せてよ。あ、でも自発的に失踪した可能性もあるよね。その場合はお姉さんの意思を尊重すべきかもしれない。とりあえず、ファミレスでは僕の他に三人が同席するけど良いですか?」

「はい、よろしくお願いします」

「あ、じゃあ、ついでにスマホの機種変更もするから、色々教えてくださいね」

「あ、はい。最新機種はこれとこれなんですが、私のお勧めは…」

 で、結局、閉店時間ぎりぎりまで手続きに時間がかかったため、待ち合わせ場所のファミレスへは僕と連れ立って向かうことになった。ちょっと高いけど最新の機種にしたよ。アドレス帳なんかは全部移行したから問題は無いけど、よく使っていたアプリの新規インストールには時間がかかりそうだな。でも新機種ってワクワクするよね。


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