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情報化社会

作者: 栞崎葉月
掲載日:2026/10/27

 どこを見渡しても、スマホを構えている人ばかりだ。

クレープを持って自撮りする大学生くらいの女の子、ふざける様子を撮る男子高校生たち。挙句の果てには、さっきすれ違った小学生までもが、「通知来たから速くBeReal撮らないと!」と話していた。別にSNSに自分の様子を投稿することについては何も言わないさ。ただ、俺には、自分を知ってほしくてSNSを使うんじゃなく、SNSに投稿するために生活しているように見えるね。それじゃあまるで、人間はスマホの付属品じゃないか。ほら、さっきの女の子も、撮影終わったらクレープ捨てちゃったよ。結局は自分をよく見せる飾りにすぎなかったってことさ。せっかく店員さんが作ったってのに、恥ずかしくないのかい?

「今から狩野くんが、川に飛び込んでくれまーす!」

何だ…?さっきの高校生たちじゃないか。川に飛び込むなんて、馬鹿馬鹿しくて見てられないな。しかも狩野くんとやら、嫌がってるじゃないか。あいつらのやってるのはただのイジメだ。そんなこと、許されるはずがない。

「おい!お前ら何やってんだ!」

俺は別に正義の味方気取ってるわけじゃないが、それでも見逃せないな。

「お前らのやってることは人として最低だ!彼はお前らの再生回数のための道具じゃないんだ!スマホしまってとっとと消えな!」

リーダー格っぽいやつが今にも殴りかかりそうに睨んでるな。言いたいことがあるんならはっきり言ってみろよ。俺はお前なんか怖くないぜ。

「あ…あんただって俺らとおんなじようなもんだろ!知ったように口聞くんじゃねえよ!」

同じだって?笑わせる。俺とお前のどこが同じだっていうんだ。俺はお前らみたいに人を使って再生回数を稼ぐようなマネは御免だね。自分が正しいと思ったことは誰が見てようが見ていまいが、正しく行われるべきなんだ。

「視聴者のみんなも、そう思うだろ?」

そう言って俺は手に持っていたスマホに向き直った。

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