表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/111

ターン55-1「キサラEND」

今回より7話。

個別エンドです。

「花嫁の冠を誰に持っていったか」が、パラレルになっているとお考えください。

最初は「キサラEND」から~。

 花嫁の冠を手にした僕は、キサラのところに行ってみた。


「んっ……。カイン……」


 キサラはこんな日にも店番をやっていた。

 頬杖をついたまま、僕を見る。物憂げな声を、僕にかける。


「なぁに……?暇そうにしてる……って? そりゃぁね……。村じゅう、こんなだもの。こんなときに、薬買いにくる人なんて、いないでしょうね……」


 そうして、また、頬杖に戻ってゆく。


「えっ……? じゃあ、なんで?店番してるのか……って?」


 僕が聞くと、キサラは目をぱちくり。


「だってほかに、することないんだもん……」

「あたしのとこ、かんむり持ってくる酔狂なやつなんて、いるわけないし……」


 そうかなぁ。キサラけっこう男の子から人気あるよ。美人だし。

 僕は最近はもうすっかり「美人」がわかっていた。うん。キサラは美人だね。


「ほんとよ? まだだれも持ってきたり、してないんだから……、ぜったい、させてないんだから……」


 そういえば、僕もいま、冠、持っていたんだっけ。


「えっ……? 冠……、持ってきてる……って?」


 キサラは驚いた顔をしている。


「うそ……、うそでしょ?」


 ほんとだよ?

 僕は、持っていた冠を、キサラに見せた。


「み……、見せびらかそうって……いうの?」


「それ……、だ、だれに……あげにいくわけ?」


 そういえば、まだ、決めてなかった。


「……ユリアさん?」


 ちがうかな

 →[いいえ]

 ・・・

「……じゃあ、マリオン?」

 →[いいえ]

 ・・・

「わかった……。じゃあ、ロッカでしょ?」

 →[いいえ]

 ・・・

「じゃ、じゃぁ……、アネット……とか?」

 →「いいえ」

 ・・・

「じゃ、じゃぁ……。まさかとは思うけど……、リリー……?」

 なんでリリーだけ「まさか」なの?

 それはともかく、これも違うかなー。

 →[いいえ]

 ・・・

「じゃ、じゃぁ……」


 キサラは考えこんだ。

 もう、選択肢に出してくる、女の子がいない。


「…………」


 いや、一人だけいる。それは――。


「もしかして……、もしかして……、あ……、あ……ぁ、……あたし?」


 僕は考えた。


「…………」


 キサラは不安そうな顔で、僕を見ている。

 この不安そうな顔を、僕は、なくすことができるんだ。

 僕は、答えた……。

 →[はい]

 ・・・

「あたし……、性悪だよ? いいの? それでも?」

 →[はい]

 ・・・

「うん……。かんむり……、ちょうだい」


 キサラは、きゅうにおとなしくなった。

 僕の手で冠をかぶせられると、嬉しそうに笑った。

                              キサラEND

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新木伸、新連載、同時に3つ展開中!

「四億円当てた勇者ロトと俺は友達になってる」
http://ncode.syosetu.com/n2077da/

「文明崩壊後の世界を女の子をバイクの後ろに乗せて旅している」
http://ncode.syosetu.com/n1942da/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ