ご褒美は、君の存在
相変わらず、イチャイチャしてるかと思いきや…?
会話文ばかりですが、楽しんで頂けますように。
「ねぇ、春樹」
「ん、どしたの真樹?」
「あの、さ…。今度のご褒美、私から提示してもいい?」
「え!?真樹から!?どうしたの?何か悪いもの食べた?真樹がそんなこと言うなんて…明日は嵐が来るのかな?」
「ひどい!そんな言い方しなくてもいいじゃない!わかった、もう春樹にご褒美あげないから」
「ごめん!真樹から言ってもらえるとは思ってなかったから、つい調子に乗っちゃった。…真樹、本当にごめんって!こっち向いてよ…」
「…やだ」
「真樹?……じゃあ、背中から抱きしめさせて」
ぎゅっ
「…いつも俺からおねだりしてたからさ、真樹、嫌がってるんじゃないかって本当は少し不安だったんだ。だから…真樹からご褒美くれるって言われて嬉しくて…調子に乗っちゃった。俺が悪かったよ。ホント、ごめん。俺を…捨てないで。嫌いにならないで」
「…春樹?」
「…真樹がいないと、俺…………」
「え?何?聞こえないよ」
「…真樹がいないと、ダメなんだよ。何も出来なくなる。だからお願い、俺の側にいて」
ぎゅっ
「はぁ…。あのさ、誰も別れるなんて言ってないでしょう?ご褒美あげないってだけ。暫くは、ご褒美なしで我慢しなさい。…わかった?」
「…え…」
「人の話はちゃんと聞きなさいよ、バカ春樹。別れないって言ってるの。…それとも、何?春樹は私と別れたいの?」
「っ、そんなことないっ!別れたくない!別れるなんて、やだ…っ嫌だよ!」
「じゃあ、暫くはご褒美なしで頑張りなさい。応援くらいは、してあげるから」
「…許して、くれるの…?」
「え?許してないよ?」
「え゛」
「え?」
「…だって、真樹…別れないって…」
「私、別れないとは言ったけど、許してあげるとは一言も言ってないよ?許してほしかったら、ご褒美なしでも我慢して頑張ることね」
「わかった。俺、頑張る。だから…頑張るところ、側でずっと見てて」
「ふふ、頑張る姿を期待してるからね」
「(…ちょっと厳しすぎたかなぁ?でも、最近ご褒美が恥ずかしいものになってきてたし…これぐらい、いいよね)」
「(…お前が側にいてくれることが、俺にとって最大のご褒美なんだって伝えたら…会わないって言われるのかな?俺から逃げていくのかな…?)」
『…真樹がいないと、俺…何をするかわからないよ?』
お読み下さり、ありがとうございました。