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124 四年ぶりの再会②

「そう…。そうなのね。従姉妹(いとこ)として仲良くしたいのに、その相手から命を狙われるのは本当に悲しいことだわ。しかも無関係なツバサちゃんたちまで巻き込んでしまうなんて…」

「無関係なんて言わないでよ。僕も加藤さんも三条さんもBEAT(ビート)の皆も全員がレイコちゃんの味方だよ。そして、もはや関係者と言っても過言ではないからね」

「ありがとう。でも私には護衛の部隊がついているから、そんなに心配することはないと思うわよ」

 うーん、でも高校生のときから護衛されていたんだよね?それにしては危ない場面がかなりあったと思うんだけど…。

 まぁ僕たちのような素人の力はプロに比べたら微力だろうけど、それでも無いよりはマシだよね。一度は加藤さんにも勝ってるんだし…。


「とにかく、暗殺の実行は5月の連休だよ。そろそろ三条さんから登山のお誘いがあると思うんだけど、どうする?レイコちゃんが嫌なら断っても良いんだよ」

「いえ、お誘いを受けるわ。暗殺の具体的な方法については分からないのよね?その点が少し不安ではあるけれど、いつかは対決しなければならないのであれば早いほうが良いわ」

 さすがはレイコちゃんだ。並の胆力じゃないよ。

 なお、僕たちの護衛計画としては以下の通りだ。


・マユミさんから認識阻害をかけてもらってから、僕だけが2地点間座標接続装置(ゲート)を使って現場となる山の登山道入口まで移動する。

・レイコちゃんと三条さんの後ろを付かず離れず尾行する。

・敵が出現したら僕の重力魔法で制圧する。

 …って感じだね。雑な護衛計画だけど、相手側の出方が分からない以上、大雑把な計画になってしまうのは仕方ない。


 もちろん、レイコちゃんを護衛する本来の部隊(五番隊)と加藤さんの部隊(三番隊)の両方で厳重に警護してるはずだから、僕の出番は無いかもしれないけどね。

 まぁ、言うなれば『保険』ですよ。てか加藤さん、ちゃんと働けよな。

 あ、それからレイコちゃんが魅了魔法(チャーム)を使えることについては、レイコちゃん本人に『誰にも言わないよう』に念を押した。僕以外には秘密ってことだね。だって危険な魔法なので、変な目で見られるかもしれないから…。


 あと、暗殺予定日までの準備として、僕自身は魔法の練習を頑張ることにしたよ。

 この世界の魔女って、誰から魔法を習うのかというと誰からも習ったりしない。魔導書みたいなものも無いし、そもそも詠唱すら行わない。あと、魔法陣みたいなものも無い。

 魔法が使えるようになった瞬間、勝手にその使い方が分かるのだ。僕もそうだったし、BEAT(ビート)の皆に聞いてみてもそうだった。

 前世での超能力者のイメージが一番近いかな。

 じゃあ何のために練習するのかというと、習熟度を上げると細かい操作ができるようになるらしい。特に範囲魔法では…(って、魔法の解説書みたいなやつに書かれてた)。


 で、練習してるのが重力範囲(グラビティエリア)で、これは半径2メートルの円内の重力加速度を増大させる魔法だ。

 割と頻繁に使ってる魔法なんだけど、その影響は円内全てに及ぶ。ただし、僕自身には影響しない。

 要は高重力で発動した場合、敵も味方も関係なく一律に重力加速度が増大するってわけ。でも無意識のうちに自分自身を除外しているってことは、意識的に除外対象を指定できるんじゃないかって考えてるんだよね。

 もしも味方には影響が無く、敵だけを高重力下におけるのなら、要人警護の任務においてめっちゃ使い勝手が良くなるのだ。


 あと、魔法の反復練習で習熟度を上げていけば、半径2メートルという魔法の適用範囲をもっと広くできるかもしれない。

 どちらも『できる』とは断言できないけど、やってみる価値はあるよね。


 重力範囲(グラビティエリア)の練習は一人ではできないので、協力者が必要です。

 まぁ、加藤さんかタケル君しかいないでしょうね。女性に練習台になってもらうわけにはいかないので…。


 なお、次の話からいよいよ第3章のクライマックスに入ります。

 七宝(しちほう)コウジン氏の能力とは?

 レイコさんと三条さんを守り切り、七宝氏を捕縛し、黒幕のレイカさんを糾弾できるのか?

 七宝氏の本当の目的とは何か?


 などなど…。

 書き溜めてから一気に公開しますので、少し時間がかかるかもしれません。


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