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序文

序文


「就職活動」


日本で戦後毎年恒例となっている大学生のイベントの呼び名のこと。

「就活」「シューカツ」「Job hunting」といった別称がある。


ちなみにこのイベントで失敗すると日本では社会の負け組という

烙印が押されて、非常に困難な立場に追いやられることになる。


最近では学歴が高いにも関わらず、就職活動に失敗するというケースが

多発している。この場合、本人は同じ大学の仲間に対する劣等感と

家族などからの失望に高確率で苦しむことになる。


専門家が分析するところによると、最近の企業は学生の学歴ではなく

コミュニケーション能力を重視するようになったことが原因であると

いうらしい。


日本学生辞典 「仕事」の章 第2節 「就職活動」より



・・・・・ほんっと、就活のおかげで(殺されかけ)死にかけたよ

・・・・・ふざけやがって





僕は今社会人1年目。もうすぐ2年目だ。

就職した会社はまあ業界の中堅てっところだ。


生まれてこの方ずっと東京暮らし。

大学はいわゆる国立の一流大学に通っていた。


最初は弁護士になることを目指して司法試験の勉強に励んでいたが、

途中で辞めてしまった。

理由は受かるかどうかも分からない試験に自分の一生を賭ける度胸が

なかったから。



3年の秋になって就職活動を始めた。最初はなにもかも上手くいくような

気がしていたが、現実はそう甘くなかった。


今僕がいる会社以外は見事に全滅してしまった。


この間僕は実の父親から事実上の勘当宣言を受け、就活で成功した周囲の友達に

対する劣等感でえらく苦しむこととなった。


それから色々あって、色々考えて、色々な人と出会って今に至る。



これからキミには大学時代から社会人1年目の終わりに差し掛かっている今

に至るまでの僕の経験を聞いてほしいと思う。


なんでこんなことをお願いするかって言うと、学歴が高いのに就職活動で失敗して

しまって打ちひしがれている人の気持ちを楽にしてあげたいからなんだ。


世間で一流と言われている大学に通っているにも関わらずシューカツで失敗してしまった

人の気持ちは同じ経験をしている人じゃないと絶対にわからない。


何も知らないくせに訳知り顔でこういうことを言ってくるヤツがいる。

「大丈夫、大丈夫。人生長いから何とでも挽回できるよ」


同じ経験を経ていないヤツからこんな上っ面だけの、偽善に満ちた励まし受けても

少しも嬉しくねえんだよってね。


そんなやつらのテキトーな励ましなんで聞かなくていい。


少し長くなるけど、僕の話だけを聞いてくれ。


そして願わくば、就活で失敗して苦しむキミに少しでも多くのシアワセを掴む

手伝いができたら、僕としてもこんなに嬉しいことはない。










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