ばっちゃ
スッキリした朝を迎え露店に行くと謎のやつを見っけた
「知恵のわっか!なんとこれ外せたら10000ビオね!参加費は100ビオ」
ほぅ…
いかにもって怪しいヤツ、4つの輪が重なってるがそれぞれ1箇所欠けている。本来ならその4つの欠けた場所を上手く合わせると外れる仕組み
「だが、外れないようになってると。」
ふと声が漏れていたな
『私の見立てだと彼は自分のスキルであの道具に小細工しております』
「誰だよ」
危ねぇ、小声で話さないと
『私はですね、5代目です。』
「そうか、で?お前ならあれをどうにかできると」
『生憎私は知恵だけです』
「まぁつまりイカサマ野郎に一発かませる知恵はあると」
『そうですね。では作戦を教えましょう』
目を閉じ集中…
「あの、おっさん?俺もそれやっていいか」
「いいよー100ビオね」
「それって外せるの?」
「いいね、見てるよ?ほら外れる」
男は簡単に外したならば
「壊したりはいけないね?」
「安心しな壊したりしないさ」
さてと…やはり外れない。
相手の技は収縮短縮みたいな感覚だろうな
「デリート」
よし、こうしてこうと
「外れたぜ」
ギャラリー湧くなうるさい
「なんなのね!これ絶対私以外取れないね!」
「お前イカサマだろ」
「そうだ!お前インチキ野郎!」
「石投げたれ!」
「ひぃー、出来心だったね許して」
「いい加減にしろおまえら!イカサマでも気付かない方が悪い。今回は気付いたからこいつが悪いがな。1人でも声を上げたらみんな便乗ってか?くだらないな」
よし、これでほとんど帰ってくな
「で、賞金は?」
「こ、これやるね」
「ありが───」
取ろうとしたお金が、いや。金袋の紐が引っ張られた
「うそね!ありがとね私殺されかけたけど助かったよ」
「やっぱそうなるか」
5代目の案は俺の能力で輪を外す
そして逃げやすい環境を作ったタイミングで賞金を貰う
そうすればこの手のヤツは逃げる
あとは俺が潰す
「リィーイントゥ契約されし血の剣。クラレント…」
「な?!何処から出したね!」
5代目の剣はちょっと変わっている。
血を犠牲に力を増幅させるという物だ
なぜ?それは5代目は知恵はあるが戦える力がないから
技術はあるのにパワーがないからだ。
何かを犠牲に何かを得る武器
それを俺は借りた
「血はお前のでいいや。」
シュッ!!肉を斬るが血は出ない
血を吸い取りながら斬ったからだ
「ひきょ…ね」
「安心しろ瀕死だが死にはしない役所に持ってく。それと金は約束通り貰ってく」
血は抜いたがそのせいで気を失い体重を支える筋肉が腑抜けてるからめちゃくちゃ重い。
『しっかし自分の血を使わずにこの剣を使う手があったとはな』
「お前バカだろ…血を使うってだけだろ」
『いや、なんだろなかっこいいじゃん血塗れで戦うの』
結局歴代村長はバカしか居ないのを知った
まぁまだ数人しか見てないが
「あの〜♪この人イカサマしててぇ問いただしたら襲ってきて斬っちゃいました」
鮮やかに笑う俺、いや。3代目
俺が持ってくとただの殺人鬼みたいな扱いを受けそうだからな
「それはこの男が悪いですよ!」
「あ、この人賞金首ですよ!」
「ほんとだ!役長を呼べ!」
え…大事になったぞ
「えっとーどーゆこと?」
ほら、3代目すらフリーズしてるよ
「ささ奥へ」
「あ、はい」
受付の奥にある扉をくぐるとそこは応接室みたいなところだった
「やぁ君が噂の二面性エルフ君?かね」
50歳前後と言ったところかいかにもって感じのおっさん
「二面性??私はァ~変装ですよぉー」
「はっは!見てわかるよ。しっかし不思議だねぇ、元の男の子体に別の人の魂が入って肉体の形を書き換えるとは」
「?!貴方何者かしらァ」
「紹介が遅れたのぅ。ここの役所のトップ役長だよ、名前はロスト」
所長でよくね
「出身はアズ村といえばわかるかね?」
?!…アズ村は俺の村だ
アズナルという事だ。
「3代目はぁ~15代目に譲りまーす」
「ほぅ」
「俺が今のアズ村の村長アズナルだ」
「神の名前ってか、まぁ俺は信仰とかしてなかったから気にしないけど。ばっちゃにバレたら殺されるぜ」
「あんたばっちゃを知ってるってことはほんとに」
「あぁ、まぁここで働き始めてからは戻ってないが」
「そうか」
「あ!定期連絡くらいはしてるよ」
「俺の脱走と捕獲の指示を受けてるのか?」
「まぁね、ただここには君の名前はない。君はエルフとしてこの王都に来たらかな」
「つまり、見逃してくれるのか」
「そうだよ!それにあのギルドをボコしたってのもあるし」
「助かった。またなにかあったら引き受けるよ」
「ありがとよー!ちなみに俺は王族関連以外は基本この街に誰が居るとか言えるから!逃げる手伝いもするぜ」
「助か──」
後ろに下がらなければ死んでいた
現にそれを証明するかのように地面に頭から足まで突き刺せる槍が後ろの引っ掛ける部分を残し全て埋まっている
「ロスト…お主が怪しいと思って来よったらやっぱかいな」
30歳の様な見た目に妖艶な雰囲気。しかししゃべり方は古臭い人がいつの間にか応接室に居た
「ティリアお嬢様本日はどのような」
「ほへぇーあんたお世辞いいよんか」
「いや、前見た時より若くなってますから」
ティリア…ばっちゃだ
「ばっちゃ!ロストさんは悪くない」
「なんさね、ティア」
「村に戻る。これでいいだろ」
「いーや今回はロストと数十年ぶりに飲もうかのぅって思ってきただけじゃい」
「この槍は…」
「なん下にゴキブリがおったもんで」
「そ、そう。俺も戻しに来たわけじゃ」
「はぁ…村で話し合ったんじゃ若いもんに無理やり責務を押し付ける風習を無くすかのぅって」
「ティリアお嬢様、まさかその片腕」
「グダグダうるさいけ、わしが腕取って置いたらビビりあがってみんな賛成派になって終わったわ」
「ばっちゃ…すまない」
「いいんだよ、本当はな14代目の時から話されてたんじゃが。」
「ところでティリアばぁちゃんからティリアお嬢様に変わったわけを聞きたい」
「いやー若返りの薬をどっかで買ったの忘れとってのぅ。片腕外した時に義手の中にあったじゃ」
は?
「ばっちゃもしかして」
「ふふん!わしゃ昔の戦で体の部位を色々なくしておる!だからいっつも言っとたが!無くしてわかる苦労もあるって」
「お、おう」
「じゃぁわしゃロストと飲みん行ってく」
「いってらー」
「賞金首の件は後日ディンさんところに書類と共に送っとくでな」
では、さらばと
止まってる宿まで知ってるとは
「さて、帰るか」