ターン40「マイケルとつるむ」
いつもの午後。
ぼくは村のまんなかの道を、マイケルと一緒に歩いていた。
「なーなー。今日はなにやるー? なに集めるー?」
マイケルが言う。
ぼくは、このあいだ見つけた、新しい「たからもの」をポケットから出して、マイケルに見せた。
「ん? なになに? それなに? なになに? いいもの?」
ちいさなメダルは、おひさまの光を浴びて、きらきらと輝いている。
マイケルはメダルを手にして、ためつすがめつ。上にしたり下にしたり、目を近づけたり、裏返してみたり、表を見たり裏を見たり、横を見たり。
「みたことねーなー? でもきれいだなー」
ぼくが手を出して待っていると、マイケルはその手にメダルを戻した。
「それ、なんにつかうの? ……え? なにかと交換できる気がする? ばっかでー。そんなもん。交換してくれるやつ、世界のどこにも、いるわけないよー! ……え? どこかの物好きな王様が、交換してくれる気がする? あはははは。ないない。ないってー」
マイケルは笑った。
笑われちゃった。
でも、ぜったい、そんな気がするんだよなー。たくさん集めたら、なにか、すごいものと交換できるカンジ?
「じゃあ、俺が交換してやってもいいぞー。なにと交換する? このあいだ拾った、キラキラする石と交換してやるぞー。キラキラとキラキラで、等価交換だぜー?」
それはちょっといらないかなぁ。
「ちぇっ。おまえがぜったい交換できるっていうから、そんなおまえがウソつきにならないために、おれはだな――って、おい、ちょっと聞いてる? 聞いてくれてる?」
ぼくはマイケルのほうに顔を向けていたけど、マイケルのことは見ていなかった。
道ばたのおうちの窓から見える、タンス――それを見ていた。
あそこにも、メダル、入っているのかな?
ひょいと、窓枠を乗りこえて、ぼくはおうちの中に入った。
「え? おいおいおい?」
タンスを開ける。
そしたら……。
あったー!
あのちいさなメダルが、このタンスの引き出しにもあった。
これで2枚になった! やったー!
「おい、おいおい、おいおいおい」
マイケルのところに戻った。
なんかびっくりしたような顔で、マイケルは、ぼくのことを見ている。
「だめだろ? 人んち勝手に入ったら。あとだめだろ。人んちのもの。勝手に持ってきちゃったら」
ほらメダルあったよ。
「いいからそれ、返してこいよ。そーゆーの、ドロボーっていうんだぞー?」
えー?
なんで、だめなの?
「え……? いや……、なんでっていわれても……、なんでなんだろ?」
ほら。マイケルだって。よくわかっていないじゃないか。
「ふ、フローラに聞いてくれよ。そ、そういうことは……。とにかく。だめなものは、だめなんだ」
ぼくら。川でザリガニ獲るじゃないか。
岩どけて、捕まえるじゃない?
タンス開けて、メダル見つけるのと、それは、どうちがうの?
「え? えうっ? ど、どうって言われても……、ど、どうなんだろうな? ふ、フローラぁ……、助けてよフローラぁ……」
フローラ。いま。いないよ。
「と、とにかく。だめなものは。だめなんだー! お、おれはおまえのためを思って言っているんだーっ!」
マイケルは、ぶってきた。
ぼくを、ぽかんとぶってきた。
「い、いいから! ききわけろー! お、おまえが〝はい〟って言うまで! ぶ、ぶつのをやめないからなー!」
マイケルはタンスからメダルを見つけるのを、だめだという。
聞きわけますか?[はい/いいえ]
ユリアさんは、家捜しルートだったんで、こっちになっちゃいましたー。
全ドラクエ主人公は、いま、断罪されるのか?(笑)
今回の選択肢の投票場所は、こちらです。
https://twitter.com/araki_shin/status/728774423566639105
本日、夜9時~10時頃にも、更新の予定です。




