恋って。
やはり積極的にアプローチしなくては前川のようにフラフラ(いやフワフワか?)した女子には効果がないのではないだろうか。結構押せばうまくいくのかもしれない。そんなタイプだけれど、逆に断れ切れないタイプでもある。好きじゃなくても社交辞令で付き合われるということにもなりかねない……
おーーい。どうすりゃいいんだぁぁい。
遠まわしに前川にアプローチするくらいなら、はっきりと告った方がいいのか? それとも、前川を確実に落とすまで忠犬ハチ公のように待つのか? 一体僕にはどれがお似合いなんだー!
とまあ、一人で盛り上がったとこで置いといて、前川でもいじろうかな。
「前川さん。あなた、知っていましたか? わたくし、実は今おトイレを我慢しているということを。」
「ふ…ぇっ?」
「それも、小さいのでもなく大きいのでもないのです。さぁ、一体何をがまんしているのでしょうか!」
そう言った途端前川は苦笑いになり、小さく「もぅ」と言った。
「ねぇねぇ前川さーん、答えて下さいよー。ヒントは男特有の生理現象ってとこですかね〜。はい、もうこれ以上言えませんよー。」
「……変態。」
前川は少し怒ったような表情をしたが、すぐにそれは笑いに変わった。僕は知っている。前川が結構な下ネタ好きであるということを。自分が下ネタを口にすることは一切ないのだが、あきらかに90%近い確率で何処かの誰かが言った下ネタにさえもご丁寧にクスクスと笑っているくらいなのだ。
僕は以前、おとなしい人ほど実はそういう話が好きなのだという統計を独自で行ったことがある。見事前川はその統計の証明に貢献してくれた。少しでもエッチな話に反応してくれる方がこっちとしても、盛り上がりがあるってものだし第一もしもの時の理解力がわずかながら期待できると思っている。
残念ながらこのクラスにも頭のかたい女がいて、そいつはルックス的には男の人気は高いのだが性格の不一致という理由から不評でもある。まず、ユーモアがなく真面目すぎる。そして何よりも男の捨て身のトークでさえも、馬鹿じゃないのと切り替えしてくる。誰がそんな女と一緒にいたいですか? いやらしいことをしてみようならば、たとえお付き合いをしていても婦女暴行で裁判にかけられることにもなりかねないくらいなんですから。
また、レズの話はおやつレベルに好物なくせに、そして生々しいほど美化するくせに、男と女の恋愛はひどく毛嫌うプッツン女もいる。ホモも許せないんだとよ。要するに男に自分が受け入れられないだけじゃないですかって話なんですけどね。自分を綺麗にしてから語って下さいってことですよ。
あ、なんか僕って前川以外には結構辛口かも・・・・・・。
ってか前川をぎゅーと抱きしめたい。理性が飛びそうだよ全く僕ってばさ。前川一体あんたは何考えてるんですかい。僕のことどう思ってるんですかい。
好き? 嫌い?
僕は好きなんですが、伝わってないですよねー? ですよねー。だから悩んでるんだっての。(あーむなし)