第五話
空母あかぎから爆装したF-18EJやSu-33Jや指揮機のE-2Eが国産の蒸気カタパルトから発艦し、強襲揚陸艦からは海兵隊の車両や歩兵部隊を搭載した輸送ヘリや攻撃ヘリが発艦し、損傷した皇国海軍の軍港に全速力で向かった。
連邦海軍はやっと、工作漁船の情報を意識が回復した捕虜から手に入れた。掃討作戦が開始され、近くにいた工作漁船は臨検隊が制圧し、工作漁船に乗っていた乗員の情報で次々に工作漁船は制圧されていった。
◇
新太平洋洋上を洋上迷彩の塗装をされたF-18EJやSu-33Jが優雅に飛行していた。
「こちらファイアーバード隊隊長機、前方に敵軍港を確認。敵の航空戦力も確認した。全機、敵航空機を撃墜せよ」
E-2Eとのデータリンクによって、敵機が発見された。
F-18EJ二機から長距離空対空ミサイルのAAM-4Bが八発が発射され、八機の敵機、ドラゴンと竜騎士を撃墜した。
やがて、編隊は軍港上空に到着し、E-2Eがカメラで艦隊に映像を送っていた。
「全機、JDAM投下」
F-18EJやSu-33Jは計80発のJDAMを軍港に停泊してる艦船に対して投下しJDAMは寸分ずれずに全てが敵艦船に命中し一斉に爆煙が上空に上がり、衝撃波が発生し、轟沈した。
JDAMを投下し、身軽になった戦闘機隊は20mmバルカン砲や30mm機関砲でクレーンや人間を掃射し破壊した。戦闘機隊は母艦に向けて進路を変え、帰還した。
機銃掃射を受け、人間は肉片になり、クレーンはへし折れ、海や隣のクレーンに倒れこんだ。
そこに、丁度海兵隊を乗せた輸送ヘリや攻撃ヘリが到着し、敵兵をドアガンのミニガンやキャリバーや雑多な小火器で凪ぎ払いながら、着陸し、100人以上の海兵隊員や車両が展開し制圧していった。
◇
バルサミコ軍港の基地指令部は空爆を受けずに無傷で残っていたが、既に敵は指令部の目前まで迫っており、兵が防衛陣地を敷いていた。
「降伏か、徹底抗戦かですが、どうしますか?基地指令」
「もちろん、徹底抗戦に決まっておる!兵士が最後の一人になってでも戦え!あんな、野蛮な奴等に降伏出来る訳がないだろう!ワシは逃げる!よし、そこの
お前、今から基地指令だ!逃げる時間を稼げ!」
元基地指令はそう言うと会議室の端にある木製のクローゼットを部下二名と共に退かし、側近を連れて隠し通路を使い軍港から逃亡し、皇都に向かった。
ドーンやダダダと言う音が聞こえ、窓が震えていた。
窓に駆け寄ると窓の外を見るとさっきまで防衛陣地を敷いていた兵士達は居なくなっており、大量の血と死体の山があった。
一時間後、指令部は日本連邦海兵隊に包囲され、白旗を持った基地指令が出てきた。バルサミコ軍港は基地指令の判断で日本連邦軍に無条件降伏し、バルサミコ軍港は連邦軍に占領され、市街地や、竜飛行場が接収され、武装解除された。
だが、降伏に納得できない一部の将兵がレジスタンスとして武器を持ったまま基地から市街地に逃亡した。
捕虜になった皇国軍将兵は元の世界にあったジュネーブ条約が適用され、日本連邦は条約に従い基地内に停泊していた輸送船によって本土に新しく作られた捕虜収容所に連れていかれた。
次の日、皇国海軍バルサミコ軍港は、日本連邦海軍バルサミコ基地になり、基地内の鉄製のポールにはエジブタ皇国の国旗ではなく、日章旗が掲げられた。