ターン27「うわさ好きなうわさおばさん」
「聞いたよ。聞いたよ」
いつもの昼すぎ。いつものコープ村の大通り。
ぼくがとことこと道を歩いていると、うわさおばさんが話しかけてきた。
このおばさん。いつもうわさ話ばかりしている。
ついたあだなが、「うわさおばさん」。
うわさでは、三度のごはんより、うわさ話が好きだっていうんだけど……。その「うわさ」が本当なのか、聞いてみようかな?
「え? なんだい? あたしが、うわさ話と、ご飯と、どっちが好きかって? そんなの決まってるじゃないかー」
決まってるんだ。
「そんなことより、あんた? 聞いたかい聞いたかい?」
うわさおばさんは、さっそく、うわさ話をはじめるモード。
うわさ話と、ごはんと、どっちが好きだったのか、まだ、教えてもらってなかったんだけど……。
聞いたかい? ――と、聞かれて、「聞いたよ!」って答えてしまうと、嘘をついたことになってしまうので、ぼくは自動的に、首を横に振った。
→いいえ
「あんた。アネットちゃんから、いちばんいいお肉、もらったんだってー?」
うん。そう。
たしか、そう言ってた。
「おいしかったかーい?」
うん。美味しかった。
「愛情。た~っぷり、こもっていたかーい?」
愛情はよくわかんないけど。
「なんだつまんないリアクションだね? 顔を赤くするとか必死に否定するとか、視線をキョドらせるとか、なにか、ないのかい?」
最初のはロッカが得意で、2番目のはキサラで、3番目のは、それマイケルだよね。
「話は変わるけどさ。――あんた。聞いたかい聞いたかい?」
だから聞いてないってばー。
→いいえ
「なんだい。あんた。なんにも知らないんだね。そんなんじゃ、おばさんみたいな、立派な物知りには、なれないよ」
うーん……。
おばさんみたいな、うわさ話の物知りには、ならなくても、いいかなー……?
→いいえ
「それはどっちの〝いいえ〟の意味だい? おばさんみたく立派になりたい、って意味ならいいけど、逆のほうの意味だったら……、おばさんにも考えがあるよ?」
ぼく、どうなるんだろう?
「あんたが3歳まで〝おねしょ〟していたことを、皆に言ってしまうよ?」
ぼく、この村にやってきたの、5歳の時だけど。
「あれ? そうだったかい? もっとずっとずっと、昔、昔、ちっちゃい頃からいたような気がするんだけどねえ。……おばさんの気のせいだったかねえ?」
「じゃあ。……あれだよ! あんた。よくマイケルとつるんで、ザリガニつかまえにいってるだろう? つかまえてきたザリガニを、どうしているのか……。皆にバラされたくはないわね?」
うん? ザリガニ?
食べてるよ? おいしいよ?
油であげると、カリっ、パリってするよ?
「ふっふっふ。あんたがザリガニを食べていることを、皆が知ったら……」
みんなのところにも、持っていってるけど?
「おばさんのところには、持ってきてくれないじゃないか」
おばさんのおうち、村の反対側なんだもん。
着くまでに、ザリガニ、なくなっちゃうんだ。
「ひどい。おばさんだけ、のけものかい。……あんたが、おばさんを、のけものにしているってこと。みんなに言いふらして回るよ?」
それは困るなぁ。
おばさんのこと嫌っているわけじゃないよ? ほんとだよ?
ただちょっとめんどくさいなって思ったりすることはあるけど。でもほんのちょっとだけだよ?
「ザリガニって、おいしいのかねぇ……。おばさん、食べたことないのよねぇ……」
おばさん。めんどうくさいよ。
キサラだって、もっと、ちゃんと言うよ。
「え? なんだって? おばさんのために、ザリガニ、獲ってきてくれるのかい?」
おばさんのために、ザリガニを獲ってきてあげますか?[はい/いいえ]
今回の選択肢の投票場所は、こちらです。
https://twitter.com/araki_shin/status/726017730541817856
明日は昼過ぎに更新の予定です。1日2回投稿になるかもっ?




