0042 イベントと水のダンジョン3
「はぁ……まさかあそこから30分もイチャイチャしてるとはね……私がバカだったわ」
「もうその話はやめて!恥ずかしいから!」
「そうはいってもねぇ……」
イチャイチャが終わるまで待とうとしてしまった、水中探索班の3人は疲れていた。
まさか30分も絶えずにハートを撒き散らすとは思わなかったのだ。
合流した5人は紬が見つけた道を進んでいた。
道は非常に細く、人が一人通るのもギリギリである。左右にはそこも見えないほど深い湖が広がっている。洞窟の中というのにかなり広く、東京ドームぐらいの広さはありそうだった。
「行き止まりだね」
「主人はここで待っているといいでござるよ。吾輩達で探索してくるでござる」
「わかった。気をつけてね?」
「わかっているでござるよ」
水中探索班の3人は、広大な湖の中へと入っていった。
それは、また紬とナギが二人になるというわけである。
「えーと……私たちも何かしようかっ」
「そうだね」
少し気まずい空気が流れる中、地上班の探索は開始された。
「どうしよ……気まずい……」
自覚のない紬は気まずい空気に耐えられなかったみたいである。
◇ ◇ ◇
「あの二人を残してきたことに私は不安を感じているんだけど」
「そんなこと言い出したらキリがないからやめよう、ってさっき話してたよね?」
「でもさぁ……ねぇ?マサムネもそう思うでしょ?」
「まあ、気にしてたら本当にキリがないでござるよ。吾輩も心配ではあるでござるが……」
マサムネはそう言いながら、上を見上げた。
水の中なのに話せているのは、ここがゲームだからである。現実世界とほぼ一緒の性質を持っているこの世界の水だが、水の中にいても話せるというびっくり設定なのである。
しかし、普通に息を吸わないと溺れるため、途中で息継ぎが必要である。
「まぁ2人がそこまでいうなら私も気にするのやめようかなっ!」
剣士、ハルはそう言うと、勢いをつけて下へと潜っていった。
マサムネとリーダーことシズも、ハルに続くようにして下へと潜っていった。
「シズー!扉見つけたー!」
先行していたハルが大きな声で言った。
シズはステータスを開き、空気ゲージを見た。残りの空気ゲージは10/100で、扉の先も水だった場合は溺れてしまう。その危険性を考えて、シズは、
「扉を開けてその先も水だったら一回上に戻ろう!」
「わかった!とりあえず開けるよ!」
ハルは勢いよく扉を押した。
扉は少しだけ開いたものの、まだ人が入れるような隙間ではない。
ハルは勢いよく扉に体当たりをした。
「あっ!空気だっ!シズー!水じゃなーい!」
「わかったー!待っててー!」
ハルの言葉を聞いたシズとマサムネは、空気ゲージが切れる前に、と急いで下へと潜っていく。残りの空気ゲージは6、5、4……と減っていく。
「やばいかもっ……」
シズはさらに勢いをつけて下へと潜っていく。
下に行けば行くほど水圧は大きくなり、スピードは落ちていく。空気ゲージが切れるか、扉まで辿り着けるか、ギリギリの戦いだった。
空気ゲージが0になろうと言う時、シズは扉の中へと飛び込んだ。
「間に合った……」
「ゴボボボボボ……」
「マサムネー!!」
息継ぎが間に合わなかったことで、空気ゲージが0になり、マサムネは溺れていた。
鎧を着ていることで、鎧の隙間から水が入り鎧はどんどん重くなっていく。
さらに、動かしている本体はスライムである。溺れたことでマサムネは毎秒ダメージを喰らっていた。
「今助けに行くからねーっ!」
ハルはマサムネを助けに再び水の中に入っていった。
「ゴボボボボボ……ゴボッ……オボレタッ……」




