ターン46「肉とネコ娘」
いつものコープ村。いつもの道。
ぼくは、てくてくと、道の真ん中を歩いていた。
「あら。カイン。ごきげんよう」
フローラに出会った。
会釈で挨拶してくるフローラの、その額に、「肉」と書いてあった。
「やあ。カインじゃないかい。マイケルなら、いないよー。あのバカ。まーた、乳しぼりサボってるのさー。みつけたら、とっちめておいておくれよー」」
マイケルのおうちの前でおばさんと出会う。マイケルはいないっぽい。
おばさんのその額にも、「肉」とあった。
「やあやあ。聞いたかい? 聞いたかい?」
つぎに出会ったのは、うわさおばさん。
うわさおばさんの額にも、「肉」とある。
このあいだ、ぼくはみんなの額に「肉」って書いてまわった。
リリーの「ぜったいに消えないマジカルインキ」で書いたから、それは消えなくて、けっこう長いこと残っていた。
でも「ぜったいにきえない」はずなのに、十数日くらいで消えちゃった。
それおかしいよね。
リリーにそれを言ってみたら、「あれは消えたんじゃなくて皮膚ごと剥がれたんだよー。新陳代謝。――わかる?」とか、言いわけをしていた。
ぼくたち、みんなが、額に「肉」と書いて、村を歩き回っていたら、なんか、みんなのあいだで流行ってしまった。
いまではみんなが、額に「肉」って書いてある。
なんか変だなぁ、とか思うんだけど。
流行ってしまったんだから、しょうがない。流行りが落ち着くまでは、しょうがない。
ぼくたちも、流行遅れにならないように、いっぺん消えた額に、もういちど「肉」って書いている。
こんどは「ぜったいに消えないマジカルインキ」ではなくて、消すのが楽なペンで書いてる。寝る前に顔を洗えば、それで落ちる。これもリリーの発明品。
「ニンゲン! 勝負だニャ! こんどこそ! おまえをギニャーと言わせてやるニャ!」
草むらのなかから声がした。――と、思うと、いつか見たネコ型の獣人少女が、ぼくのまえに飛び出してきた。
「おまえの額に! この印をきざんでやるニャ!」
ネコ娘は、なんか、言ってる。
額になにか書いてある。
「これは魔界につたわる! ゆいしょただしい! くつじょくの印なんだニャ! おまえの額にも書いてやるニャーッ!!」
自分の額の「肉」って印を示して、ネコ娘は言う。
「え? なんでミーの額に、この印があるのかって? ――それはニャ! ミーがまた失敗して! 魔王さまにおしおきされたからニャ!」
そうなんだ。失敗したんだ。またなんだ。
「魔王さま直々に書いてもらったのニャ! ミーは幸せものだニャ!!」
しあわせなんだ。よかったねー。
「だからおまえにも書いてやるニャ!!」
ごめん。言ってることがわからないよ。
まあ、とりあえず――。仕返しをしにきたことだけは、わかった。
やっつけますか?
今回の選択肢の投票場所は、こちらです。
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本日夜の更新は、ちょっと微妙です。明日の朝9~10時には更新あると思います。




