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逆行ナイト~残念な兵士が神の手借りてやり直すってよ~  作者: 怒らないから言いなさいと言う裏切り者
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第5話 実地訓練①

今回は少し短めです。

実地訓練1日目だ。


よく眠れた。

あの対人訓練を無事乗り越えられたからか、最近やっと余裕が出てきた。

あれは俺のトラウマの一つでもあったから、今まで落ち着けて居なかった。

なんだか胸の突っかえが取れたようにスッキリした気分だ。


「オォォ....。」


ジルもモゾモゾと布団から出てきた。


「おはよう、ジル。」


撫でてやると嬉しそうに唸る。

......これって成体なのか?それともまだ幼体?

いかんせん謎が多い生き物だな。


「起床時間だぞー、起きろー。」


間の抜けた班長の声が聞こえる。

この人声が良いから余計眠くなりそうだな。


俺「ウィーッス」班員1「ムフフ....ハッ!?夢か.....。」班員2「もう少し寝たいな。」


「つべこべ言うなー.....ん?まだ1人寝てるな。」


まだ布団から抜け出せていない馬鹿が居た。


「おーい、朝だぞー。」


「......。」


一向に起きない。

それならこれを使ってやろう。


「ジル、顔に覆いかぶさってやれ。」


「オォ!!」


ジルに命令して顔を覆う。

それから十数秒....。


「......グベァ!!!ゲホッゲホッ!!!ハー....ハー......。」


起き上がった。

顔が真っ赤だ。


「起きろって言ってるだろ馬鹿。」


班長がその隊員の頭をスパーンと叩く。


「すいませんしたー。」


「ほれ、全員準備しろー。朝会があるぞー。」


気だるそうに全員準備しだす。

俺も制服に着替えると、ジルを頭に乗せた。

いつも通り俺の頭にベターっと覆いかぶさる。

さて、準備終了だ。






《朝会》



「今日は全員で弓を使った狩りを行ってもらう!!

動く標的に慣れることが目的だ!!

そして狩った動物が今夜の夕食になる!!

1番成績が良かった者には報酬が出る!!

皆全力で取り掛かる様に!!」


「「「「「了解!!!」」」」」


こうして報酬と夕食が掛かった訓練と言う名の狩り大会が始まった。






《森林》



俺は草影に隠れて身を潜めていた。

矢を掛けて、弓を力一杯引き絞る。

立てた指を照準にして、集中する。


「......今だ!!」


標的が狙った位置に頭をもたげた所で手を離す。

弦の力で矢が弾き出され、風を斬って飛んでいく。

そして.....!!


「っ!?」


標的の鹿はそれを察知して避け、気の中へ逃げていった。


「くっそ!!あともう少しだったのに!!」


悔しい!!惜しいところまで行ったんだがな。

俺は今も昔も弓を使うのが下手だ。

放った矢に指が掠って血が出ることなんてしょっちゅうだ。

これでも昔よりは上手くなったんだぞ?

やり直す前なんて酷いもんだった。


今の所の成績はうさぎと鹿が1体ずつ。

2時間掛けてこれだもんなぁ....。

擦れ違った同期なんか既に3体以上狩っていた。

まぁ、努力した結果がこれなのだから、やはり俺には弓は向いていないと言うことだろう。


「オォ。」


「おっ、そっちか。」


ジルのサポートで次の標的が見つかった。

何故かジルは俺の頭の上で指をさし、その方向を見ると間違いなく標的が見つかるのだ。

凄い役立つ。これは戦場でも役立つことだろう。

......まぁ俺がそういう判断ができるほど余裕があればの話だが。


「次は.....猪か。」


猪は1体だけだ。

群れではないので危なくは無いだろう。

襲ってきても、対処くらいはできる。

なので今一度弓に矢を掛け、集中する。


「.....そこ!!」


ヒュッ!!っと音がして矢が飛ぶ。

それは見事猪の眉間を貫き、一撃で仕留めた。


「よし!!」「オォ!!」


ジルと一緒に喜んだ。






《夕方》



兵士が全員集まって、教官の前に居る。


「それでは、結果発表をする!!

発表するのは上位3名だ!!」


誰だろうと思いながら聞いている。

俺は恐らく無いだろうし。


「3位、『リック・レイジス』!!!」


「ふっ、今回は3位だったが、良しとしよう!!」


リック・レイジスと言うのは、俺が対人戦でぶっ飛ばしたあのナルシストだ。

相変わらずウザイな。


「2位、『マルク・ゼイアス』!!!」


「おぉ、僕か。1位だと思ったんだけどなぁ。」


「ちなみに1位とは1匹差だ!!」


「惜しいなぁ。まぁ良かった良かった。」


マルク・ゼイアス、あまり交流が無い。

だが性格は良いと言う話は聞いていた。

それに容姿端麗、成績優秀。ありふれた『できるイケメン』と言うやつだ。


「そして1位、『ロッド・ベルドット』!!」


「おぉ!?以外だな!!」


「報酬は銀貨5枚だ!!」


「結構豪華だな。ありがとうございます!!」


「うむ、皆もロッドを見習って精進する様に!!」


ロッド・ベルドット、人当たりの良い奴だ。

それに雰囲気も明るい。

そのおかげか交友関係もかなり広い。

女の好きなタイプは、とにかくエロい女が好き。

逆に嫌いなのは態度だけデカくてその他が小さい女。

そして.....。


「見たかジルト!!俺1位だぜ!?」


「以外だな。お前そんなに狩り得意だっけか?」


「いや?たまたま。」


「だよな。」


俺の1番仲の良い友人だ。


「銀貨5枚何に使おうかなぁ!!」


「靴でも買えよ。」


「いや、最近服が足りなくてな.....。


「服ってお前、ここじゃ制服しか着ないだろ?」


「それもそうだ!!」


しかし、今回に限っては一線引いてる。

何故か?

それはな.....。


「またどっか遊び行こうぜ!!」


「お、良いな。今度の休日な?」






こいつが俺を踏み殺した張本人だからだ。

┏(┏o;)┓<読んでくれてありがとオォォ.......。

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