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逆行ナイト~残念な兵士が神の手借りてやり直すってよ~  作者: 怒らないから言いなさいと言う裏切り者
2/7

第2話 最初の1歩は慎重に。

今日も張り切っていきましょう!!!

あれから少し落ち着いた俺は、支度をしていた。

もちろん、訓練所に行く準備だ。まだ少し受け止めきれて居ないが、現実なのだ。


俺はやり直した。


今まで、何回か思ったことがあった。

『もう一回やり直せたらな....。』

恐らく誰もが思った事はあるだろう。


フラれたり、怒られたり、怪我をしたり。

色々あれど誰しも思うことだ。

それを俺は今こうやって体験している。


なんだか、まだ夢を見ている様だ。

実感が沸かないとも言う。


「準備できた?」


母親が顔を出してくる。


「あぁ、どう?」


「なんだか、着慣れてる様に見えるわ。」


そりゃそうだろう。5年も着ていたわけだし。

いや、やり直したんだから今日が初めてなのか。

だが俺からしたら着飽きた制服だ。


イメージカラーは緑。

袖に王国旗の刺繍が縫ってある。

王国旗のデザインは、王冠の前に剣と盾が描かれていると言ったデザインだ。

なんだか自己主張が強いといつも思う。


「まぁ、それだけ着慣れてる様に見えるなら笑われないわよ。」


背中をポンと叩いてくる。


「さぁ行ってきな!!あんたなら生きて帰ってこれるさ、帰ってきた時はご馳走にするからね!!」


.....相変わらず母親はイケメンだ。


俺の母親の名は『メリア・ベスパット』。

美人で男気溢れる性格のせいか、年下にモテる。もう凄くモテる。

どれくらいかと言うと、母親なのに姉だと思われるくらい美人だ。

それと、前に知り合いが惚れて猛アプローチの結果玉砕してたこともあった。


それに比べて俺はなんて残念なのだろうか。

俺の容姿は、自分で言うのもなんだが少し特徴的だ。

まず濁った金髪。光の当たり次第では茶髪にも見えるがよくよく見るとギリギリ金髪なのだ。


次にこれまた濁った目。

目の色は黒目で、まるで泥水の様に光と底が見えない。

子供に泣かれることはしょっちゅうだ。


その他顔のパーツも合わせて顔は中の下くらいだ。

周りから見たら全く似てない姉妹だそうだ。

傍迷惑な話だ。主に母親にとって。

あんな美人と俺を比較してやるな。比べるのもおこがましい。


......自虐は置いておいて、現在訓練所への道を一人歩いている。道は綺麗に整備されている。

商人なんかもたまに通るくらいには安全だ。


ここらで王国の話をしておこう。

『デオリア王国』

それが王国の名だ。

詳しい事は知らないが、魔族との戦争の最中で協力した4国が戦争後に合併して一つの大国になったそうだ。

そして、その戦争が終わってからの年月を、戦歴と呼ぶ。

今は戦歴993年、つまり戦争から993年経っていると言うことだ。


「ここに来るのも久しぶりだな今日が初めて来たんだが.....。だんだんややこしくなってきたぞ。」


そうこう説明している間に訓練所に着いた。

やっぱかなりデカイな。

おっと、もう少しで入団式か。

急がなければ遅れてしまう。




☆☆☆☆☆




ザワザワ....ザワザワ....


周りが騒がしいな。

落ち着きが無いぞ?諸君。まるで入団したての俺の様だ。

.....これは俺だけがダメージを負うから止めよう。

台の上に2人居る内の1人の教官が乗った。俺は予め耳を塞いだ。


「静粛に!!!」


その一言でピタッと周りが静かになる。

塞いでいても響くな。凄い声量だ。


「私がお前達訓練兵士の教官を担うことになった、ティック・レイジスだ。

私は主に剣術、体術に関する知識や技術をお前達に叩き込み、立派な王国の盾にする義務と使命がある!!

私の教えは今までのお前達の生活の様には甘くない!!覚悟をしておけ!!」


『ティック・レイジス』教官。

白髪白ひげの厳格なおじいさんに見えるが、実はメチャクチャ強い。

こう言っているが実は訓練兵士思いの良い教官だったりする。

俺もやり直す前に何度も慰められた。俺をよく見てくれていることに感動したっけ。

そして、もう1人の教官が台に乗る。


「初めまして、リム・ドレムスです。

私は主に魔術や薬学等を主に担当しています。趣味は、自分の育てた生徒の出世を見守ることです。

今よりあなた達は私の生徒です。あなた達が私の生徒ある限り、私はあなた達を全力で育て上げ、教えられる全てを教えましょう。」


『リム・ドレムス』教官。


緑髪緑目のイケメンだ。

.....魔術なんてやってなかったから、この人についてはよく知らない。

なんか申し訳ない気持ちになった。


こんな感じで、入団式は終わった。




☆☆☆☆☆



俺は今、魔法の適正試験を受けている。

魔法使いの才能は無いんじゃなかったのかって?

魔法にも、色々種類があってだな。


属性魔法、回復魔法、召喚魔法。


大まかに分けてこの三種類がある。

やり直す前の俺は属性魔法に適性が無いだけで諦めていた。

だが、剣一筋ではダメな気がして来たのだ。

何か使える魔法があるなら、使えた方が良いに決まっている。

なので今回は召喚魔法の適性を受けている。

どうやら分かったようだ。


「おっ?あなたには召喚魔法に適性がありますね。呼び出せる数は......この分だと1体が限界でしょうね。」


リム教官が俺にそう宣告する。ガックリ来た。

未だ俺の残念は健在か。


「そ、そんな.......。」


「そんなにガッカリしないでください。召喚魔法は使える人が少ないんですから。」


そう言って魔法陣を出す。


「では、召喚してみましょう。詠唱はこうです。」


そう言うと杖を握って、少し集中しだす。


「集え、我の名のもとに、その血と魂を我に委ねよ。

告げる、我が野望の為に、その誇りと名誉を捧げよ!!」


そう詠唱すると、魔法陣が輝き出す。

強い光るが溢れた後には大きな影があった。

そこには、おおきなウサギが居た。


「こうやって召喚するんです。さぁ、やってみてください。」


「い、いきなりですか!!??」


「もちろんです。詠唱するだけですから、やってみましょう!!」


意気揚々とやれと言ってくる教官。

この人結構行動的なんだな。


「.....わかりました。」


俺も渋々了解して、教官が出した魔法陣を使う。

えっと、詠唱は確か.....。


「集え、我が『野望』の元に、その『誇り』と魂を捧げよ。

告げる、我が『名』の元に、その『血』と名誉を捧げよ!!」


「ちょ、ちょっと待ってください!!」


教官が何か言っていたが詠唱に夢中で聞こえなかった。

大きな『闇』の奔流に呑まれ、立っているのも辛くなる。

闇が次第に晴れてきた。らしくもなくドキドキしていた。

目の前に居たのは......。


「オォ.....オォォオ.......。」


四足歩行の悲しき生き物だった。

悲しき生き物は某ジブリ映画のタタリ神を想像してください。

絵文字にするとこれです。

┌(┌o;)┐<オォォォ......。

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