死の気配2nd-明確な死の風-
主人公が遂に事件に巻き込まれる!
何か声がする。
「――に...ぃ」
良く聞こえない。
「お....ぃ...お...ぃて」
だんだん冴えてくる。
「――おにぃ!起きて!」
やっと聞こえた。
「早くしないと遅れちゃうよ!」
「セナ!今は何時だ?」
妹的なアイツのセナがテレビを付ける。
――ピッ!
「え~と...8月12日の月曜日の6時43分だよぉ!」
セナは表示されている時間と日付と曜日を読み上げた。
「お、おうラオウ!」
そして、俺は気付いた。
何に気付いたのか。
「何か、腹減ったなァ...って、そう言えば朝メシ食ってないんだった」
そう、それは――朝御飯を食べていない事と言うだった。
「ヤンベェ!ベーヤンベー!朝メシィイイイ!食わないないとぉおおおおおお!」
俺は急いでキッチンへ行き冷蔵庫を開けた。
――ガチャッ!
冷蔵庫の中を物色する。
物色した物の中でも一番に目に付いたのは「梅お握り」だった。
「もう、これで良いや...」
急いで俺は梅お握りを冷蔵庫から取り食べた。
「あ、そう言えば学校に行かないと...って、ヤバヒ!急がないとぉおおおお!」
梅お握りを食べて学校の事を忘れていた俺に曜日が鍵となり急なフラッシュバックとして学校に登校する事を思い出させた。
そして、俺は急いで家を出た。
「今日はロクな事がねぇな」
ロクでもない俺が今日はロクな事がないと言うのだから嫌な事でも起きるのだろう。
何故か前を歩いていた俺と同じ神代学園高等部の制服を着た女子生徒が隣に居た友達と思わしき女子生徒に話しかける。
「ねぇねぇ...アンタの姉さんが死んだの知ってる?天城山...サン!」
「も、勿論、私の姉が死んだのは事件だって知ってま――」
天城山サンと呼ばれた女子生徒が「す」と言おうとした直後、黒塗りの高級車が道路から100キロは有るだろうと解るスピードで扉出して来た。
「イヤァアアアアアアアアアアアア!!」
天城山サンと呼ばれていた女子生徒は甲高い悲鳴を上げた。
そして、その先を見ると天城山サンと呼ばれた女子生徒に話しかけていた女子生徒の五体は血溜まりに沈められ四肢は引き裂かれており、その欠片や残った残骸には車のタイヤの跡がくっきりと残っていた。
「だ、だ、誰か警察...警察を呼ばないと...」
そう言って俺は近くの警察署に電話をかけた。
――プルルルルッ!
「はい!こちら神代警察署の蒼波ゲンジです!貴方のご用件を言ってください」
「神代学園の近くの...道路です!轢き逃げです!は、は、早く来て下さい!」
一方、轢き逃げをした黒塗りの高級車の方はと言うと黒塗りの高級車で先程の轢き逃げに関する警察の無線を聞いていた。
「チッ...通報されたか...」
そして、黒塗りの高級車を運転する者は進行方向を自分が轢き逃げを行った道路へ変えた。
「さぁ...殺戮ショーを始めよう!」
それから、23分後に自分が轢き逃げを行った道路へとたどり着いた。
「あ、アレはさっきの黒塗りの高級車だ...」
そう言って俺は固まった。
――ピーッ!ガチャン!
何か車のドアの鍵が開いた音がする。
そして、男が黒塗りの高級車から降りて来た。
「さぁ、テメェラをミンチにする殺戮ショーの始まりだァ!」
男は着ていた服の胸からドスと呼ばれる刀の様な粗悪な刃物を出した。
「う、うわわわっ!こっ...殺されるっ!」
俺は叫んだ。
しかし、俺は叫ぶだけで固まっていた体は動かなかった。
遂に事件に巻き込まれる事となった主人公ですが彼の能力は応用が利く能力にします。