表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薪割りスローライフをはじめますか?[はい/いいえ]  作者: 新木伸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/111

ターン14「人間っていいな」

 リリーの家をあとにして、自分の家にもどるところだった。


 やった。人間に戻ることができた。

 リリーに「改造」してもらったことで、ぼくは人間に戻ることができた。

 なるほど。こんな戻りかたもあったんだ。


 キサラに魔法をかけられたのだから、キサラに解いてもらわなければならないと思いこんでいた。でもべつに魔法を解かなくたって、よかったのだ。


 人間になる薬? 改造手術? なんか気絶していたから、よくわかんなかったけど。

 とにかく、リリーのおかげで、カエルから人間になった。クラスチェンジした。


 正確にいうと、戻ったのとは違うのかもしれないけど。

 まあ。結果同じだし。いいんじゃないかな。


 村の中を、ぼくは家へと向かって歩いていた。

 今日は一日カエルになって大冒険していたから、薪割りの仕事を、ぜんぜんやっていない。薪をたくさん割って、みんなのところに持っていかないと。


 なんか、ひとつ忘れているような気がするんだけど――。なんだっけ?


 家の前までくると、キサラの姿が見えた。


 家の中に入ったり、表に出てきたり。入口の脇に置いてある壺のなかを覗きこんだり、茂みをかきわけていたり――。

 猫撫で声なんか出して、なにかに語りかけていたりする。


 なにかを探しているのかな? 猫?


 四つん這いになってるキサラの後ろに、ぼくは立った。

 彼女が気づいてくれるまで、ぼーっと、そのお尻を眺めていた。


「出ておいでー……、出ておいでー……」


 ほら。また言った。


「戻してあげるから……、出てきてよう……」


 ん? なにを戻すのかな?


「もうっ……、どこいっちゃったのよう……、まさか猫にでも捕まっちゃったとか……」


 探しているのは、猫じゃなかったぽい。

 なんの心配をしているのかな?


「やだ……、やだよう……、こんなことでいなくなっちゃうなんて……、あいつとお別れなんて……」


 キサラはべそをかきはじめた。

 あの強気なキサラが泣くところなんて、はじめて見た。

 ぼくはびっくりしていた。


「やだ……、やだよう……、帰ってきてよう……、もうカエルになんてしないからぁ……」


 ん? カエル?


「帰ってきてよう……、カイン……、どこにいるのよう……」


 はい。ここにいます。


 四つん這いになってべそをかいてるキサラのお尻を――ぼくは、つんつんとやった。


「ひゃっ! ……うえっ? ……えっ? か、カイン……?」


 [はい/いいえ]

  ・

  ・

  ・

 はい


「ほ、ほんとうに……カインなの?」


 [はい/いいえ]

 ・

 ・

 ・

 はい


「な! なんで! あ――あんた! 人間に戻ってるの!? あたしの許可もなしに! か、勝手に戻ってるんじゃないわよ!」


 キサラは立ち上がると、そう叫んだ。

 さっきまで泣いていたのに、もうぜんぜん、そんな感じじゃない。

 すっかりいつものキサラだった。


 泣いているキサラもめずらしかったけど。

 こっちのキサラのほうが……、やっぱり、いいな


「だいたい! どこ行ってたのよ! 探したのよ! 探したんだからね! なんで家の中でおとなしくじっとしてないのよ! バッカじゃないの! カエルでぴょこぴょこ出歩いたりして! ね、猫にでも捕まっちゃったんじゃないかって……、心配したんだからぁ!」


 あ、また、はみだしてきちゃった。


「と、ところでっ! ……さっき、ど、どこから、聞いていたのよ?」


 どこからって?


「だからっ! あ、あたしが……! 言ってたことっ! どこから聞いていたのかっていう話っ!」


 えーと……。出ておいでー……、って、あたりだったかな?


「そ、そうなの……。じ、じゃあ……、アレは聞いてなかったのね……」


 キサラはなにか、ほっとしたような顔をしている。

 アレって? なに?


「い、いいの! 知らなくていいの! またカエルになりたいのっ!」


 さっきキサラ。もうカエルにしないって言ってたよ。


「だけどなんで……、人間に戻れたのよ? あたしの呪い、そんなにカンタンに解けるようなものじゃないんだけど」


 ぼくはリリーに改造された件を話した。

 てゆうか。あれ。呪いだったんだね。


「ふぅん……、呪いを解いたんじゃなくて、かいぞ……おっほん! ……人化したわけね。じゃあつまり、あんたはいま、カエルの能力を持ちながら、人間にもなってるわけか」


 カエルの能力ってなんだろう? ジャンプ力があるとか。平泳ぎがうまいとか?

 プラスマイナスでいうと、それはどっち? すこしプラス側?


 ところで……。さっきから、なにか忘れているような気がするんだけどなー。

 なんだっけ?


 頑張って思いだしてみますか?


 [はい/いいえ]?

今回の選択肢の投票場所は、こちらです。

https://twitter.com/araki_shin/status/698114196538421249


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新木伸、新連載、同時に3つ展開中!

「四億円当てた勇者ロトと俺は友達になってる」
http://ncode.syosetu.com/n2077da/

「文明崩壊後の世界を女の子をバイクの後ろに乗せて旅している」
http://ncode.syosetu.com/n1942da/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ