表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

来むと言ふも 来ぬ時あるを 来じと言ふを 来むとは待たじ 来じと言ふものを

作者: 宇田川ミツキ

万葉集にストーリーをつけてみました。


短編というか…B級な読み切り漫画、そんな感じです。

楽しんでいただけたら幸いです。



万葉集より



「来むと言ふも 来ぬ時あるを 来じと言ふを 来むとは待たじ 来じと言ふものを」




ーーーー




「雪だね」




「ええ。寒いですね」





「………」





「幽霊にも無口なんですね?」





「いや……別に…話す事もないし」




「こうして二人で雪を見ているだけで、いいじゃないですか」




「君が無口だって言ったんだよ」





「そうでしたね。ごめんなさい」





「うん」




「ハリネズミ」





「なにそれ」




「ハリネズミを知らないのですか?」




「チクチクのやつ?」




「そうそう。あのチクチクのやつ。じゃあ、あなたの部屋に居るハリネズミってなんだ?」




「わからないな」




「あなたの灰皿です」




「あーなるほど」





「落ち着きましたか?」




「最初から落ち着いてるけど」




「幽霊としては複雑ですね」




「俺に何の用?」




「いえ、用はないです」




「そうか」




「今日は眠れそうですか?」




「うん。眠たくなってきた」




「良かった」




「うそ」




「うそなのですか?」




「うん。またくる」




「待ってますから、ずっと」




ーーーー




ー雨の日ー




「今日は雨ですね」




「雪がとけちゃうな」




「雪は溶けると不細工ですよね」




「枕草子?」




「春はつれづれ?」




「色々ごっちゃごちゃだよ。春はあけぼの」




「そうでした。すいません」




「わろし」




「結びですね」




「なんで死んだの?」




「癌です」




「そか」




「雨音のする日はよく眠れますね」




「ああ、眠たくなってきた」




「おやすみなさい」




ーーーー

ー別の日ー



「いつか居なくなるのか?」




「そうですね」




「そか」




「さびしいですか?」




「うん」




「私もです」




「君に触れたい」




「無理ですよ、幽霊ですから」




「俺が死んだら?」




「触れますよ」




「じゃあ死ぬよ」




「ふふふ、ありがとう」




「なんだよ、それ」




「嬉しいと思っちゃダメですか?」




「ダメじゃない」




「じゃあ死にますか?」




「うん」




「私が出来るのは私の癌をあなたにあげることです」



「じゃあそれで」




「心を込めますね」




「それはいいよ」




「待ってます」




「うん」




ーーーー



ー雨の日ー



「雨音のする日はよく眠れますね」




「これで目覚めたら…」




「私に触れます」




「そか」




「ふふふ」




「なに?」




「私は暖かくはないですよ?」




「死んでるからね」




「ふふふ」




「なに?」




「嬉しくて。わろす」




「使い方違うよ」




「眠たくなってきましたか?」




「ああ、眠たくなってきた」




「では、また」




「おやすみ」



ーーーー




ー次の日ー




「なぜ?」




「私はあなたを殺せません」




「君に触れたい」




「ふふふ、上手ですね」




「うん」




「信じてしまったら、ダメになります」




「なぜ?」




「来ると言ってこなかったら、私はずっと待ってしまいます」





「そか」




「眠たくなってきましたか?」




「うん」




「おやすみなさい」




ーーーー




ー雪の日、二人ー



「くっついてても、あたたまらないね」




「死んでますからね」




「君に触れたい」




「どうぞ」




「ありがとう、嬉しい」




「暖かいです」




「俺の手は冷たいよ」




「いいえ、暖かいです」




「眠ろうか?」




「いいえ、今日は雨音が聞こえないですから」




「そか」





「ふふふ、あなたはバカですね」





「ちゃんと来るよ、俺は」




「ええ、とっても嬉しいです」





ーーーーおしまいーーーー





「来むと言ふも 来ぬ時あるを 来じと言ふを 来むとは待たじ 来じと言ふものを」



私が中学生の時に知った歌です。


この歌には色んな解釈がありますが、

この歌を書いた女性が、この主人公のように幸せになってくれてたらいいなぁと思って書きました。


もしかしたら、誰かに送った歌かもしれませんね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ