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薪割りスローライフをはじめますか?[はい/いいえ]  作者: 新木伸


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84/111

 →[はい]

 →[はい]

 ・

 ・

 ・

 ぼくはアネットを追いかけることにした。


 ごめんねー。フローラ。

 手を合わせて、拝む。


「それでいいのよ。カイン」


 フローラは柔らかく微笑んでくれた。

 ん? アネットがいたことを気づいてなかったんじゃなかったっけ?

 ま。いっか。


 ぼくは、ぴゅーって走って、アネットの行っちゃったほうに向かった。


 きょろきょろ。いない。

 もっと走る。


 また。きょろきょろ。

 いた。


 とぼとぼと肩を落として歩く、緑色のシルエット。

 アネットだ。


「しらなかったー……、しらなかったー……、しらなかったー……、ちぇっ」


 石を蹴っ飛ばしながら、アネットは歩く。


「カインのやつー、フローラが、好きだったなんてー……、ちぇっ」


 また石が蹴られる。蹴られた石は、木になっていた果実にヒット。果実は地面に落ちてくる。

 アネットは何気にすごい。落ちこんでいるときでもすごい。百発百中。


「リリーだったら、いいと思ったんだけどなー……、ちぇっ」


 アネットはそんなことを言っている。

 リリーはアネットのトモダチ。ふつうのトモダチじゃなくて、特に仲のいいトモダチ。〝だいしんゆう〟とかいうやつだ。


 ぼくはアネットの肩に、ぽん、と手を置いた。

 こんなに近くに来るまで気配に気づかないなんて、ほんと、アネットらしくない。


「わっ! わわっ! ――か、カインっ!?」


 アネットはびっくりしている。


「な! な! な! ――なにっ! ――っていうか! ど、ど、ど、どこから聞いてたのっ!?」


 うん? 「ちぇっ」が三回くらい?


「三回? 三回だけっ? ……じゃあ、あれは聞いてない?」


 あれってなんだか知らないけど。


 →[はい]


「あー……、よかったー……」


 アネットは、ほっとしている。

 あれってなんだろう?

 ま。いっか。


「……で、なに? フローラのとこにいなくていいの? え? フローラはただのともだち? 勘違いしてる?」


 →[はい]


 どんな勘違いなんだか、よくわからなかったんだけど。アネットが勘違いしていることだけは、ぜったいだ。


「うっそだー。だって、さっき、抱き合ってたじゃん。ただのトモダチだったら、そんなことしないよ……」


 アネットは寂しげに笑う。


 ぼくはこの寂しそうな笑いを、止めたいと思った。

 どうやったら止まるんだろう?


 あっ。そうか。

 こうだ。


「えっ? ちょ、ちょ――カインっ? ちょっ!?」


 ぼくは、アネットを抱きしめた。

 ぎゅーっ、って、やった。


 ほら。アネットにもできるよ。トモダチだけど。


「わかった! わかったから! はなしてー! それアウト! アウトだからっ!」


 なにがアウトなのかわからなかったが――ぼくは、離した。


 アネットの顔がすごく近いところにある。

 その顔は真っ赤だった。


「だ、だ、だめだよ、トモダチにそんなことしちゃ……。で、でも……、まあ、わ、わかったけど。フローラだけ特別なんじゃないって……、え? さっきのは? 肩にイモムシついてただけ? え? 抱きあってたわけじゃない? え? そうなの?」


 →[はい]


「なーんだ……、そっかぁ」


 アネットはわかってくれたようだった。

 誤解はとけたっぽい。

 よかった。よかった。


 じゃあねー。ばいばい。

 ぼくはアネットに手を振って、帰ることにした。


「え? あっちょっ――!? もう、カインは仕方のないやつだなぁ」


 背中のうしろのほうで、アネットがそう言って笑っていた。

本日はこのあともう一本投稿予定です。

つぎはロッカあたりのいいところ見せる予定です。

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