第一話
西暦2025年、日本連邦は史実の日本とは違い南北が統一されてから21年が経過していた。民主主義の日本国と共産主義の大和人民共和国に別れにらみ合っていたが、西暦2004年悲願の南北統一が達成され、道路の規格や工業規格等は全て南側に統一され、東側の国内にいた在大ロシア軍は一年かけてロシア本土に海軍部隊や空軍部隊も含めて全部隊30000人が撤退した。
東側の兵器を使用している大和人民共和国軍と西側の兵器を使用している日本国軍がいたが、日本連邦軍に編成、統合された際世界でも珍しい西側と東側の兵器を混合して使用している。
日本国にいた在日米軍は海兵隊部隊はハワイに移転し、第七艦隊は引き続き空母等が横須賀、佐世保に駐留している。
日本の臨時首都の大阪と大和人民共和国の臨時首都の札幌から、50年ぶりに東京が首都になり、京都に避難していた天皇陛下も修繕された江戸城の皇居に戻り、東京タワーとスカイツリーが建てられた。連邦軍のアクロバット部隊ブルーインパルスが東京上空に日本連邦の国旗日章旗を描き、日本連邦各地でお祭りムードになっていた。
だが、西暦2025年10月14日の昼頃いきなり、中国人民解放空軍の爆撃機2機と戦闘機8機が日本連邦の防空識別圏に侵入し小松基地からF15JやSu35JBが離陸し、浜松基地からはE767二機が離陸し、スクランブルした。
これが始まりだった。連邦の領空に入った爆撃機隊は再三の警告射撃を無視し、本土を目指したが、撃墜許可が下り、10機と連邦空軍機2機が撃墜され日本海に沈んでいった。しかも、海中で中国の最新兵器N2爆弾が炸裂し海上に大きなきのこ雲が発生し、近くにいた海上保安省の巡視船や民間のタンカーも巻き込まれ、大量の水蒸気と共に船体と乗員がまるごと蒸発し、遺体も跡形も残らなかった。
連邦政府は中国政府に対して「強い遺憾の意」を表明し、中国政府に対して5兆円の賠償金と謝罪を要求した。
一方、中国政府は軍が勝手に動いたと説明し、謝罪には応じるが、賠償要求には応じないと説明し、関係者は処罰する事と賠償を求めない事を表明した。
だが、日に日に連邦と中国は関係が悪化し、中国本土では、大規模な反日キャンペーンが展開され、日本企業は次々に撤退していった。
連邦政府は中国から大使を帰国させた。中国も連邦から大使を帰国させた。一方、日本連邦も大規模な反中デモが国会の前で発生し、中国の国旗を燃やし、中国企業を襲撃した。
尖閣諸島周辺には、両国の海軍艦艇や海上保安省や中国海警局の船がにらみ合いをしていた。
中国海警艦隊は諦めたのか全部隊が尖閣諸島周辺から撤退した。連邦も一部艦艇を残し帰港した。
次の日、地球表面から日本連邦の全ての領土が消えた。