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011 結成

「それでね、今回皆に集まってもらったのは『お友達になりましょう』というのと、何か事件や困りごとがあったら『このチームで解決しましょう』ってことなの。どうかな?」

 美女先輩が本題に入った。なるほど、そういうことか…。

 まずユカリさんが返答した。

「依頼者が本当のことを言っているかはサヤカさんが判断して、()せ物探しや失踪者の捜索は私の透視で、実際の戦闘が発生する際はツバサちゃんの出番で、マユミさんの認識阻害はツバサちゃんの補助ってことか」

「結構良いチームじゃない?四人で探偵事務所とか開けそうだよね」

 マユミさんも乗り気だ。


「あ、喫茶店やファミレスで依頼者と会うとき、僕の『重力範囲(グラビティエリア)』が無いと美女先輩が心を読めないのか…。どこにでも魔法阻害装置(ジャマー)があるもんね」

「そうなのよ。まぁ、あまり他人の心を(のぞ)きたくはないけどね。つつちゃんみたいに純真な心の持ち主はあまりいないし…」

 いや、純真とか照れるじゃん。てか、いつ心を読んだの?会社のお花見で、川べりに行ったときかな?

「あ、心配しないで。読めるのはごく浅い部分だけで、深い所とか本当に隠したい部分は読めないから。実際、つつちゃんが魔女ってことに気付かなかったし…」

 うーん、でも美女先輩も戦闘要員になれるんじゃないかな?対人戦闘では相手の心が読めるのって最強だからね。あ、ダメか…魔法阻害装置(ジャマー)が至る所にあるんだった。


 マユミさんが肯定的な意見を述べた。

「まぁ、ネットで軽く宣伝するくらいで、本来の仕事に支障をきたさないくらいなら良いんじゃない?ちょっと面白そうだよ」

「あれ?そう言えばユカリさんが銀行員というのは知ってるけど、マユミさんは何のお仕事をなさっているんですか?」

 僕の問い掛けにマユミさんは答えた。

「つつちゃん、敬語はいらないよ。歳もそんなに離れてないだろうし…。私の仕事は普通のOLだよ。一般事務職ってやつ。つつちゃんは?」

「僕も普通の会社員だよ。尾錠先輩も同じとこ」

「つつちゃんって歳はいくつ?どう見ても未成年者なんだけど…」

 ここでユカリさんも会話に入ってきた。

「そうそう。下手したら中学生だよね。でも美少女なのは間違いないわ」

 いや、中学生ってあなた…。でも美少女って言ってくれたから許す。

「僕は21歳だよ。今年の誕生日に22歳になるけどね」

「「えええ?」」

 美女先輩以外の二人が揃って声を上げた。そんなに驚かなくても良いじゃん。


 マユミさんが右手を軽く上げて言った。

「私22歳。学年的にはつつちゃんの一つ上かな?」

 ユカリさんも驚いたように言った。

「私も同じ。マユミさんと同学年になるわね。サヤカさんは?」

 美女先輩は微笑みを浮かべているだけで何も言わない。やばい、お怒りです。

 僕は場を取り(つくろ)うように言った。

「尾錠先輩の歳はともかく、チームの名前を決めようよ」

「あ、良いわね。四人だからファン○スティックフォー(一部伏字)なんかどう?」

「パクリはダメよ。ワンダーフォーとかバスターフォーはどう?」

 ユカリさんとマユミさんもちょっと(あせ)り気味で発言している。


「そうねぇ。全員の名字の頭文字がB(尾錠)・E(江藤)・A(有村)・T(津慈)だから、組み合わせて『BEAT(ビート)』というのはどうかしら?」

「あ、良いわね。英語でbeatは『たたく』とか『撃退する』とか『敵を負かす』って意味だし、良いんじゃない?私は賛成よ」

 美女先輩の提案にユカリさんが即座に賛成意見を表明した。

「私も良いと思うわ。あ、もちろんチームリーダーはサヤカさんよね?」

「僕も賛成。美女先輩の命令なら喜んで聞いちゃうよ」

 マユミさんと僕の言葉になぜか美女先輩の圧力が増したような気がしたんだけど、別に最年長だからリーダーに推薦したわけじゃないからね。目が怖いです。


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